谷 好通コラム

2005年09月11日(日曜日)

1246.しないことの代償

私は風呂を朝に入る。
いわゆる朝風呂だ。
「朝風呂に入ったほうがよく目が覚めてイイ。」とは、まったくの言い訳で、
風呂は夜に入った方が、
体が清潔な状態で眠るわけであって、
よく休まるだろうし、体の新陳代謝も活発になって良いはずだ。

 

では、なぜ、私は朝風呂に入るのか。
それは、夜、家に帰ってきたら、とにかくすぐにビールが飲みたいからだ。
風呂上りのビールもウマいかもしれないが、
それより、座ったらとりあえずビールが飲みたい。
風呂に入ったりシャワーを浴びて、体をさっぱりさせるより、
とにかくビールを飲んで、そして飯を食べたい。

 

そして、飯を食べたら横になりたい。
横になったら、もう風呂には入りたくなくなる。
少しの時間ゴロっとして、
パソコンを開けたら山ほど届いているメールに返事を書くのに夢中になるし、
コラムを書き始めたら、かなり集中するので、
「風呂に入るのは明日でいいや。」となるのだ。

 

これがほぼ毎日続いて、
結果として朝風呂になってしまうのだ。

 

家に帰ったら、すぐに、風呂に入った方がいいのは解っていても、
その前にビールを飲みたいし、飯を食べたい。
ただそれだけの理由で、私は朝風呂になってしまったわけだ。

 

帰ってすぐにビールを飲みたいだけで、
家では、夜と朝、2度も風呂を沸かす事になる。
不経済であるし手間も大変であろう。申し訳ないとは思っているが、
それが習慣にまでなっている。

 

情けない話である。

 

すればいい事なのに、しないこと。
例えば、この場合、
帰ってきたらすぐに風呂に入ってしまえばいいだけのことを、
早くビールが飲みたいだけのために、風呂に入らず、
朝風呂に入るので、
二度も風呂を沸かして、無駄を繰り返している。
これが何年も蓄積をされると、とんでもない大きな無駄になっているのだろう。

 

一回風呂を沸かすのに2百円かかるとすると、
1年365日で、73,000円。
10年で、730.000円
30年で、219万円だ。
中クラスの乗用車が一台買える金額である。

 

もったいないことである。

 

ちょっとだけ頑張ってやればいい事を、
いつでもやれると思うと「明日やろう。」とか「暇なときやろう。」とか、
それがずるずる続くと、
とんでもなく大きな代償を払っていることがある。

 

そんなことって一杯ある。
ある営業拠点で、その環境が狭く有効な活動に使えなくなっているので、
いっそのこと何処かに快洗隊直営店を作って、
神戸営業所が快洗隊・北神戸の中にあるように、営業所を兼用すれば、一番いい。
それが難しければ、
広い倉庫を研修所に改造して使う手もある。

 

大至急、見合う物件を探すように指示したが、
いまだ実現していない。
責任者である彼は普段の業務に大変一生懸命であり、
仕事の能力は非常に高く、
顧客からの信頼も特に厚い。
間違いなく信頼できる優秀な責任者で有る。

 

しかし、“いつか”やらなければならない、
つまり期限無しの物件探しの仕事については、
「あした」あるいは「いつか」と先送りしてしまい、
とうとうここまで来てしまった。

 

そうこうしている内に、
大仕事が舞い込んできて、
この営業拠点においてもその仕事が大量に来たものの、
営業所ではその仕事を実行することは出来ず、
すべて、相手先の場所でその仕事をさせていただいている。

 

今の時点ではその仕事のおかげもあって、素晴らしい結果を出していてくれるが、
自前の場所を提供できないことが、
今後の仕事への期待度を下げてしまっていることは間違いなくある。

 

この営業拠点は、
目に見えない形で、知らないうちに大きなチャンスを逃し、
自らも会社としても大きな損失を積み上げつつある。
せっかく大きな力を持っているのに、それを100%発揮できる舞台作りを、
いつまでも“明日”に先送りしてしまっているように思えるのだ。
本当に勿体無い。

 

「あした」「いつか」の連続が、とても考えられないような大きな損失を積み上げる。
そんなことって一杯ある。

 

 

昨日から、岡山に来ている。
スーパー耐久シリーズの岡山TI戦が今日行なわれた。
結果は今までになく本格的なドラマであった。

 

それは、?17キーパーインテグラのメカニカルサービスを
「東名スポーツ」という本格的なガレージに任せる事になって、
飛躍的に車の戦闘力が上がり、
上位常連のチームの車と互角、あるいは互角以上に戦えるようになったからだ。
レースというドラマは、力が拮抗した中で作り上げられるものだ。

 

そういう意味で今日は素晴らしいドラマであった。

 

振り返ってみれば、
満たされない消化不良の戦いを続けていた時、
それを根本的に解決するには、
いつか、サポート体制をもっときちんとした形に作り上げなければならない。
それは、みんな分かっていた。
それを解っていつつ、
それには現状の改善では無理であることを、
解っていつつ、
もうちょっとこうすれば良い方向に向かうかもしれない、
「いつか」変わってくれるかも知れないと
現状の改善という小手先の手法から抜け出せなかったチームが、
まったく新しいプロ集団によるサポート体制を受け入れたことで、
物事があらゆる方向についての良い循環が始まった。
それは劇的な変化であった。

 

「いつか」から抜け出したとき、劇的な大きな変化が待っていた。

 

そう言いつつ、
私はこれを書きながら、今日の夜は風呂に入らないことを告げ、
明日の朝、風呂に入ることを告げてしまった。
「いつか」と「明日に」は、少なくとも私の朝風呂については、
まだ当分直りそうにない。
人のことを、とても言えたものではない。

 

 

今日はレースの参戦記を書くことは出来ないので、
とりあえず、
スーパー耐久参戦記には、
恒例のキャンギャル特集を載せておきました。
暇つぶしに見てやってください。
http://www.sensya.com/st_nikki/index.html

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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