谷 好通コラム

2006年10月30日(月曜日)

1502.客の目線に立つ事

昨日(29日)、愛知県下の快洗隊直営店を見て回った。
最後に行こうと思っていた甚目寺店に行けなかったので全部で6軒。
それでも丸一日がかりである。
(甚目寺店には近いうちに行く。
明後日は北神戸店に行く予定をしている。)

 

最初に行ったのが「大須店」
つい一ヶ月前にオープンしたばかりの店で、
名古屋のど真ん中の大通り沿いにあって、一番目立つ店である。
ところがこの店、来客数がまったく少なくて困っている。

 

この店は、作業スペースが50坪程度と極端に狭いので、
他の快洗隊店舗のように
洗車を切り口にしてコーティングとか、高い商品につなげていくという作戦が難しい。
場所が狭いので、洗車台数を多くは取れないからだ。
だから、この店に限っては「洗車屋」というよりも「コーティング屋」の色合いを出して、
はじめから最新の「ダイヤモンドキーパー」を前面に出した店作りをした。
だから、最初から平均単価は11,000円以上という圧倒的に高い。
しかし、客数が極端に少なくて
10月の売り上げもわずか80万円余と低迷している。

 

何とかたくさんのお客様に来て欲しいと努力を重ねているのだが、
なかなか効果が上がらない。

 

岡崎店と同じようなコンセプトで、
「洗車屋」としての集客力と、施設と設備で「コーティング屋」を表現すれば、
客数は増えるはずだが、
洗車客を安易に増やすことは、
非常に狭い大須店にとっては致命傷になりかねない。

 

洗車よりもとりわけコーティング客が多く来ていただける店作りをどうするのか。
今の方法でも、時間が経てば、
徐々に客数は増えていくかもしれないが、
スタートがこんな低迷では、ちょっと話にならない。

 

看板を含めた店の表現が、どこかズレているに違いない。
お客様が見てこの店から感じるものと、
こちら側の“つもり”に、何かズレがあるのだ。

 

それが何なのか、どこにそれがあるのか、
そこさえ見つかれば必ず繁盛店になるのだ。
他の快洗隊と違う条件を持った大須店は、
その店の表現として、
他の快洗隊と同じでは、
お客様が入って見ようとしない何かがあるのである。

 

そこを見つけなければならない。
また、それを見つけた時、新しいノウハウを手に入れたという事になる。
そこに何か新しい問題があって、
それを解決した時に、新しいノウハウというものは得られる。

 

 

問題は、店に対するお客様との感じ方のズレだ。
そのズレを見つけるためには、
お客様の気持ちになりきって、店を見る必要がある。
これが、実に難しい。
自分は店を主催する側の人間であって、お客様ではない。
たとえば、自分が男であるならば、いくら女の気持ちになりきろうと思っても、
それは非常に難しいことで、
店側の人間がお客様に成りきって、お客様の気持ちを知ろうと思うのは、
それと同じぐらい難しい。

 

それが完璧に出来たら、商売の天才になれるはずだ。

 

それほど難しいことではあるが、
どうしてもそれをやらなくては、商売は決してうまく行かない。
「客目線になる」ことが少しでも出来るように常日頃努力し続けることは、
商売をやる者として絶対に必須のことだ。

 

大須店での、こちら側とお客側のズレがどこにあるか、
神経を研ぎ澄まして考えていかねばならない。
その努力を積み重ねていくことで、
ちょっとした事を見つけ、
必ず解決することを、
他の新しい店をやってきた経験でよく知っている。

 

完璧にまで掃除をされた店内。
「ヒマだから汚くなる店」が多いのに、
ヒマなのに、ここまできれいに維持されていることは
ここの店のスタッフの姿勢は決して間違っていないはすだ。

 

 

次に行ったのが鳴海店。
この店もオープン当初、客数の少なさに悩んだが、
「手洗いドライブスルー」で完全にきっかけをつかみ、
現マネージャーである土井君は、
自信たっぷりで年内には直営店トップになることを宣言している。
成住チーフの成長も著しい。
メンバーもアルバイトさんを含めて高い士気が維持されている。

