2003年05月08日(木曜日)
707話 優れた基本設計
今回で707話 707といえば
私的には、ボーイング707・ジェット旅客機を思い出す
このボーイング707(B-707)は
40年以上前の、いや、50年くらい経っているのかもしれない
世界で2番目に量産された猛烈に古いジェット旅客機である
世界初のジェット旅客機、イギリス製の「コメット」(メーカーは、デハビラント?)は
華々しくもデビューしたものの
10000mの高々度飛行による気圧の変化によって
胴体の収縮が繰り返されることから
金属疲労が起き
空中分解の大事故を数度起こした
それ以後、コメットは対策が施されたものの
信頼を取り戻すことが出来ず、短い寿命しか持ち得なかった
それに対する第2のジェット旅客機「B-707」は
50年経った今でも
派生の機種が現役で飛んでいるほど(もちろん50年前に製造された機体ではない)
記録的な長寿命を誇っている
B-707は、ターボジェットエンジン4発を翼の下に装着しているが
そのエンジンを3発にし
胴体後部に装着、真ん中の1発を尾翼の根元に着け
胴体を707より短くし、翼も小型にした機種が
B-727
T字型の水平・垂直尾翼がかっこよく
人気の機種であった
707の胴体をもっと短くして小型化し
ジェットエンジンを2発にして
翼の下に装着
翼も小型化し
車輪の柱を短くして、タラップを機体内に収納できるようにした機体が
「B-737」
飛行場の小さいローカル路線用の機体として
地味であるが世界中で大活躍している
バリバリの現役だ
このB-737は、その後、高バイパス比のエンジンに換装され
その高バイパス比エンジンの直径のでかさと
B-707特有の足の短さで、そのままでは規定のロードクリアランスが取れず
空気取り入れ口が「お結び型」になっているのが愛嬌である
この機体は
その頑丈さと、整備製と、コストパフォーマンスに優れ
短距離機として世界一のベストセラー機になっている
電子機器類の最新鋭化など、度重なる改良によって
今現在も製造が続けられ
その世界一の製造数の記録を伸ばし続けている
B-707/727/737は
胴体の断面が共通である
通路1本で、両側に3席ずつ
1列6席のナローボディで、3機種ともボディの基本設計は同じである
飛行機では、1つの機種を開発するのに天文学的な資金を要するので
1つの成功した機体のボディを
伸ばして(ストレッチ)、キャパシティを大きくしたり
短くして、ボディの重量小さくして長距離方にしたり
燃費の良い機体を作ったり
カスタマーの希望する客数に合わせた機体を作っている
ベストセラーの737に至っては
737-200シリーズから737-900シリーズまであって
単一のシリーズだけでも、また何種類の仕様が存在する
737だけでも何十種類
とても見分けが付かない
しかし、707/727/737とも
みんな“同じ顔”をしている
みんな兄弟なのだ
しかも顔と断面だけはまったく同じの兄弟なのだ
50年ぐらい昔にB-707が、最初にデザインされて
胴体を伸ばしたり縮めたり
エンジンの数を減らしたり
翼の形を変えたり
それぞれの機体の胴体を、また伸ばしたり、縮めたり
おそらく百種類を超えた機体が作られ
B-737のように
電子機器を最新鋭のものに換装したり
エンジンを、高効率の高バイパス比ターボファンジェットにしたり
いまなお、最新鋭機の性能を持つ機体として、製造し続けられているものもある
もちろん、今現在製造中のB-737-300~900も
50年前つくられたB-707も
基本設計は同じである
50年も経つと、その間に数々の改良が施され
最新鋭の技術に変更され、あるいは最新の装備が加えられて
初期のころとはまったく比べ物にならないくらいの高い性能を持つが
基本設計は同じだ
なぜ最新鋭の飛行機まで、50年前の基本設計が生きているのか
開発費の節約もある
同じ断面を持ったボディを伸ばしたり、縮めたりするのは
コンポーネントの数を増やしたり、減らしたりすれば基本的にOKなので
まったく新しいボディを設計段階からやるより
はるかに安い開発コストで済む
しかし、優秀な基本設計が超寿命を持つのは
それだけの問題ではない
その周辺機器
つまり、飛行機の整備に使用する工具とか、機器とかが
かなりの部分で共用でき
その分、大きなコストダウンに役立つ
整備士にしてもそうだ
基本的に同じ設計の機体ならば
