2002年08月04日(日曜日)
484話 いい仕事と半田
handaが入社してきたのは、おととしの4月
だから、社員になってから約2年半になる
現・刈谷快洗隊のサブチーフだ
彼を面接したのは
そのもう半年ぐらい前、高校の新卒予定者の面接会であった
私達の会社のブースには、たくさんの子が来てくれた
handaはその一人であったが
彼は、たまたま一緒に面接した経理のandoさんの超お勧めであった
andoさん「ゼッタイ採用しましょう」
私「えっ、何で?」
ando「いえっ、とにかく、あの子は絶対いい子ですから」
私「だから何で?」
ando「直感です!」
私「直感?」
ando「間違いありません」
よく分かったような、分からないような
しかし、andoさんは人生の先輩
その彼女のあまりもの自信あふれる言葉に
handaは、とりあえず一番目の採用となった
一緒に入社したのは、あと二人
一度に3人の新卒者の入社は、当社始まって以来の出来事であった
新卒で社会のことを何も知らない3人は
まるっきしのヒヨッコであった
「大丈夫かなぁ~」
何をやらしても頼りない
言うことだけは一丁前
ヒョッコは最初みんな同じだ
handaはお父さんを尊敬している
毎年、お父さんと一緒に、鈴鹿の8時間耐久レースに行って
その時行われる「モンキーバイク」の集会に出ている、と言っていた
親父と息子が一緒に、趣味のバイクの集会に毎年出ている
私にはそういう経験が無い
なんともうらやましい話である
彼のバイク、モンキーは、ただのモンキーではない
私には良く分からないが
改造に恐ろしく金がかかっている
一説にはひゃくまんえん以上かかっているらしい
ほとんどビョウキ
入社して半年ぐらい経った頃、彼は交通事故にあった
そのバイクで通勤している時に
車に挟まれて、足を複雑骨折してしまったのだ
長い入院生活
その途中で年末を迎え
快洗隊の大混雑振りを聞き
それに自分も参加できなかったことに
「涙を流して悔しがっていた」と、見舞いに行った者が言っていた
熱い奴である
彼が入社した翌年、会社は新卒を取らなかった
2年間、彼はずっと快洗隊で、マネージャーを支えてきてくれた
暑い日も、寒い日も
すばらしい洗車を実践してくれた
その間に
何人かが研修で快洗隊に来て、営業に出て行った
一緒に入社した一人は、1年でやめて行き
もう一人も、今年、営業に出て行った
handaには
今年の4月入社してくる予定の新ヒヨッコ4人の、教育を委ねることにしたのだ
あれから4ヶ月
新ヒヨッコは3人になってしまったが
2号店の戦力として立派に計算できる存在になりつつある
その3人の様子を写真に撮った時
たまたまスタッフルームから出てきたhandaも写真に撮った
写真を撮っていて
驚いた
handaの顔を、真正面からきちんと見たのは久しぶりであったのであろう
驚くほど大人の顔になっている
たくましいのだ
自信に満ち、その表情にはゆとりさえ感じる
ゆとりの表情とは、人間としての“やさしさ”に通じる
先日、寿退社するスタッフと、広島担当としての新入社員の
歓送迎会が開かれた時
彼ははしゃぎまくって
座敷の鴨居にぶら下がり、ターザンのように空中を飛んでいた
そんな彼を「まだ子供だなぁ」と、私は思った
ところが
あの時のファインダーの向こうにいた彼は、たくましいイイ顔をしていた
私は自分の目を疑ったほどだ
彼は、2年以上の快洗隊での仕事で
そのいい仕事で
お客様から「ありがとう」と数え切れないほど言われ
そして
自分の部下を持ち
教えることで、大きく成長したのであろう
「いい仕事が
いい男を作る」
何かで読んだことがある
「ラクで、給料のいい仕事」が、いい仕事ではない
いい男を育てる仕事が、いい仕事なのだ
そしていい男とは、いい仕事が出来る男のことなのだ
わが社は、またすばらしい人財を得たようだ
会社の将来を大きく担ってくれることは間違いない
(と、あまりホメ過ぎると、本人、調子に乗るとイカンので言っておくが
「まだまだ」だ。まだあと10倍、100倍は大きくなれる。「まだまだ」だ。
そういう意味で、まだまだ全然ダメだ。ハっンダ~~!)