2003年04月23日(水曜日)
694話 ワクワクする心
昨日、MINEサーキットで「インテグラ」の初テストが行われた
鈴鹿戦が5月11日にあるというのに
やっとシェークダウン
セットアップどころか
この日はエンジンの慣らし運転が主な仕事であった
レースは、何事もぶっつけ本番が当たり前のようだ
クラスは「Nプラス」
インテグラは
N4クラスに出るものと
もっと改造範囲の広いNプラスに出るものがある
どうせ出るものなら、早いクラスの方が面白い
ただ単にそんな理由で
チームオーナーの田中さんは躊躇なくNブラスにしたようだ
Nプラス・インテグラはさすがに迫力がある
ちょっと解かりにくいかもしれないが
巨大なブレーキローターと
何十万円するか見当もつかない馬鹿でかい「ブレンボ」のキャリパー
このブレーキ、とてつもなく効きが良いブレーキで
ブレーキペダルをちょっと踏むと
キキーッと止まりそうな感じがするが
実際は全く逆で
足が折れんばかりにペダルを強く踏まないと、利かないのだそうだ
この手のインテグラにはじめて乗った「テツ清水」が言うには
「まるで鉄板を踏みつけているようだ」
だそうだ
実は、普通の車には「マスターバック」という倍力装置がついていて
軽い力でペダルを踏んでも
強い力でブレーキを踏んだ効果が出るようになっている
その代わり、踏み深さも深い
踏む深さの距離が(10)×踏む力が(2)=(20)のブレーキキング力
しかし
高等なレースカーになってくると
倍力装置「マスターバック」を付けないのだ
ブレーキの感覚を足でダイレクトに感じ、微妙な感覚を得るためだそうだ
だから
踏む深さの距離が(2)×踏む力(10)=(20)のブレーキング力
となるわけ
つまり、マスターバックが付いていれば
2の踏み力で、10の深さで踏めば、その積で20のブレーキ力を得られるが
これが付いていないと
10の力で踏まなければブレーキが効かず
しかも踏み込む深さは2しか動かない
それで同じ20のブレーキ力が得られるわけだ
だから、先の「鉄板を踏みつけている感じ」という表現になる
もちろんキチンと踏めば
あの巨大なキャリパーで、ブレーキパッドを
巨大なローターを挟み込むわけだから
すさまじいブレーキングの力になっているはずだ
このブレーキには
テツ清水もさすがにびっくりしたようで
「足がモツかなぁ」と、深刻な顔をしていたぐらいだ
次にエンジン
4気筒、2000cc、ホンダV・TEC
外からではあまり判らないが
バルブとか、カムシャフトとか、フライホィールとか
軽量化が徹底的に行われていて
アクセルに対するレスポンスは、信じられないほど向上しているそうだ
それにしても
高そうなエンジンである
ベンチテストでは253psであったそうだ
ドッカンパワーのターボとは違って
燃費も良く、鋭いレスポンスが身上のエンジンである
約400kmのレース1回に1基使ってしまう
それでもびっくりものだが
資金的に裕福なチームでは
練習用に1基
予選用のスペシャルエンジンに1基
本番用に1基
1レースに3基のエンジンを用意するのだそうだ
(ちなみに、私達へなちょこレースでは、1年以上、壊れるまで使う)
次にコックピット
意外とシンプルだが
いかにも精度の良さそうなメーターが並んでおり
一言で言えば「カッコイイ」
シフトノブなんぞはチタンの削りだしで
わが25番キーパーレビンに着いているプラスチックの玉のノブ(1000円?)とは
えらい違いである
とりあえず座ってみたが
意外とシートはゆったりで、気に入った
私が気に入っても仕方ないが
外観はイカツイ
このインテグラ、エアロパーツ屋さんのスポンサードも受けているので
街乗りの車のエアロのようなイメージが強い
エンジン音は、さすがにでかい
しかも2000ccのくせにかなり野太い低音である
走りは、まだ慣らしの段階であったので
エンジン回転は7000回転まで
予選1発勝負で9700回転
本番の4時間レースで8500~700回転
そう考えると
本格的な走行ではなかった
それでも1分42~3秒を出していた
Nクラス・インテグラのコースレコードが
1分37秒台
Nプラス・耐久用インテグラになると
かなり重量が重くなりタイム的には不利になるが
それでも
1分35秒台を叩き出すという
田中さんいわく
「9000まで回すようになって、セットが決まってくれば、それは軽いですよ」と
百戦錬磨の清水さん
手ごわいインテグラに乗って
地面に座り込んで、さすがに「ウ~~~~~ンッ」と、うなっていた
これから、どうなることやら
ワクワクである
“KeePre”と、“快洗隊”のロゴと
仲間たちのロゴを、満身に背負って
何十万人かの観衆の前で走り回る、このインテグラ
思い浮かべただけでも
ワクワクしてくるではないか
ワクワクする心
まるで子供のように
ワクワクする心を持ち続けることが出来るところまでが
事業の可能性とも思う
ワクワクする心
今日は、午前中
とても大事な講演があって
少なからぬワクワクを感じたあと
夕方近く
北海道へ、飛行機で飛んだ
今は札幌のホテルの中
昨日は、結局
ハンドルさえ握れなかった
3番目のドライバー「山本信」
でもしかし
奴は、「俺が一番速い」と、信じきっている
奴こそ、実は、最強のワクワクなのである
おまけ
「今に見ておれ、そのうち事業で絶対に儲けて
自分のチームを作って
俺が一番速い事を証明してやる」
と思っている
超ワクワク人間のH・オサムの
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息子
うどん大好きの“かえで”
今日のハイライト
久しぶりに現れたワクワクの「ブロッケンの輪」