谷 好通コラム

2019年04月07日(日曜日)

4.07.国を越えて「桜」は、みんなが美しいと思うらしい。

日本人は桜が好きだ。と言い、
桜を愛する感性を日本人らしい、と言うが、
近来ではアメリカやイギリスにソメイヨシノの桜の苗木が持ち込まれ、
有名な川沿いに見事な桜並木があって、
桜の花が咲く季節には、アメリカ人やイギリス人にも大人気だと聞いた。

 

見事に一斉に桜の花が咲く景色は、国の垣根など越えて、
すべての人に感動を与えてくれるものなのだろう。
不思議ですね。
人は国の違いによって、
肌の色がまったく違ったり、
骨格の違いによって、見た目がずいぶん変わるのに、
オリンピックなどを見るまでもなく、
同じ種目で色んな種類の人間がごちゃ混ぜになって競っていて、
肌の色の違いによって肉体的能力に大きな偏りがあるものではない。
IQに至っても肌の色の違いによってその能力によって偏りがあるものではない。
「天は人の上に人はつくらず、人の下に人はつくらず」とは、
生まれた時点では相当な精度で、正しいのかもしれない。
違ったとしても、
厳しい訓練を重ねても校内競技会でも勝てない人もいれば、
同じような訓練を受けた人がオリンピックで活躍するくらいの差しかない。
言い方を変えれば、その競技をやらせてみなければ判らない程度の差しかない。
むしろ、
同じような体格の人間でも、
その訓練を真剣に受けた者と、
訓練をまったく受けなかった者との差は、
それ以上の差が出来ていて、競技をやらせてみなくても、
歩く姿や、立った姿だけでもはっきり判る差が出来るものではないだろうか。

 

頭脳の能力でも同じようなことが言えるのかもしれない。

 

人は生まれついての肉体的能力の差、
頭脳の能力の差は、
厳密に言えばある。
遺伝子としての差はそれなりにある。
「天は人の上に人はつくらず、人の下に人はつくらず」とは、
ポリシーの上での理想論であって、
そうあるべきではあるが、現実は違うと言えば、それはそうだ。

 

しかし、人はその人生の過程において、
その運命を、他力によって大きく変えられてしまうことも多々ある。
その逆に自力によってその運命をわがものに取り戻すこともある。

 

例えば、恥を忍んで、
たとえば、
私の父は学生の頃、短距離走100mで三重県トップとなり、
国体の競技に出たことがある。
つまり私は、
足の速さではトップクラスの遺伝子を体の中に持っている。
しかし、4才の時、
当時流行っていたポリオ(脊髄性小児麻痺)に罹患して、
左足に不自由を持ってしまった。
そのせいで足は常に全校で一番遅かった。
だから学生の頃から、
常にコンプレックスが付き纏っていた。
このコンプレックスは今でも大切に持っている。
しかし、
その裏返しで私は高校の柔道部に入って、黒帯となった。
名古屋市立の高校だけでの大会で、私はベスト8に入ったことがある。
そんな事は今となっては、何の役にも立たないが、
少なくとも、
私はたまたまポリオを罹患しただけであって、
谷好通としては、一人前の肉体を親からもらっている事を確信している。
しかしこの年になり、
その弱みが色々な形で表面に出てニッチもサッチもいかないが、
まだ悲観的な気分にもなっていないのは、
仕事が面白すぎるのであろう。
仕事については学べば学ぶほど解からない、知らないことが転がり出てきて、
凡人中の真正凡人の我が頭をひねっていると、
不思議と次から次へと厄介なことが解決していくから面白い。

 

今は誰も私に「走れ」と言う人などいないが、
走ったら惨めな思いをするだろうことは、
私自身のコンプレックスとして、大切に持っていればいいと思う。
自分の中に出てくる傲慢を帳消しにするのにちょうどいいから、
死ぬまで大切に持っていこうと思う。

 

いずれにしても、素晴らしく足の速い遺伝子を生まれながらに持っていながら、
他力であるポリオのおかげで台無しになったが、
そのおかげで、成長の中で「負けない自分」を得て、
年取りながら、今の自分になり、今の成果を得た。
人はその人生の過程において、
その運命を、他力によって大きく変えられてしまうことも多々ある。
その逆に自力によってその運命をわがものに取り戻すこともある。

 

街のあちらこちらに、
満開の桜の花がいっぱいあって、
素晴らしい美しさを日本人だけが感じるのではなく、
世界の違う国の人達も同じように感じることを思い出して、
色んなことを考えてしまいました。

 

 

LABO刈谷店の近く、亀城公園の桜。

 

 

亀城公園の桜は多くの刈谷市民に愛されている。

 

 

レスリングの「志學館」の近くの畑の脇に見事な桜が並んでいた。

 

 

手入れはあまりされていないようだが、若いので、美しい。

 

 

本社近く吉田小学校の正面玄関の桜。見事だ。

 

 

家の近くを流れる「石が瀬川」の堤防の桜並木。提灯が懸けられ夜桜もやっている。

 

 

一昔前までは、石が瀬川の堤防は「からし菜」の群生が、
「日本の花百選」に選ばれていたが、何年か前の台風の時、
堤防決壊で洪水になって、堤防のコンクリート化でからし菜は無くなってしまった。今は桜だ。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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