谷 好通コラム

2003年12月29日(月曜日)

863話 今が殻を破る時

神戸に向かう新幹線の中
快洗隊・北神戸店に行くのだ

 

事務所の年末は27日に終わった
20日過ぎてからの出荷が大変多く
おかげさまで、アイ・タック技研?も営業ベースでギネスを記録し
連日、倉庫には出荷待ちの荷物の山が今までになく高くなり
その山がいくつも出来ていた

 

出荷引取りの宅配便トラックも
平日は3トン車が1台来れば間に合っていたのだが
年末だけは毎日4トン車が2台来て
3人がかりで荷物の引取りをしていった
何もかもが、びっくりするようなこと

 

1年間でまた多くの事が変わった
19回目の年末だ

 

13回の年末はガソリンスタンドやクリーンベースでの営業
(12回は私も主役であった)
1年現場が無くなって、1回だけ何もない年末があった
そして
5回の快洗隊での年末

 

毎年、何かが変わっていって
その少し少しの変化が19回蓄積していって
最初2人で始めた会社が今に至っている

 

今年も、去年とはまったく違った年末になっている
特に直営の快洗隊が1箇所から4箇所になっているので
余計に年末の様相がガラっと変わった
この分で行くと
来年は何軒の直営店が同時に年末を迎えるのだろう

 

(と、ここからは帰ってきてから書いたもの)

 

名古屋から北神戸店に行くには
まず、新幹線に乗って「新神戸」へ

 

そこから地下鉄に乗る
新神戸駅から長いエレベーターを3つ、普通のエレベーターが一つ、階段が一つ
かなり下まで降りていってやっと地下鉄の駅
そこから、東へ一つ「谷上」まで

 

谷上からは神戸電鉄
昔は登山鉄道であったという神戸電鉄は単線で
文字通り山の中を走っていく

 

 

すると突然、街が開けて、そこが「岡場」

 

 

快洗隊・北神戸店は
その岡場の駅から歩いて1分のところ
ホントにすぐそこにある

 

駅の反対側にあるのが「ダイエー」
かなり大きな規模の店である

 

 

ダイエーは北神戸店から歩いて3分
だから、知立店と同じように車を置いてダイエーに買い物に行く人もいる
しかし、ダイエーは北神戸店からは見えないので
コバンザメ状態とは感じない

 

北神戸店に着くと
案の定、ごった返していた
店の中にはギッシリと車が入っていて、スタッフが忙しそうに動き回っている

 

 

北神戸店は11月の追加工事で、ずいぶん立派できれいな店になった

 

私はみんなに挨拶したあと
店の様子をかなり長い時間見つめた
そして、少しではあるが口も出した、手まで出した

 

店の傍らから長い時間見ていて
何か違和感を感じていた

 

みんな一生懸命だ
というより、必死である

 

なのに、やっぱり車がはけて行かない
いつまでも同じ車がそこにあって
仕事が、なかなかフィニッシュにならないで車が動いていない

 

みんな本当に一生懸命なのだ
なのに、なかなか車が仕上がっていかない
ジタバタしてしまって
仕事がスムーズに進んでいない

 

場内の車の移動に、複数のスタッフの手間をかけてしまっていたり
とか、
一人があちこちの仕事に手を出してしまい
同じ作業が複数のスタッフによってダブって行われたり
とか、
仕事の途中で作業者が変わって
一つの仕事が150%の量されたり
とか、
いずれにしてもかなり混乱した状態
みんな必死で仕事をしているのに空回りをしている感じ

 

見ていて気の毒になってきたり、イライラしたり
つい、口を出してしまう

 

明らかに効率が悪い
知立店と同じ程度の面積に、ほぼ同じ数のスタッフ
それで仕上がりスピードは70%程度

 

スタッフが必死にやっているだけに
見ていて余計に何とかしなければと思ってしまう

 

どこに問題があって
何を変えて、何を解決すれば
彼らの労が報いられるのか、一生懸命探してみる

 

2時間あまり立って見ていて
最後にいくつかのアドバイスをして帰ってきた

 

