谷 好通コラム

2003年12月06日(土曜日)

847話 経営三カ年計画

スマールとかセミナーで
よくする話がある

 

洗車の収益を本気で伸ばしたいと考えたならば
目標を前年同月の120%とか130%程度のレベルにしていては
その目標は、たぶん達成できない
出来たとしても、それを継続することは難しい
なぜならば
目標が120%ということは
前年と同じ商品、前年と同じお客層を対象とした時の目標であって
実は何も変わっていない
ただ単に“がんばる”だけで
それが色々な企画を伴っていたとしても
同じ客層に対して、同じ商品を販売することに変わりはない

 

同じお客様が買える物には限度があって
どんな特典があるにしても
そんなに去年よりたくさん買えるわけではない
しかも、それが去年と同じ商品ならば
なおさらである
一生懸命、あらゆるお客様に、もれなくお勧めして、がんばっても
お客様のほうに限度があるわけで
それが、去年に対し120%程度の目標であったとしても
達成はなかなか難しい

 

そして、たとえ達成できたとしても
それを何年も繰り返し積み重ねることは、もう無理と言ってもいいだろう
ある意味
目標を120%とか130%程度に持つことに無理があるのだ

 

どうせ目標を持つならば
200%とか300%、少なくとも170%ぐらいの高い目標を持った方が
かえって実現の可能性は高いと思っている
ここまで高い目標を持つと
とても、“がんばる”だけでは達成できっこない
新しい商品が必要であり
新しい客層の獲得が必要である
そして、なにより自分がやることを変えなくてはならない
発想も変えなくてはならない

 

新しい商品を求める新しい客層に対しては
従来の客層に対する接客でも、作業でも、取り回しにおいてでも
新しい対応が必要となってくる
そのためには
自分自身の行動と発想を変えないと無理なのだ

 

大きなアップ率を達成しようと思ったら
従来の枠の中でいくらがんばっても非常に難しい
同じ枠の中には、存在する需要そのものに限度があるからだ

 

2倍、3倍の成果を上げようとするならば
その枠を破って
その外にある大きな需要を開拓していく必要が出てくる

 

枠を破るには
既成の概念を持ったままでは無理であって
自分自身の発想を新しいものにしていかねばならない
枠を破るとは、そういうことだ

 

自分自身の枠を破って
新しい発想を持って
新しい商品を、新しい客層に対して
新しい接客と、新しい技術で、提供する事が
大きな成果を上げていく、それが案外と一番確かな方法である

 

これはある意味では簡単な方法だ
この手法は大きな資本投下を前提としているわけでも
相手を変える事が必要であるわけでもない
ただ、自分自身が変わればイイだけなのだ
自分を変えるには、自分がどうするかと言うだけのことであって
他人に決定的な要素があるわけでもない
自分の問題なのだ

 

その意味でこんな簡単な方法はない

 

だから
確実に目標を達成したいと思うのならば
自分に決定要素が集中している、この方法が一番簡単なのである

しかし、本当は、これが一番難しい事でもあるのだが・・

 

私の会社では
これからの3年の経営計画を立てている
中小企業が大好きな中期経営計画というものだ
向こう3年間の目標を設定して
計画的に、それを実行していく

 

その目標を、3年間で4倍の実績を上げるとした
1年での実績アップ率平均約160%
とんでもない計画である

 

こんな計画を立てても
所詮、絵に描いた餅であって、最初から実現などするわけがない
そんな風に思われるかもしれない
イヤ、たぶんそうだろう

 

しかし、私は思うのだが
先に洗車収益を上げる例にあったように
下手に、今までの実績のような120%アップ程度の目標を立てても
かえって実現は難しい
むしろ、もう限界に来ていると考えたのだ

 

この会社はスタートしてから約10年
毎年、おおよそそれぐらいのアップ率で成長してきた
そして、もう限界であると思っている
そろそろ新しい発想で経営を考えないと
限界が来ている

 

そして、決定的な限界を迎えると
今度は衰退が待っている
衰退が始まると、凋落が待っている
それは、あっという間のことに違いない

 

ここで経営の次元を変えないと
衰退へのスパイラルに入っていく可能性を強く感じた

 

新しい商品も、数知れず出してきた
新規客も増えた
新しいスタッフもずいぶん増えた

 

しかし、それでも、私たち自身がやっていることは同じであって
毎日の繰り返しになっている
ここで、発想の転換と、行動の変換をしないと
じきに限界が来るに違いないと、強く感じたのだ

 

その証拠に
たったこれっぽっちの、ちいさな会社であるのに
自分の存在を人の群れの中に埋めてラクをするという
悪しき大企業病に感染し始めている節があるし

 

馴れ合いが蔓延し
「しない」事によるラクを求めるような気配もする

 

昨日と同じ今日があって
今日と同じ明日を当たり前のように期待する怠惰もある

 

これはイカンと思って
今年いっぱい、思い切って人を増やした
去年の今頃、32人だったスタッフ数が
先月60人となり、今日も4人の新入社員が会議の中で紹介された
とうとう64人となって
前年同月の2倍の数になったわけだ
年内にあと3人
年が明けたら、また2人、新たに仲間として入ってくる

 

3年計画での実績4倍増は
本気も本気
“絶対やるぞ”の体勢なのだ
もうあとに引けない体勢での計画なのである

沈滞から、衰退、そして凋落のスパイラルから脱出するためには
大きな飛躍しかないと覚悟した

 

3年で400%
ここまでの成長を果たそうと思うと、すべての意味において
大きな発想の転換が必要である
スタッフ一人一人、すべてのスタッフにそれを求めなければならない
何よりも、私自身にそれが求められる

 

決まりきった発想からの脱出
昨日までの行動からの脱却
今までの習慣を破壊すること

 

それが、400%の目標達成に必要なことであり
凋落へのスパイラルに陥っていく可能性を持ち始めた現状からの脱出の
一番効果的であり
最も実現の可能性が高い、むしろ簡単な方法と考えたわけだ

 

私自身も含め
上位のスタッフからそれを強く求めていく

 

大変なことである
しかし、非常に実現の可能性が高い事でもある
全員がそれを楽しみにしてくれれば
これぞまさしく、成功間違い無しなのである

 

 

なんちゃって

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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