谷 好通コラム

2003年06月07日(土曜日)

728話 人の話は聞くもの

私は、どちらかというとワンマンである
何でも自分で考えて、自分で決めなければ気が済まなかったほうで
しかも、何でも手を出し、なんにでも首を出すタイプであった

 

かつては、人の意見など聞かなくても、自分でやっつけてしまえばいい
その方が早い
そう思っていたものが
しかし、何年か前から
少しずつ変わってきていて
今では
「人の話は聞くもの」だとマジに思っているのだ

 

その方がはるかに良いものが出来上がり
いい結果になることを憶えて来た

 

ここ何年かやっている「部長会議」
本当は、正式な名前は決まっていず
「幹部会議」とかなんとか、そのたびに呼び名は変わるのだが
その会議で具体的なことはほとんど決めている

 

そのメンバーもだんだん増えてきて
私、専務、西日本営業部長、中部営業部長、関東営業部長
開発部部長、快洗隊本部長、仙台営業所長、札幌営業所長、?快洗隊社長
?グリット社長、キーパータイムス編集長

 

なんと社外の人間が3人も入っていて、総勢12人

 

色々な立場の人たちが
自分の部署とは関係なしに、ケンケンガクガクと議論する
しゃべるのは、やっぱり私が一番多いが
それでも
このメンバーだと、決して一方通行にはならない
色々な意見が出る
時には気色ばむ場面すらある

 

そんな時、わが社は健康であると
内心、うれしい
この会議は、この会社の知恵袋というところか

 

それぞれが持っているキャラクターが違っていて
ものを見る眼が違った角度であるので
一つのことを客観的に捉えることが出来るのだ

 

そして、その意見が、私の意見と違っていても
なるほど!と思わされることが、しょっちゅうあって
見方が変わると、こんな考え方もあるものかと
感心させられることが多く
最初の私の意見がそのまま通ることの方が、むしろ稀で
大変納得できる結論に落ち着くことが多い

 

いやまったく、人の意見は聞くものである
“3人寄れば文殊の知恵”というが
12人も集まってみんなで考えると、それはそれは名案の続出なのである

 

そして、今日は全体会議
外で活動している全国のスタッフが一堂に会して
色々な発表があったり、報告があったりで、濃い内容の会議である
総勢25名ほど
しかし、この人数までなると
なかなか議論にはならない
全員が発表の形で発言はするが、一方的な発表、小数の質問
やはり、こんな形になりがちだ
何とかせねば

 

 

ワンマン経営は
発想から結論までの時間が、非常に短いという長所もあるが
しょせん一人の人間の知恵
たかがしれている
私なんぞの凡人は特にそうだ

 

それより、みんなの知恵を持ち寄った方が
洗練されたものになる

 

「人の話は聞くもの」
これを憶えしまって、その味をしめてしまった私は
どんどん、社外のスタッフの専門的な知恵も借りることにしている
その傾向は、ますます強くなっている

 

しかし注意すべきは
その人が、この会社から得ること(give)を目的としていて
与えるべきもの(take)もないのに
あるようなポーズで
結果的に奪うことを目的にしているものもいること

 

以前、何年か前に
超有名な会社のコンサルティングに
なんと1000万円もつぎ込んでしまったことがある

 

ダラダラと何の意味があるのか解からないミーティングが続き
いつの間にか、月日が経って
結局、あれは何だったんだろうか、という思いだけを残して
コンサルティングは終わった

 

そこで、学んだことは
「こういうのに引っかかってはいけない」という教訓
おかげで、そういうのを見分ける目は多少出来たような気がする

 

しかし、あのことで
「お任せ」では、相手がどんなに優秀な場合でもだめであって
その事業を引っ張るのは
やはり自分でなくてはならない、そんな自覚を持つことも出来たし
その自覚を持ってすれば、アウトソーシングも非常に有効であることを
逆に憶え
外部の人の協力を得ることが、うまく出来るようになったとも思っている

 

「人のうまい話」を聞いて失敗したので
逆に、「人の話をうまく聞くこと」が出来るようになったような気もする

 

「人の話しは素直に聞いて、キチンと自分の責任のもとに考える」

 

今日、聞いた1つのいい話

 

※快洗隊知立店の看板に、「何時間でも、お車お預かりします。」と書いたほうがいい。
そして、接客のときにも、それを言った方がいいですよ。

 

これは、目からウロコである
知立店は大型スーパー「アピタ」のまん前にあって
お買い物ついでの洗車客を狙っているのであるが

 

そう言えば
知立店を訪れる洗車とかキーパーのお客様は
車を快洗隊に置いて
アピタに買い物にいくのだが
作業が出来上がるころには、ほとんどの人がちゃんと戻ってきて
車を引き取っていく
知立店は、店舗そのものは113坪と非常に狭いので
作業が終わったら、早く車を取りに行かなくては迷惑になると思ってくれ
わざわざ取りに来てくださっているのだろう

 

本当は、裏に200坪の整備された駐車スペースがあって
車を何時間置いていても、全く問題ないのであるが
それを、特には告知していなかった

 

だから
「快洗隊知立店で洗車をしてもらいたいけど
アピタに買い物に行っても、
洗車が出来上がったころに、買い物の途中で車を取りに行って、
アピタの駐車場に移動しなければならない。
めんどくさい。
中のレストランで食事でもしていて、取りに行くのが遅れたら
いやな顔をされるのではないか・・・・」

 

そんな風に
お客様は思っていたのかもしれない
それが来店のブレーキになっていたとしたら
わざわざ専用の駐車場を持っていたことが
台無しになっている
それどころか
客足を止めることになってしまっているのかもしれない

 

そんなことを、人が言われるまで気がつかなかった
店の中に入ってしまうと
そんな単純なことに気がつかなかった

 

「人の話は聞くもの」
全くその通りである

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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