1.一つの仕事を途中でスタッフが変わらないこと
2.コントローラーは全体が見えるところから離れないこと
3.待機の車を並列から直列にして、移動の手間をうんと減らすこと
4.できるだけ早めに車を裏の駐車場にもって行き、場内の車を減らすこと
5.手伝いの人たちの仕事の役割を単純化すること
6.慌てて仕事を雑にしないこと、逆にのめりこむこともしないこと

 

これで良かったのだろうか

 

私は、社長として「ご苦労様、ご苦労様」と
労をねぎらって来るだけの方が良かったのだろうか

 

色々考えながら
また、登山鉄道“神戸電鉄”に乗って、地下鉄に乗って、新幹線に乗って帰ってきた

 

 

名古屋に帰ってきたのはもう午後3時半
その足で、こちらの店を3軒とも回ることにした
まず知立
ペースをつかめたのだろう
淡々と仕事がこなされているようで、余裕さえ感じる
ラッシュが始まってもう一週間以上
ラッシュの時のルールがすっかり型にはまってきたようだ
今日41万円のギネスを出した
しかし、まったくパニックにはなっていない

 

今日は、安城もギネスを出した
41.7万円
3日ぶりに、わずかではあるが知立を越した
夕方安城に行ったとき
藤村には余裕が感じられた
ここも、どうやら限界を超してしまったのか
「今日はすごくスムーズでした」と言っていた
そして、知立に入っていた畠中が言っていた
「今日はまったく頭を使わなくてもよかった。楽だった」と

 

一つの限界を超すとき
それは劇的なものでも何でもなく
チョッとしたペースを掴んでしまった時、なのだ
チョッとしたリズムと言うか
なんと言うか、決して必死になっている時には掴めない物
一度、壁を破ってしまうと
楽になってしまう
そんなものなのだ

 

刈谷では、昨日の教訓を生かして
酒部がすごい作戦を実行していた
私は、刈谷にも1時間以上いたが、最後まで気が付かなかった
それは、非常に合理的で
実際に劇的に効果的であった

 

1台6万円の売上が立てられなかったので67万円の洗車売上であったが
実際は73万円
去年の大晦日に22人がかりで出した77.7万円に次ぐ記録だ
昨日は、パニック状態の中で混乱し、夜10時まで作業をしてやっと60万円
ここでも、限界を破ってしまったようだ

 

 

その方法は、やはりスタッフごとの作業内容の単純化
非常に合理的な単純化

 

詳しくはいずれ書くが
私はそれを見て、ちょっと複雑な気持ちになってしまった
いずれにしても、こんかいの殻破りには
酒部、鶴見、畠中の力が大きく影響している
大したものである

 

北神戸店は、ラッシュがなかなか来なかった
昨日も、一昨日も
雪による影響でラッシュらしいラッシュにならなかったのだ
来店数という観点で言うラッシュは今日が初めてと言っていい
そう簡単に殻を破ることは出来ない
しかし、何とか今年中に殻を破って欲しい
どこかにヒントがあるはずだ

 

北神戸店、何日か前に22万円を上げている
しかも5人でだ
山迫マネージャーいわく
「あの時の方が今日より楽だったような気がする」
その日は高価格商品が何点かあったにせよ
この事は重要である
来店客がある臨界点を越したとき
見えない殻が出来てしまい、必死になっても、人数を増やしても
どうしても23万円を大きく越すことが出来ない
これが殻なのだ

 

何とかして、その殻を破らないと
これが限界となって
その店の大きさを決めてしまう

 

今年の年末、これは1年に1回しか来ない殻を破るチャンス
これを何とか今年中に破っておくと事が必要だ
それが来年の大きな力になるから

 

しかし、それにしても
今日一番、痛烈に考えさせられたこと
「快洗隊の提供するこの洗車を、世の中に広めていくためには
もっと、楽な仕事にしなくては、無理だ。
みんなの並外れた頑張りに依存しているうちは、
日本の新しい文化までには、なり得ない。
私のこれからの仕事は、実にここにある。絶対に何とかする。」
そう強く感じた。

 

 

本日29日
刈谷店 67万円(6万残し)、累積約700万円
知立店 41万円(ギネス)、累積381万円
安城店 41.7万円(ギネス)累積388万円
北神戸店23.8万円(ギネス)累積275万円

 

あと2日!

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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