2002年07月25日(木曜日)
477話 ラーメンと洗車? 告知編 その1
また「ラーメンと洗車」を書き始めた
読むほうも大変だろうと思いますが
書く方も、かなり気力がいるんです。
ドッコイショって感じで頑張って始めましょう。
ラーメンと洗車? 告知編
本格的に訓練が終わり、クォリティの高い商品を作り出すことが出来るようになったら、いよいよ「買って貰う」準備である。
しかし、ここで再度確認しておく。
訓練によって、いい商品が作れるようになってから「売り」である。この順番を決して逆にしてはならない。
ラーメンで言うならば、「美味いラーメン」を「修行」によって作り出すことが出来るようになって、はじめて店を出し、宣伝をする。ということだ。これを逆にするととんでもないことになる。再起不能になってしまうと言っても過言ではない。
つまり、修行がまだ終わらず、美味いラーメンを作る“腕”が無いまま、もっと言えば“まずいラーメンしか作れない”のに、「美味い」と看板でも出し、宣伝して客寄せをしてしまうと、とんでもないことになると言うのだ。
当たり前の話である。「うまくないラーメン」を「うまい」と言って、つまり騙して売ってしまったら、それを食べた客は、2度とその店には来ないだろう。「うまい」と言って客を寄せておきながら「まずいラーメン」を食べさせた。この店が美味いと言っているものは、実はこんなにまずいものなのだ、この店はオヤジの味覚がおかしいか、嘘つきであると宣伝したようなもの。
これはイカンと気が付き、修行をし直して、本当にうまいラーメンを作れるようになっても、「今度こそ本当にうまいラーメンの店」なんで宣伝したって、誰も信用するわけが無い。一見(フリー客)さんばかりの店ならば取り返しが付くかもしれないが、その地元に根付いて商売をするものとしては、再起不能の致命的な痛手になってしまうことも考えられるのだ。
「訓練」でレベルの高い洗車商品を作り出せるようになってから、「売り」である。その逆は絶対にダメということ。
では、「売る」には何をすべきか。
まず第一に「商品告知」である。
お客様に商品を買ってもらうためには、まずその商品を知ってもらわなくてはならない。「知らなくては、買えない」わけで、まず知ってもらうこと始めなければならない。
商品を知らせること。これは他の商品においても全く同じで、自動車を売ろうと思ったら、良い自動車を作り、その良さをたくさんの人に知ってもらい、「欲しい」と思ってもらうこと。これは、外食産業でも、アパレルでも、不動産でも、スーパーでも、もちろんラーメンでも同じだ。知ってもらえてからこそ「欲しい」と思ってもらえるわけである。そして「欲しい」と、客が思った商品が売れるのである。
新聞の折り込みチラシなどを見ても、ほとんどの場合、商品紹介の物ばかりである。
買って欲しいと思っているものが、「こんなに魅力的であり、便利であり、こんな値段で買うことが出来ますよ。」宣伝とは、商品告知に他ならない。
過去の話であるが、ガソリンスタンドの売り出しキャンペーンでは、必ず景品プレゼントがあった。だから、ガソリンスタンドの宣伝とは、どんな景品をどれだけプレゼントするかというものであり、商品告知ではなかった。これは、ガソリンを始めとした燃料という商品が、どういう商品であるかが公知であって、また、どのスタンドで売っているものも、規格で決められた同一の付加価値を持った商品であることを、誰でもが知っている画一商品であったからだ。商品そのもので差別化が出来ないので、その商品に何をプラス付けるかが、宣伝の対象になった。非常に特殊な例であったのだ。
洗車は、そのような特殊なものではなく一般商品なので、商品での差別化が出来るものであることは、何度となく述べてきた。
だから、洗車の販促は、商品自体でいかに差別化が出来るか、そして、それをいかに多くの人に、強く告知し、購買の欲求につなげることか出来るかということになる。
過去のガソリンスタンドの景品キャンペーンとは逆に、洗車の場合は、商品そのものの魅力を訴える告知に尽きるのだ。この辺がガソリンスタンドの感覚だと勘違いしてしまうところで、くれぐれも注意したい。
商品紹介・告知はどのようにすれば効果的なのか
商品告知には色々な方法がある。
?声で伝える。
?文字・文章で伝える。
?絵あるいは写真で見せる。
?音付きの動画で見せる。
?見本を見せる。
?商品の現物を見せる
?商品を体験させる
?が一番弱い告知であり、?になるに従って強い告知である。しかし、ただ単に強い弱いだけではなくて、それぞれ長所と短所がある。
?声で伝える
告知としては一番弱い。喋る人によって言葉が変わってしまうし、聞く側の聞き方によっても伝わる内容が大きく変わってしまうことがある。そして何より、残らない。
ただし、人が声で伝える方法は、時には、その人の人間性が伝わり、それが相手に合えば一番強力な方法となりうる場合もある。しかし、その全く逆になってしまうこともあるわけで、正確に伝えることが必要な商品告知にはあまり適しているとは思えない。
ラーメン屋の店先で、どんなラーメンがあるかを、店員さんが口で説明しているところは見たことが無い。
?文字・文章で伝える
価格とか、時間とか、性能とか、客観的な事実を伝えることに優れている方法だ。
しかし文章だけで、商品説明をしようと思うとずいぶん長いものになってしまい、ユーザーは長い文章をほとんど「読まない」。
文字・文章での告知は2つの種類に分かれる。
※1つ目
短い文章で、かつ刺激的な言葉を「看板」にして興味を引く使い方。
キャッチコピーと呼ばれているもので、文字数が少ないもの程良い。
(例)
※2つ目
写真などで表現された商品に、○価格 ○作業時間 ○特徴
など、商品の客観的な情報を文字・文章で表現する。これも絶対必要なことである。
?絵あるいは写真で見せる。
商品の告知には、絶対必要な方法である。「百聞は一見にしかず」文字通り、言葉でくどくど説明するより、その姿を写真などで「見せる」方が、ユーザーは納得できる。
たとえば車のカタログなどでも、写真が主役であって、文字は写真に対する解説であって脇役である。
「メニュー」「カタログ」がそうである。洗車においては「メニュー」が商品告知の主役となる。これについては、グリットが有用な提案をしているので、そちらに委ねることにする。
?音付きの動画で見せる。
つまり、テレビコマーシャルである。一度に多くのユーザーに告知をすることが出来る。その威力はすさまじいものがあって、多くのメジャーな商品がTVCMを活用している。
しかし、そのために要する費用は莫大なものであり、また、多岐に渡るユーザーの洗車の好みに対して、TVCMは単一商品しか訴求できないものであって、必ずしも洗車商品に対する恒常的な商品告知にはなり得ない。
外食産業のCMを見るに当たって、店舗のブランド訴求はあっても、商品訴求があまりなされていないのは、そのいう意味か。
?見本を見せる。
?商品の現物を見せる
?商品を体験させる
実際に商品を陳列して見せることが出来る商品は、現物を見せることが大変有効である。たとえばテレビ・ビデオカメラなど電化商品などは、実物がいかにたくさん陳列してあって、それを体験できるかどうか。電器大型店が圧倒的に強くなったのはそのせいだ。ラーメン屋の場合ならば、実物を陳列すれば麺がたちまち伸びてしまい、かえってまずそうになってしまうので、より現物に似せた模型見本を提示している場合もある。しかし、模型見本はあまり美味そうではないので、必ずしも効果的とは思えない。
では洗車の場合はどうか。
話がかなり長くなりそうなので、とりあえず、ここで一度休憩
また明日書きます。