2001年02月17日(土曜日)
第27話 山彦かハウリングか(続すごい人達)
熊本のアイ・ビー石油の馬場社長
彼の店は2件、そのうちの1件“白藤SS”というガソリンスタンド。
その店が今年、資源エネルギー庁長官賞ガソリンスタンドとして最高の栄誉の賞を取った
馬場社長はまだ30代の若者、約5年前に独立したばかりの若い会社である。
不思議な縁で彼とは独立前から知り合いであった
彼の店には2度ほど訪問した事があるが、店に入ったとたん、なんともいえない暖かいムードが伝わってくる不思議な店
彼は決して安売りをしない。周りがどうであろうと絶対に“適正価格”を貫いている。だから逆に、決してボッタクリもしない
“店にとって適正と思った価格”を通す。
しかし、あくまでも店にとっての適正なのだから、お客様にとってはどうなのか当然疑問が起きる。ガソリンの価格も周辺の店より結構高い
彼の店に行くと、まず気が付くのが“お客の笑顔”
皆さん心地よさそうにしている。この店に来ている事がうれしそう
この店が他の店よりも“安くはない”ことはみんな「知っている」
でも、みんなうれしそう
この店で、車に燃料を入れたり、洗ったり、オイルを変えたりすると
間違いなく「気分がいい」
ここで買えば、ここでやってもらえば「間違いない」
決して、要らない事を必要だと騙したりもしなければ
余計な事もしない
この店のスタッフの言っている事を
客は「お願いします」と言って、任せれば
本当に必要な事を、ちゃんと気が付いてやってくれる
安くはないが“騙さないから絶対に損をさせられる事はない”
必要な事を必要なだけ、客は気がつかなくても
“店の人が気がついてくれるから何とも安心である”
接客も抜群だ!
※悪い店によくあるパターンで
言葉だけバカッ丁寧だけどさめた表情
見るからに汚い服装で自分の車に乗って欲しくない
町のワルのようなカッコをしていてチョット怖い
香水プンプンで臭い
親切そうな顔をして、必要でなさそうなものを、しつこく売り込む
バカにしたように乱暴な言葉を言う
等々、感じの悪い目にあったことは枚挙にいとわない
この店の子達は、気遣いや心配りが行き届いて言葉も適切、態度もきちんとお客の方を向いていて実によくシツケがされている。
“感じがいい”
店内も掃除が行き届き、いつも季節を感じさせる工夫がしてある。
“居心地がいい”
“安くはない”が
“騙さないから絶対に損をさせられる事はない”
必要な事は
“店の人が気がついてくれるから何とも安心である”
店の子は
“感じがいい”
店は
“居心地がいい”
皆さんもこんな店が近所にあったら、行きたいと思いませんか?
知らず知らずに常連になってしまうのではないでしょうか
印象的な言葉があった
『山彦コール、つまり誰かが「いらっしゃいませ―」と言ったら、周りのスタッフも全員で「い一らっしゃいませ―」とどなる。
「ガソリン満ターン」と言えば「ガ~ソリン満ターン」と全員が唱和
そのうち「いっらっしゃいませ」という言葉が「ラッッシャイ―」となり
「ありがとうございました」が「アッシター」となって
まるで怒号のよう。
これは“山彦”ではなくて“ハウリング”
全く耳鳴りがしているようなものだ
だからうちの店では、誰かが何を発声しても、皆はきちんと「ありがとうございます」と唱和することにした』
いつも習慣としてやっていることでも、ふと、お客様の側に立ってみたら、実に不愉快な事をやっている事に気がついた。だからすぐ改めた。
実に明快なCS、顧客満足ではないか
すべてにこの姿勢を持った結果が、独立後数年で超優良企業になったということであろう。
ちなみに彼はキーパーに惚れこんで、洗車ノウハウにも惚れこんで実に確実に実行し、抜群の洗車の質と実績を上げてくれている。
これは手前味噌である
さあ次は“セルフ”の話、明日また書きます