2007年01月12日(金曜日)
1551.洗車は根性か?
(この話は11日に書いたものです。)
お正月に来ていただいたある事情通の人から聞いた話。
「近頃、板金屋さんとか部品屋さんがずいぶん仕事が減ったそうなんですよ。
なぜだか分かります?
変な話ですけど、
“飲酒運転の取締りが厳しくなって、
罰金が高くなった”ので飲酒運転が激減したからなんです。
車をぶつける人が減って、それで板金屋さんが暇になったらしいんですよ。
冗談みたいですけど、本当にそうらしいですよ。」
飲酒運転が減ったから板金屋さんが暇になって、
バンパーとかフェンダーなどの交換部品の注文も減り、部品屋さんの売り上げが減った。
「風が吹いたら桶屋が儲かった」みたいな話で、面白かった。
昨日、快洗隊の企画ミーティングを行なったのだが、
その席で酒部社長が
「どの店も板金の受注が減っているんです。何が悪いんでしょうかね。」と、
深刻な顔をして言うので、
「飲酒運転が減ったから板金屋さんが暇になっている話」をしたら、
「は~~~っなるほど」と、あきれていた。
何か変わった現象があれば、
その原因がどこかに必ずあって、
それが、思いも寄らぬ所にある場合がある。
客観的に物を見て、広く考えをめぐらす習慣を持つ必要があるようだ。
物事を主観的にばかり見ていると、本当の事が見えてこない事もあるということか。
私達は、品質の高い洗車を通じて
コーティングなどより付加価値の高いキレイさを
買っていただけるお客様の開拓を、提唱している。
その高い品質を作り上げるために、
洗車技術を高める訓練をする活動もたくさんやって来た。
技術を上げることによって品質を上げることは出来る。
しかし、それを維持することが実は大変なのだ。
洗車にしても、コーティングにしても、室内清掃にしても、
多かれ少なかれ労苦を伴うものであり、(どんな仕事でも同じことなのだが、)
くたびれてしまった時に、
気が抜け、手が抜かれて、あっという間に品質が落ちる。
本当は、それは、その人の仕事に対する考え方とか、
意欲とかで十分にカバーできるものなのだが、
それも限度を越せば、
なかなか意志と意欲だけではカバー出来なくなることもあるし、
逆に、洗車という商品は、
そのような強靭な意志がなければ品質を維持できないものだとすれば、
高品質の品質を維持する店舗が広く一般の世間に広がることは、
大変難しいと言う事になる。
「洗車は根性だ。」ではダメなのである。
それでは、広がることもなければ続くこともない。
根性が無いことでは自他共に認める私がそう言うのだから間違いない。
品質の高い「洗う」「磨く」「守る」「掃除する」は、
常識的な能力を持って、誰でもが常識範囲の中での労働で実現できなければ、
広く一般に広がることは難しいだろう。
特に日本人はキレイ好きで美的感覚が鋭く、眼が肥えているので、
そう簡単には納得させることは出来ない。
それを作り出していく主役は、
もちろん、唯一美的感覚を持っている人間であることは当然であるが、
人間の力には限界がある。
化学の力を活用することも必要だし、
文明の利器である機械の力を活用することも必要だ。
私達は技術を提供していくことや、
知り得たノウハウをあまねく提供していくことも、当然の事としてやっていくが、
「あとは本人の自覚と根性だ。」と言って放り出すことはしない。
みんなが全力で仕事をして、その結果が最大限出るように、
頑張る人達を手助け出来るよう、
化学の力を探求もするし、機械の力を精一杯工夫して新しい力を作り出すことも、
自分たちに与えられた仕事としている。
自分たちがするべき使命として仕事をしている。
それが、強靭な意志の力と根性の持ち主だけが成功できるビジネスを、
広く一般に広めていく手立てであり、
その恩恵を広く一般の人が得られるようにする有効な手段であり、
自分たちに与えられた仕事であると思っている。
今日一日の仕事は、そういう意味で、一つの画期的な出来事の第一歩であったと思う。
朝5時に起きて、朝一番の飛行機で札幌に向かう。
空港の駐車場に着いた時、やっと東の空が赤く染まってきた。
飛行機が空に昇って行く途中、遠くに富士山が見えた。
東の空の太陽が逆光になって見にくいが、
ちっちゃな三角が解っていただけるだろうか。
札幌でのミーティングが始まってしばらくて昼ご飯の時間。
目的は、いつもの近くのレストランでのニンニク醤油ハンバーグ。
外はマイナス4゜C(本日の最高気温)
この取り合わせの意味の結果が、あと何ヶ月かすると皆さんの目の前に現れる。
北海道の日暮れは早い。
午後5時にはもう真っ暗。
飛行機に乗って、今は東京のホテルでこれを書いている。
明日はまたエキサイティングな一日が待っているだろう。
仕事は本当に楽しい。