2003年10月25日(土曜日)
825話 島流しでコラム
昨日と今日、中期経営計画のためのミーティングを開いている
合宿と銘打ったエンドレス体制のミーティングだ
私は、みんなの席の脇に控えてこれを書いている
昨日、つまりミーティング第一日目は
結果的に私が仕切ってしまい、いつもの会議のようにになってしまった
だから、今日はわざと脇に控えて
直接会議に参加しないようにしている
今日は、その方がいいと考えた
この会社は基本的に私のワンマン経営の傾向が強い
それはそれでいいと思っている
スピードと新鮮さが大きな力を持つ現代において
一つの感性を元に
世間にとって新鮮な価値観と、ビジネスモデルを真正面に出していって
一つの方向にぐいぐいと事業を推し進めていく
そんな強力なリーダーシップは
事業の成功に重要な要素である
その意味で、私は今の経営姿勢を悪いとは思っていない
良いと思っている
成功している企業で
経営者が強力な指導力を持っていることは
一つの共通項であり
むしろ、必須条件の一つであろう
いちいちみんなで話し合って、物事が決定していくのでは
遅いし
決定したことが、最大公約数的になってしまい
新鮮でもなければ、魅力的でもなくなってしまうだろう
ワンマンはワンマンで大変大きな意味がある
しかし、限界はある
ワンマンとは字のごとく、一人の人間であって
物理的にも限界があり、問題も発生しやすい
一つの感性を洗練していくことによって
スピードも出るし、新鮮味も出やすい
しかし、その感性が何らかの要因で歪んでしまった場合
まったく的外れの方向へ事業が行ってしまう可能性もあるし
ただの独善に陥ってしまう場合もあるだろう
ワンマンは権力の集中を伴うものであり
権力が集中したところにある人の能力が足りなくなった時
あるいは感性が鈍くなった時
急激に事業の全体が衰退する
もう一つ決定的な欠点がワンマン体制には存在する
そのワンマンの経営者がいなくなること
端的に言えば、つまり、死ぬこと
特にそれが、多くの場合そうであるように“突然”であった場合は
会社全体の方向性が一瞬にして見失われることになり
エネルギーの源を失うことにもなる
こんなときに下手にジタバタすると
企業が一挙に崩壊への道を突き進む場合すらある
経営者として
強力な指導力を持つことは絶対条件である
しかし同時に
死をもって、その能力が一瞬のうちに喪失した時点で
何もかもが失われる
そんな事態を回避すべく、後継体制を構築し
それを、どの時点でも発動できる日常の体制をもっていくことが
指導力の重要性と同じだけの重要性を持っている
ワンマン会社にとって、権力が集中している経営者の喪失は
まさしく危機であって
その危機を回避するための体制作りは
企業存続に欠かさざるべきものなのだ
そう考えて久しくなる
1年ぐらい前から真剣に、それは考えてきた
私は20年前の創業時から、50歳で引退することを表明してきた
色々な理由があって
そうすることがいいと考えてきた
しかし、それが実現出来るまでに至らなかったのは
自らの事業意欲を満足させるところまで
事業を発展させられなかったから
と同時に、後継体制をまったく作り得なかった、ということも大きな理由だ
それで一応
引退を55歳まで延長したのだが
しかし、ただ単にもう5年間、今と同じように仕事を続けていたのでは
多分、5年後も今と同じことであろう
権限委譲とアウトソーシング、あるいは外部及び内部からの人材登用
あらゆることを視界に入れて実行していかねばならない
そんなことを1年掛けてやってきて
分かってきた事がある
権限委譲とは、ただ単に権限と業務を移すことではなく
その業務の業績を飛躍的に上げることを目的とした権限委譲にすると
非常にうまく行くということ
「その業務について、君に託していきたい。業績は多少落ちてもいいからね。」
これで意気が上がるものはいないだろう
「この業務について、大幅に業績を上げて行きたい。
だから君に、この業務を託し権限を渡していく。よろしく頼む。」
