2007年02月19日(月曜日)
1580.ゆっくり喋ってね
(これは、成田⇒ロスの飛行機の中で書いたものです。)
私達は洗車というビジネスについて、
「伝える」ということを活動の中心に置いている。
自分たちが習った技術を伝え、
洗車に対する考え方や知識を伝え、
販売ノウハウを伝え、
我々の商品の存在や使い方を伝え、などなど
伝える事が私たちの仕事であると言ってしまっても構わない。
伝える事とは、
自分が知ったことを、
知らない人に伝えることであって、
自分が伝える相手とは、
まだ知らないという事が前提である。
だから、知らない人が聞いても理解できる言葉で喋らなくてはならないし、
知らない人が見ても、理解できる写真なども使わなくてはならない。
当たり前の事のようだが、
私達はそのことをよく忘れる。
自分たちが身内でいつも使っている特別な言葉、
つまり、その会社の中の方言みたいな言葉を、
他の人との会話に平気で入れてしまったりする事がよくある。
これは聞いているほうからすると、
実に不親切であり、閉鎖的である印象を受ける。
もちろん、理解など出来るわけがない。
また、自分はそれが何であるのか分かっているので面白い写真だと思っても、
それが何なのか知らない人が見ると、
さっぱり解らない写真を撮ってしまうこともある。
これも不親切であり、
身勝手な姿勢である事になってしまう。
自分が言おうとしていることについて全く知らない人に、
それを伝えるには何をどう説明すればいいのか。
決して簡単ではない。
そして、たまたま自分は知っているが、
それは知る機会があっただけであって、
知らない人に対して優位性を持っていることではない。
知っている者として、知らない人に何かを伝える時、
知っている事に高慢な気持ちを持つと、反発だけが返ってきて、
何も伝えられなくなってしまう。
物事を伝えることとは、いかに相手の気持ちになれるか、
いかに、相手の理解を自分のこととして感じられるかという事になる。
なぜ、こんなことを思うかというと、
このシンガポール航空のスチュワーデスさんたち、
若くてスマートで、やさしく感じが良いのだが、
とにかく英語が早口で、何を行っているのかよく解らない。
もうちょっとだけゆっくり喋ってくれればいいのに、
たっぷりの笑顔で、
でも相変わらずの早口でペラペラっと喋ってくる。
こちらもぜんぜん英語が分からない訳ではないので、
もうちょっとゆっくり話してくれればいいのにと、
そう思っているうちに、だんだんイライラするようになった。
これはきっと私たちにも言えることなのだろう。
自省する。
もうすぐロスに到着である。