谷 好通コラム

2003年06月01日(日曜日)

723話 give and take?

自然の生態系が
give、与える一方でもなければ
take、得る一方でもない
循環するgive and takeの法則で敷き詰められているものならば
我が人間界ではどうだろうか

 

give and take与えることによって得る

 

お金を払って、それに見合った商品を得ようするのは、「お買い物」
そして、その人は「お客様」

 

それが
まったくgiveせずに、一方的にtakeする
つまり、何も与えずに一方的に得ようということは
たとえば、金を払わず、商品を得ようということは、すなわち奪うこと
「万引きとか泥棒」であって
これは犯罪である
勝手に留守家に上がりこみ
物を持っていくのが「空き巣」
有りもしないことを有ると言って、金を騙し取るのが「詐欺」

 

犯罪とは、与えずに、得ようとすること
言い方を変えれば
何かを得るために、それに見合った代償を与えないこと
不当に奪うこと

 

一番価値のあるものは「命」
そり「命」に見合った代償など有り得ない
だから、その「命」を奪う行為、「殺人」は最も重い犯罪なのだ

 

与えることなく得んとすることは、社会として認めていない
それが重いと、あるいははっきりしていると、犯罪となる

 

もっともっと一般的なことでも同じようなことが言える

 

たとえば、ある商品があったとして
1000円の値札がついている

 

消費者が、その商品を欲しいと思い
1000円の価値があると感じれば
「買う」

 

自分が持っている欲求と
得られるだろう付加価値が一致し
与える1000円と
得られるその商品の価値が見合ったときに「買う」
give and takeが成立したわけだ

 

しかし
「欲しいが、1000円もする商品ではない」
そう消費者が思えば「買わない」
店側は、その商品が売れないので、値段を600円に下げた
まだ売れない
思い切って400円まで下げた
やっと売れた
しかし、その商品の仕入れ値は500円である
ならば、売れても、店側は利益が得られるどころか
損をしてしまう
だから、その商品は
give and takeが成り立たない「ダメな商品」となる
店側はその商品を、仕入先に代金与えることによって、商品を得ても
利益を得られないので
その商品を、仕入先からもう「買わない」

 

あるいは
消費者が持っている欲求と
売る側が提供している付加価値が一致しなければ
「買わない」
たとえば、ラーメンなら
消費者は「うまい」事を得たいと思っている
しかし、そのラーメンが、その人にとって「まずい」ものであるなら
消費者の持っている欲求「うまい味」に
提供されている付加価値「味」が一致しない
give and takeが成立しないので
もう「買わない」

 

たとえば
ある商品を1000円で売っていて、それを欲しいと思った人がいた
しかし、持ち合わせがあまりなく
値切って見ることにした
800円なら買ってもいいと言ったが、店は一切値引きできないという
「1000円で十分売れているので、800円に値引きする理由はない」
と店は言う
しかし、その人はホントに800円しかもっていなかったので
「買わなかった」
give and take不成立である

 

もう一つだけ
たとえば

 

ある業者さんがクライアントに仕事の企画を提案した
クライアントはその仕事を不急のことと考えていたが
業者さんが思わぬ安値を提示してきたので
それなら、と発注した

 

ところが、その仕事が終わって
後で出された見積もりを見たら
なんと提示された価格の8倍以上の額が書いてあった
クライアントは、当然抗議した
「でも、それだけかかってしまったので、お願いします。
それだけの価値のある仕事をしたつもりです。」
の一点張り
それでも、最初の提示価格の6倍程度にまで下げてきた

 

クライアントは、呆れて
「もういいです。自分のしていることの意味を考えて請求書を出しなさい。
もう何も言わずに、その金額を払いますから」

その言葉の意味を解かっているのか解からないのか
業者さんは、結局、最初の提示価格の6倍の請求書を送って
その金額を手に入れた

 

しかし、そのことによって
その業者さんは、出入り禁止になったことは言うまでもない

 

give and takeとは
そこに嘘が入っていけない、それは詐欺に通ずることだ

 