こう言われて、張り切らない者ならばむしろ権限委譲をしてはいけないであろう
権限委譲とは
業績アップを期待すべきもの
事業拡大を目的とした行動にこそ、権限委譲があるとするならば
だから
事業拡大を目指した行動が
権限委譲を経由して、後継体制の構築に繋がるものならば
つまり
後継体制をしっかり構築するためには
今まで以上の積極的な事業拡大体制を組む事が早道となる
そこで
3年後を想定した中期経営計画を立てることにしたのだ
設定された目標は
現状の4倍の事業規模という無茶なもの
まさに“獲らぬ狸の皮算用”
目標は高い方がいいのだ
中期経営計画も終盤に至って
幹部全員を集めての合宿となった
第一日目が昨日開かれたわけだが
私は、会議の席で黙っている事が出来ない
ついつい、自分言うことを通そうとして演説を始めてしまうのだ
考えてみれば
この中期経営計画は、もともとの動機が
事業継承⇒権限委譲⇒事業拡大⇒経営計画
で、あったはずだ
だから
みんなが事業拡大をする力を付けなければならないわけで
私が強引にリーダーシップを発揮して
ぐいぐいと経営計画を作り上げてしまって行っては本末転倒なのだ
昨日一日を終わって、そんな反省をした
だから今日は、自発的に脇に座っている
「島流し」状態である
しかし、場所的に私を少々離しても、私の口が開くことを抑えることは出来ない
だから
私は他の事、パソコンを叩いていることにした
というわけで、これを書いている
経営計画⇒事業拡大⇒権限委譲⇒事業継承
これはうまい手である
事業を継承したら
つまり
引退したら何をしよう
たとえば、引退するのが今ならば
どこかのサーキットの近くに生活の拠点を作って
好きなときに、好きなだけ
サーキットを走りたい
そうなったら、毎日走るに違いない
私は極端な運動不足で
出張で移動は多く疲れはするが
決して運動にはなっていないのだ
だから、毎日サーキットを走り始めたら
私は今よりすっかり健康になるのかもしれない
毎日サーキットを走るための資金はどうするのか
イヤイヤ、心配することは無い
事業を無事に継承できたということは
経営計画がウマく実現したということ
会社がでかくなっているに違いないのだ
ムフフフッフフフフなのだ
しかし、おととい一日走ったMINEサーキット
歳をとると筋肉痛が一日遅れで来るという
昨日はなんとも無かったのに、今日は異様に筋肉が張っている
今回のMINEではシビックに乗った
本当は?37シビックと書きたいところだが
?37のナンバーを、以前スポンサードしていた人が持っていってしまったので
今はナンバーなし、ただのシビックである
私と畠中はシビックを乗り回す
さすがに畠中は速い!
ほぼ1年ぶりに走るのに、1分43秒台をいきなり出す
わたしは?
言いたくない・・・・
今回は、スーパー耐久の田中さんと一緒であった
スーパー耐久のインテグラ?17の“つくば戦”へ向けてのテストがあったのだ
その本番前のインテグラ?17に少し乗って走らせてもらった
7000回転に抑えてのスローだが、それでもレーシング走行である
畠中は喜色満面
私は、おっかなびっくりで
それを察したか、田中さんが一生懸命取り扱い方を教えてくれる
スーパー耐久のインテグラ?17に乗ってみて思ったこと
これは、私たちが乗っているN1クラスとはまったく別物の乗り物である
話にならないぐらい違う
来年は、このインテグラのもう一つしたのクラスで
「スーパー耐久に出るぞ」、と宣言してしまったが
・・・ビビッテいる
と、そんなことを書いているうちに
私が島流し状態にあって
他の事をしていると、実に議論が盛り上がる
みんなの話は横耳できちんと聞こえていて
これはと思ったときに、私も短く喋る
その方が効果的であり、うまく行っているような気がする
これはいい方法である
経営計画⇒事業拡大⇒権限委譲⇒事業継承
しかし・・
そう、うまくいくんかいな?
しや、いいのだ。
獲らぬ狸の皮算用
獲らぬ狸の皮算用だもの
うまく行ったら儲けもの