2004年04月04日(日曜日)
925話 台北から台南へ
名古屋から台北の中正空港に飛んで、
台北・中正空港で、高雄行きの国内線に乗り換える。
台北での乗り換え時間は約1時間半、
午後1時05分高雄空港行きだ。
台北は小雨が降っていた。
台北中正空港の国内便ロビーで記念撮影。
国内線と言っても台湾は小さな島国で、
一番北の台北から一番南の高雄まででも、たった320kmの飛行。
私たちがいつも乗っている日本の国内線で言えば、
名古屋⇔新潟、松山⇔福岡ぐらいの感じで、
40分から、せいぜい55分ぐらいのフライトだ。
航空会社は、再び中華航空。
機体はグッと小さくなって、ボーイングB-737-400(たぶん)
B-737に乗換えてから外を見ると、
日本から乗ってきたのと同型機であるエアバスA-300-600Rが隣に見えた。
こういう風に見ると大きな機体だ。
高雄までの飛行機が離陸、
急角度で昇っていく。
あっという間に雲の中に入った。
雲の中はかなり気流が荒れていて、鋭いピッチで機体が揺れる。
なかなか雲の上に出ない。
短い距離のフライトでは、あまり高度をとらない事が普通で、
ジェット機でも6,000m~7,000m程度。
ひょっとしたら雲の中を進んで、
上に出ないまま、着陸のために下降を始めるかもしれない。
そう思っていたら、一段と激しく揺れ、雲の上をかすめて飛び始めた。
飛行機は、雲から出る寸前、つまり雲が切れる上端が一番揺れるのだ。
青い空がこま切れに見える。
その部分で水平飛行に入った。
けっこうガンガン揺れているが、「シートベルト着用」のライトも消えた。
このこと自体とそんなに珍しいことではない。
積乱雲など危険な雲が出ている時は、そんなことはないが、
今出ているのは雨雲である層雲だ。
確かに上端部は気流が乱れているが、急激な下降気流があるわけではなく、
危険なことではない。
ガタゴトと揺れながら、機内サービスが始まった。
客室乗務員が大急ぎで、サンドイッチとジュースを配り始める。
飲み物はオレンジジュースであり、
選択の余地はない。
短距離の飛行であって水平飛行はわずかしかないのだ。
客室乗務員は、ガタゴト揺れる機内を走るがごとく素早さで、配っていく。
前から後ろから配り始めて、ほんの5分ぐらいで
食べ終わったサンドイッチとオレンジジュースの空を回収し始めた。
機内は満席である。速い!
ほれぼれする様な早業を見せてくれた、中華航空の客室乗務員さんたちに
拍手したくなるぐらいである。
回収が終わった頃、計ったように着陸のための下降が始まった。
短い距離で下降するために“エアースボイラー(ブレーキ)”が、翼の上に出た。
かなりの降下スピードである。
やがて雲の下に出たら、そこは海の上であった。
短い距離のフライトなので、一度、高雄の上空を通り過ぎて、
海の上に出てからUターンして着陸態勢に入る。
日本での短距離飛行の時も、まったく同じようなことをする。
着陸数分前には、揚力を上げるためのフラップが大きく出され、車輪も出る。
高雄の町が見えてきた。
意外と大きな町で、煙を吐き出す何本もの煙突が工業の町であることを示す。
わずか50分ほどのフライトであり、揺れっぱなしの飛行ではあったが、
中華航空の客室乗務員さんたちの早業が見られたし、面白い飛行であった。
空港には、「何尹莉さん」、日本語読みで「カ・イリ」さんが出迎えてくれていた。
(本人の希望で写真は載せない)
イリさんは、2年前の幕張IAAEショーに台湾から出品していたメーカーの方で、
語学堪能な女性である。
中国語(台湾語と北京語)、英語ペラペラ(素晴らしい発音)と、素晴らしい日本語。
そのショーで2年前に、荻野部長と会場で知り合い、
それ以来、Eメールで文通を続けていたのだそうだ。
イリさんが英語でメールを送って、
荻野君が日本語で返信するという変な文通。
今、アイ・タックの活動が、上海で急激な進展を見せようとしているが、
その前に、
すでに洗車業が素晴らしく発達している台湾を見ておきたいと思って、
荻野部長に、台湾での洗車業を視察することをセットするように指示した。
そこで、台湾・台南市に住み、働いているイリさんを、
メールでの文通を頼りに訪ねることになったのだ。
だから目的地は台南市。
高雄空港から、イリさんの車に乗せてもらって高速で約1時間、
台南市に向かった。
高雄空港での入管手続きなどもあって、
イリさんの車に乗ったのが3時過ぎ、台南市に着いたのは4時を回っていた。
朝6時に起きて、7時に家を出て
朝9時30分、名古屋空港から飛び立って6時間半後の午後4時に台南市に着いた。
なかなか遠い、台南市である。