谷 好通コラム

2005年10月25日(火曜日)

1274.75 000の洗車屋

ロスのトニーから、
米国における洗車事業に対する調査報告の第一報が届いた。
その中で最初に驚いたのが、
アメリカにおける洗車ビジネスのスケールだ。

 

アメリカは、人口においては2億9千万人で日本の約2.5倍なのだが、
洗車をビジネスにしている事業所は、
全米でなんと75,000箇所もあるという。
日本の人口比に換算すると、日本ならば30,000箇所という事になる。

 

その上、私が見た洗車場はその多くが大型で、
洗車スタッフもメキシカンを中心に30~50名いる。
売上げは、単価と台数から推測するしかないが、
ある繁盛店では、
700台/1日×1,500円/台=1,005,000円
これにカーディテイリングでの売上げや売店での売上げを加えると、
およそ1,200,000円/日となる。
1ヶ月では120万円×30日=3,600万円
ロスではもっとすごい繁盛店を何軒か見た。

 

 

あるいは、田舎町で見たセルフのTOUCH FREE(ノンブラシ)洗車場で、
200台/1日×800円/台=160,000円
1ヶ月では16万円×30日=480万円

 

 

洗車専門店であったり、スタンドに併設の洗車設備であっても、
そのほとんどが大掛かりであり、お客さんが絶えないほど繁盛している。
このたった一台のTOUCH FREEを置いただけのガソリンスタンド内のセルフ機でも
月400万円ぐらいの売上があるという。

 

 

トニーがロスで連れて行ってくれた小さな洗車屋、
それは、掘っ立て小屋と水道があるだけの劣悪な環境の洗車屋であったが、
それでも、お客さんはひっきりなしにやってくる。
こんなちっぽけでチープな洗車屋でも、
多分、80台/日×1,000円/台×30日=2,400,000円
ぐらいはやっているだろう。
・・・・・・
・・・・・・
ここまで書いて、
実は、買った切符の新幹線に乗り遅れてしまった。
発車の時刻まで30分近くあったので、構内の喫茶店でこれを書き始めたのだが
くっそ~、私は数字を書き始めるとのってしまい、時間を忘れてしまったのだ。
気が着いたら発車時刻の1分前、結局、乗り遅れてしまったのだ。
今はその乗り遅れた列車の28分後の新幹線の中。
がっくりである。
・・・・・
気を取り直して書く。

 

(つづく)
多分、アメリカの洗車事業所は全部で20箇所ぐらいしか見ていないが、
その規模と売り上げは、
少なくとも何百万円、多ければ数千万円の売り上げを生み出している。
洗車事業は、アメリカにおいては、思ったより大きな事業となっているのだ。
平均したら4~500万円を大きく下回ることはないだろう。
(あくまでも直感であるが、)

 

以前アメリカを訪問した時、
アメリカでの洗車事業の
その規模の大きさに驚いたと同時に、
洗車屋の“数”は、それほど多くはないだろうとも想像していた。
アメリカ人の車に対する考え方は、
車は「道具」であって「嗜好品」でなく、あまり洗車をしない方だという先入観があり
それなのに、一軒当たりの洗車売り上げが大きいならば、
洗車屋の件数はそれほど多くはないだろうと予想したのだ。

 

ところが、トニーからの報告書によると、
全米で75,000箇所の洗車事業があるというのだ。

 

その一軒当たりの平均売り上げを、思いっきり低く見て300万円だとすると、
全米の洗車に関わるマーケットのサイズは、
300万円×75,000箇所=2,250億円/月となる。
年間で2兆7,000億円だ。
これはでかいビジネススケールである。

 

これを、日本との人口比に換算してみれば、
2兆7,000億円×1億2千万人/2億9千万人≒約1兆円/年となる。

 

では実際の日本の洗車事業ではどうだろうか?
日本の洗車事業の主役はガソリンスタンドである。
全国のガソリンスタンドは約50,000軒。
実態は廃業していたり、休眠スタンドや洗車設備のないスタンドが数多くあるので、
40,000軒ぐらいと考えたほうがいい。
そのスタンドが売り上げている洗車収益が平均して約50万円。
何年か前までは約30万円と言われていたが、
あれからスタンドが全国的に洗車に対して力を入れたことと、
我が社も少しは貢献できたのではないかという自負も入れて約50万円とすると、
40,000軒×50万円=200億円/月
年間で、200億円×12=2,400億円

 

低迷しているコイン洗車場では、月平均100万円を上げている所は少ないという。
とすると、月70万円ぐらいが平均か?
全国のコイン洗車場は設備の老朽化に対して、
不採算経営のツケで新しく設備更新されずに減り続けているという。
しかし、それでも全国にまだ10,000軒のコイン洗車場があるとして、
10,000軒×月70万円=70億円/月
年間で、70億円×12=840億円/年

 

カーディテイリング屋さんが全国に何軒あるかはさっぱり分らない。
限りなく大まかにコイン洗車場と同じ840億円/年としてしまうと、

 

車をきれいにするサービスを事業として
日本では、2,400億+840億+840億=4,080億
合計で4,080億円/年となる。

 

アメリカの洗車事業の在り方から見ると、約半分でしかない。
何かおかしい。

 

きれい好きである日本人が、
アメリカの半分以下しか、
洗車とかコーティングなどの車をきれいにするサービスにお金を払っていない。
何かヘンだ。

 

ここに何か新しい日本の洗車事業の可能性が隠されているような気がする。

 

その一つの回答が快洗隊であり、キーパーであるのではないか。
それを明日から書いてみたい。

 

 

いずれにしてもアメリカはすごい。
何もかもスケールがでかい。

 

フリーウェイで見た事故現場。
事故までなんか凄いのである。

 

 

アメリカの洗車の一つの必須要素。
それは“水”である。

 

 

ここにも、日本でのビジネスの大きな可能性の一つが隠されている。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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