 

 

次に、刈谷店。
他の店舗に追い上げられながらも、
何とかトップを守りつつも、
いかんせん8年前に出来たという古さが、いよいよ顕著になって来た。
もう限界であることを、じっくりと眺めているうちに思った。
近々に作り直す必要がある。

 

それにしても、都築チーフの頑張りが光る。
いや、刈谷店の皆が一番苦闘しているのかもしれない。
悲壮感すら漂うのを感じた刈谷店であった。

 

今月の16日から営業職から快洗隊スタッフとして転勤した酒井君。
勉強熱心な彼は、一つ一つの仕事を噛み締めるようにやっていて、
彼のためになっていることを実感した。
それは、岡崎店に転勤した柴田君にも全く同じことが言える。

 

 

次に行ったのが知立店。
とても小さな店だが、実績はもうどこにも負けない堂々たるものだ。
今年から知立店Mgとなった藤川君が活き活きとした表情であったことがうれしい。
それに、
横山さんが戻っていたのだ。
私が大好きな横山さんは、一時、アルバイトをやめたと聞いていたが、
また、戻っていてくれた。
「家でじっとしているとツワリがひどいんだけど、
仕事をやっているとそんなこと忘れちゃって、楽なんですよね。
皆が心配してくれるけど、ぜんぜん大丈夫ですよ。」
いつも、ハラハラさせる横山さんです。

 

 

ちょんまげスタイルであった島袋君が、何を思ったのか坊主頭になったそうだ。
もうだいぶ髪の毛も伸びて普通の頭になっているが、
島袋君は面白い人です。

 

 

次に安城店。
ここには柴田Mgがいて、中井さん、安藤君も、みんなとっても元気が良くって、
ホッとするようないいムードがあって、
だからなのか、実績も素晴らしく安定している。

 

 

それから行ったのが岡崎店。
ここの真っ白なピットは、プロを感じさせる。
この路線を、これから伸ばして行きたいと考えている。

 

その岡崎店で見つけた「客目線の不思議」

 

店の脇には交通量の多い路地があって、
この路地が、実は岡崎店を支えてくれている。
信号待ちの車から、至近距離で店の中を見ることが出来ていて、
その地元の人たちがたくさん岡崎店に来てくれているのだ。

 

その路地側の入り口から私は岡崎店に入ろうとした。
そうしたら、入り口にチェーンが張ってあるではないか。
それも毎週火曜日定休日の看板が目の前にある。
あれ?今日は火曜日だっけ?岡崎店は休みか?

 

 

もちろんそんなわけが無い。
チェーンは、定休日の看板の下にぶら下がっているだけであって、
入り口にかかってはいないのだ。
目の錯覚である。

 

 

目の錯覚と言って笑って済ませていいのだろうか。
私が客であったならば、
「あれっ?今日は休みか。」と思って、通り過ぎてしまったかもしれない。
後にも信号待ちの車がいて、
あまりモタモタしている訳にもいかないので、
閉まっていると錯覚をしたら、
そのまま通り過ぎてしまう人が、少数であったにしてもいたに違いない。
100人に1人かもしれないし、
100人に5人であったかもしれない。
いずれにしても何人かは、閉まっていると錯覚をして通り過ぎたことは予想できる。

 

商売の純利益とは、売り上げの20%もあれば超優良店舗であり、
通常は、多くの場合、2%とか3%の純利益でがんばっているものである。
例えば通年平均で2%の純利益の店舗であった場合、
100人のうち2人が、つまらないことが原因で来店しなかったら、
純利益のすべてが吹っ飛んでしまうことである。

 

ほんの少しの人がつまらない錯覚で帰ったとしたら、
純利益はなくなってしまうこともあるのだ。

 

こんなつまらない錯覚が、その店の赤字黒字を決めてしまうことさえあるのだ。
こんな一見つまらないようなことに、
店舗の採算の分かれ目が出来ていることがある。

 

お客様の目線とは、
こんなことの積み重ねによって、初めて理解でき、
自分をその目線に持っていけるものであることを忘れるべきではないと思う。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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