谷 好通コラム

2001年03月15日(木曜日)

第54話 違和感

今、福岡への飛行機の中

 

前話で、関西のあるガソリンスタンドの事を書いた
ひょっとすると、まるでその店が、“見せる”という事を理解出来ていない愚かな店であるように感じられたかもしれないが、そうではない
運営者は非常に優秀な方々である事は、全く疑う余地がない
経験も充分で申し分ない

 

社員教育も素晴らしい
本当に若い子ばかりだが、実にシツケがしっかりとしており
感じのいい子ばかりだ
ドライブウェーなどの受け入れも良く
クレンリネスは行き届いており
特に待合室はパイロット以上と言ってもいい

 

では何故ああいうことになったのか

 

過去数十年にわたってガソリンスタンドでは
ガソリンをたくさん売る事を最優先させてきた。燃料第一主義
燃料、とりわけガソリンの販売数量が確保されれば
利益が保証された時代が数年前まで続いた
過去はそれで良かった
それが一番儲かった
洗車、オイルなどその他の物は燃料に付随する利益であった

 

だから、どこのガソリンスタンドを見ても
ガソリンを入れるための動線と空間を、第一に優先させた形になっている
“はじめにガソリンありき”
ところが自由化が進み、ガソリンの利益が
過去に比べて激減
ガソリンを普通に売っていれば食べていける時代は終わってしまった

 

洗車、オイルなども、燃料に付随する商品としてではなく
それぞれを自立した確固たる収益源にする事が必須になって来ている

 

だからあらゆる意味において、ガソリン最優先ではなくなってきているのだ
(燃料販売を主体としていくのなら、ローコストのセルフ販売が今後は主役)

 

しかし、ガソリン販売第一の時代があまりにも長かった
この世界で長く活躍をし、特に優秀な人ほど
快洗隊の考え方
“ガソリンの給油動線を多少乱してでも、洗車を“見せる”ということを優先させる“
ことに
違和感を持つ傾向がある
洗車は、“見せる”事で認知が得られる商品と
頭では解っていても
いざ、ガソリンを入れる車が滞ったりすると
そこに洗車の舞台がある事に
強烈に違和感を持つ

 

今までと違うことは
それだけで良くないことのように感じる

 

時代が変わったのだから、今までの形のままでは適応できない
時代が変わったのだから、今までと同じ事をやっていたのでは生き残っていけない
今日が昨日と違っていることは悪いことではない
今日は昨日と違うのだから、自分も変わる事が必要なのだと思う

 

 

この関西のガソリンスタンドの方達
色々話をして、遠慮のない議論を繰り広げて、お互いよく理解できた

 

後日、担当の者から
レイアウトを変えて
早速、“見せる”事を、一生懸命実行していらっしゃる事との
報告があった
優秀な方達なので、出口をすぐに見つけられると確信している

 

 

台湾で見た“トランクがつき出た「マーチ」”

 

 

日本ではこのマーチはない
だから、このトランクがくっついているマーチは“ヘン”である
ヘンなマーチである
ものすごく違和感を持つ

 

だけどこのマーチを見慣れた台湾の人から言わせれば
日本のマーチは、大して荷物を詰めそうにない
“トランクのないヘンなマーチ”であろう

 

どちらのマーチが優秀なのか、そんなことは全く関係ない
“違う”だけである
違うことは悪いことではない
違うだけである
昨日と今日が違うならば
自分も違う自分になる事が悪いわけがない
そうしないと、生き残れない場合すらある

 

追伸

 

機内アナウンス
「ただ今福岡空港が着陸制限をしており、
福岡に着陸予定の全機が上空で待機しております」

 

何があったのであろう
こんな場面、映画で見た事がある
燃料はあるのだろうか、などいらぬことを考える。初めての経験だ
これは面白そう
あとはインストラクター日記に

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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