解かりやすく言うと
たとえば
「通常1000円のラーメンですが、今回は150円で結構です」
と聞いて、別に食べたいとは思っていなかったが
150円ならば、ということで「食べた」
そして、いざお支払いをしようとしたら
「原価が掛かってしましたので、1000円ください」と言う
そんな馬鹿と抗議すると
「じゃあ、800円でいいです。」
「もういい!」と、800円払ってその店を出た
もちろんその店には、2度と行かないし
友達にも、行かない方がいいと忠告した。
そんなことか
“浅はかな行為”というほかない

 

しかし
この件について
そんなことより重要なことは
giveとは、相手に与える付加価値のことであって
原価とは、まったく関係ない
ということ

 

相手に対して、どれだけの貢献が出来たのか
それによって、その人の仕事の値段が決まる

 

簡単に言えば
たとえば洗車に例えて言うなら
どれだけお客様に対して「キレイ」の満足を与えるかどうか
洗う側の労力がどけだけ要ったかは関係ない
その結果、どれだけ満足してもらえるか
それがgiveに当たり
それに対しての価格takeが、どうであるか
takeがgiveに値しているか

 

前の例で言うなら
「私が使った業者に○○○の費用が掛かってしまったから
これだけのお金を下さい」
そういうことは、クライアントには全く関係ないことであって
これを言い出したら
“自分の仕事の負の結果のツケをクライアントに回す”という
どこにも理のない、つまり不合理をもって
自分の首を絞める結果となる

 

(相手に対する付加価値=売値)-原価=利益
であって
原価+利益=売値
ではないのだ

 

これは商売の、あるいは、経済の大原則である

 

相手に与える付加価値が高ければ高いほど
売値は高くすることが出来
あるいは、需給の原則によって、売値が高くなり
原価を安くすればするほど
つまり、より高度なコストダウンを実現することによって
大きな利益を得ることが出来るということ

 

 

原価が高くなったことを理由に売値を上げても
付加価値がその売値に見合わなければ「売れない」

 

また、利益を大きく取ろうと、原価を下げることによって
かえって付加価値を下げてしまうことになっては
結果として、売値も下がり
利益の増加にはならない

 

この場合で言えば
付加価値そのものがある程度高くても
その付加価値に対して、そのクライアントは不急の欲求であったので
付加価値=売値にならないことにも問題があった

 

ガソリンスタンドで販売しているガソリンなどの製品は
その付加価値が決定してしまっているので
その価格は、周辺の同業者との相対値と
それにプラスされる“接客”という付加価値とが
プラスされた値で決定されるが

 

洗車はそうは行かない
「洗車の付加価値=顧客の車がきれいになることによる満足」なので
ガソリンのようには簡単にいかないのだ

 

やっと肝心な話になってきた
が、そろそろ今日は力尽きた
明日の話につなぐ

 

明日は、give and take?
副題「洗車とKeePre、キッチリやるほど利益になる」
を書きます。

 

今日は、名古屋の東山植物園に行った
このところ眼の疲れが激しかったので、「緑」を一日中見ることにした
緑は美しい
自然の贈り物は美しい
自然は、循環するgive and takeによって美しく調和している
どの生き物も、どの緑も
有るべくして有り、成るべくしてその形に成った結果
だから、自然の一部である私たち人間は
それを見て安らぎ、美しいと思うのだろう

 

 

台風一過
空は“抜けるように青かった”
10000m上空を巡航するジェット機は
よほど空気が透き通っていないと見えないが
今日は、面白いように、よく見えた

 

ちょっと見難いけど、写真の左下と右上に2機
白く光る飛行機が見えますか?

 

 

そういえばドイツでは、空が晴れてさえいれば
田舎でも、都市の真ん中でも
必ず、巡航高度の飛行機を見ることが出来た
日本の空は病んでいるのかもしれない。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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