2002年01月27日(日曜日)
342話 パソコンの功罪
世の中、このところIT革命の叫び声がひと段落したが
当社も、2年前からパソコンを営業職全員に支給したりして
IT革命に乗り遅れまいとした
そして、その結果
事務所のディスクトップパソコンが、10台
快洗隊の待合室にディスクトップ2台
スタッフルームに2台
営業職にノートパソコンが、全部で23台(思いつくだけで)
壊れたりして、すでに廃棄したパソコンが4台
合計41台
1台平均18万円としても738万円
それにプラス、サーバーが1台と、プリンター等こまごました物があって
多分、ハードと、それに付随するソフトとで、ゆうに1000万円は越しているだろう
?ハードとソフトで1000万円以上
パソコン通信費は、今でこそ定額のものに変えてきて少なくなったが
それでも、月に10万円は下らない
以前は、PHSカードを中心に使っていて
月に50万円を越した事もある
バカな奴もいて、Hサイトにアクセスして悪質なサイトに引っかかり
一人で月9万円以上も請求を受けたものもいる
通信費はどう考えても、ITを始めてから2年で、700万円は越しているだろう
?通信費で700万円以上
ホームページを立ち上げるときなど、どうしても外部の業者に助けて貰わなくてはならないこともある。それに250万円以上かかったか
プラス、何も分からないときに、業者にノーツを入れてもらい社内LANを構築した
そのときの指導料などの経費に200万円ぐらいかかった
(今考えると、この200万円は無駄だった)
?外注費に400万円以上
専任のスタッフを2名ないし3名設定している
2年、この部署にかかった経費(給与・福利厚生・その他諸経費など)に
3000万円以上は要る
しかし、このスタッフたちは、他にも色々仕事を分担してやってくれているので
その半分と考えても1500万円
?部署経費に1500万円
ここまでは直接経費と考えられる
少なく見て3600万円以上
ひょっとしたら、5000万円以上になっているかも知れない
恐ろしい数字だ
2年でこれくらいは、本当にかかっている
ITは、実に金のかかる代物である
では無駄なものか?
とんでもない
ITを取り入れたことによっての功績は、計り知れないものがある
?インターネットで、知り得た情報は数知れない
?インターネットで、お付き合いが始まった人たちの数も相当である
?インターネットから得たビジネスチャンスも、たくさん有った
?販売実績、状況などの把握が正確かつリアルタイムに出来るようになった
?伝達事項とか相談ごとが、すばやく出来るようになった
?たくさんの人に、最新の情報を提供する事が、出来るようになった
などなど
しかし、それが金額に換算できないので
何千万円もの莫大な経費が
今現在の時点で、本当にペイしたのかどうかは、断定できない
それでも、ITを活用するだけのインフラはかなり整備できたと思っている
パソコンなどのハードは、消耗品ではあるが
これからも継続的につかえるものだし
スタッフのパソコンを使う能力も、かなり開発されたと思う
しかし、その度合いには
人によって、大きな差がついてしまっていることも確かだが
それはそれで
ITを導入した意義は、それなりにではあるが、大いに有ったと考えている
しかし
根底的に問題はある
おおいにある
一番の問題は
「パソコンを使用する能力」が身に付いても
「パソコンをビジネスに活用する能力」
つまり「成果にする能力」、もっと言えば、売上にする能力について
どうしようもない“能力の差”が出来てしまっている、という事だ
パソコンは「ただの道具」である。ただ単なる「機械」である
ITそのものも「ただの道具」である
その道具の「使用方法に対する能力」と
「ビジネスに実際に役に立てる事が出来る能力」とは、全く別物である
インターネットで遊ぶ事しか出来ない奴は別にしても
パソコンを“使っているだけ”で
ただ単に、“きれいな字を書くため”だけに使っているものもいる
パソコンをワープロと間違っている者
手で書いた方が、はるかに能率的なのに
パソコンがあるばかりに、わざわざ非能率的な方法を、取ってしまう場合もある
なにより
「パソコンを触っていれば、仕事をしていること」と、勘違いしている場合もある
つまり、役に立たない事をしていても
パソコンさえ触っていれば、仕事をしている、と勘違いしている場合もあるのだ
もっとひどい場合は、パソコンで入ってくる情報を「見ているだけ」で
自分からは何も発信しない
何かを発信しても、全く返信すらしてこない
パソコンとテレビを混同している、そんな考えられないような者もいる
つまり、一番の問題は
パソコンを導入したばかりに、かえって仕事の能率が下がってしまったり
すべき仕事を、結果としてやらなくなってしまう事態すらある
勿論、生きた使い方をしてくれていることの方が多い
当然そうだ
しかし
そういう悪しき1面も持っている、ということだ
パソコンとインターネットの持っている“道具”としての能力は
すさまじいまでの、大きな可能性を持っている
また、これからは、この能力を備えていなくては、世の中に通用しない
現実に当社でも、大変役に立ったと思っている
莫大な経費を投じたものであっても
それは、やるべきことであった事と確信している
問題は、それを使う人が
それを本当の意味で活用して
実際に仕事の役に立てて行く、そこに意味があるのだ、という意識が持てるかどうか
その一点に、大きな投資が活きるかどうかが、かかっている
今度の幕張でのショー出展について
参加スタッフは、全員で40泊分いる
当初、1泊7,800円のビジネスホテルを予約するつもりでいた
(これでも随分苦労したのだ)
7,800円×40泊=312,000円
大きな金額である
それを、あるスタッフが「旅の窓口」というインターネットのサイトを使って
1泊4,700円で手配をしてしまった
4,700円×40泊=188,000円
なんと
124,000円もの経費節減を
インターネットを使い1発でやってのけてしまったのである
http://www.mytrip.net/ry_kakunin_itiran.html
このスタッフは、インターネットを使って、新規顧客をかなり獲得している
それも、かなりの大手を
新しいソフトにも挑戦して、身に付けてもいる
見ているだけの者」と
「ダイナミックに活用する者」との差は開くばかりである
この事こそ、厳しい競争の現代を象徴しているのかもしれない