新しい機種になっても、習得しなければならない技術が最低限で済む
パイロットにしてもそうだ
飛行技術を習得するには、優秀な頭脳と、熱心さだけでなく
膨大な時間と費用を要するのだ
それが、基本的に同じ要素が多い機体ならば
飛行技術の習得にかかる時間と費用を、かなり省くことが出来る
これも大きなコストダウンである
また、飛行機を運用していくには
多種にわたる支援機器、車両が必要である
こういったものも、かなりの部分で共用することが出来
やはりコストダウンにつながる
まだまだ、今、運用中の機体を進化させて
基本設計を残したまま、性能アップを果たした機体を採用するメリットは
計り知れないほどある
航空機製造会社は
ひとつのヒット機種を開発できることによって
その設計を長期間にわたって使うメリットを得ることになる
優秀な基本設計は
その航空機製造会社を支える大きな屋台骨になるのだ
ボーイングの707/727/737の兄弟機種に対して
現在、世界唯一ボーイングに対抗し得るヨーロッパの大型旅客機メーカー
「エアバス社」も
・双発のワイドボディ機・A-300に始まって
・ボディを短縮化し長距離方にしたA-310
・ナローボディ化しキャパを小さくした短距離型のA-320
・これのボディを短縮したもっとキャパの小さいA-319
・逆に320をストレッチしキャパを大きくしたA-321
・ワイドボディ機を超ストレッチ化し、エンジン2基をハイパー化して
キャパシティをうんと大きくしたA-330
・330のボディに4基のエンジンをつけ燃料積載量をアップした
世界一の超長距離旅客機A-340
(ドイツには、ルフトハンザのA-340で行った)
エアバス社も、ボーイングどころではなくほどの
一つの基本設計を使い回して、多種の機体を開発している
ふと、私は
このことにキーパーをダブらせて考えた
キーパーの基本設計は、10年以上前の開発時から変わっていない
もちろん、その10年の間に
数々の改良を加え
初期のものに比べて、かなりの性能アップが図られている
しかし、その改良加えるときに細心の注意を払ったのは
使った感覚が変わらないこと
そして、基本的な手順が変わらないこと
キーパーは、ケミカルだけでは何も出来ない
そのケミカルを使って施工する人があってこそ、車がピカピカになるのだ
そして、その人の技術が高いことも
キーパー本来の性能出す大変重要な要素である
だから、私たちは
キーパー開発当時から、スクールを活発に実施してきた
当然、キーパーを導入していただくときには
念入りな導入講習をしているが
施工店のスタッフは、どんどん入れ替わっていく
導入当初、身につけていただいた技術も、人が変わっていくにつれて
希薄になっていく
それをなんとか補完しなければならないと、スクールが始まった
以後、10年にわたってスクールは開催され続け
今では、常設のスクール、特設会場でのスクール、企業内でのスクールと
さらには、総合洗車スクール、実践洗車スクールと
レパートリーも増え
年間10,000人以上の方に、スクールを利用していただいている
キーパーは、ケミカルだけでは何の役にも立たない
それを支える施工技術があってこそ
キーパーは車をピカピカに出来るのである
だから、改良についても
その使用感覚が変わらないように注意したのだ
キーパー本体の改良だけではなく
それを支える周辺ケミカルも充実した
水垢取りを劇的に楽にした“爆白”
撥水力を驚異的にアップした180コート
キーパーを欲する客層の開発のために
手洗い洗車に関わるいろいろな機械、道具、ケミカル
店頭で販売しやすくするための、何百種類に及ぶ“販促ツール”
それもこれも
原点はキーパーだったのである
飛行機の基本設計が
ボーイングでは50年も、エアバスでは30年以上も
生きているのは
その周辺の機器、技術が出来上がっているからであった
キーパーも、それを支える周辺ツールがあり
それが刻々と進化し
技術を支えるための、全国で繰り広げられる各種のスクールという
強力なインフラがあってこそなのだ
今日も、東京ワンデースクールが
20人の定員を、大きく上回る27人の出席者によって
熱心に行われた
その頼もしい様子をみて
キーパー、もっともっと大きくなるぞ !(^^)!
快洗隊、もっともっとデカクなるぞ (^^♪
アイ・タック、ひょっとしたら化けるかも知れんなぁ (^0_0^)
な~んて一人思ったのでした。