2018年08月25日(土曜日)
8.25.六月決算の概略
この会社は6月決算なので、8月のお盆が終わると、
決算のIR(機関投資家向け状況説明)が始まります。
東京に行ってきました。
今回の決算は、若干の増収でしたが、減益であり、
その影響で株価が下がっていたので、相当の覚悟をして出かけました。
「株価が落ちて損になってしまった。どうしてくれるんだ。」
なんてことを言われるのかなと思っていたのです。
ところが機関投資家の皆さんはさすがに株式のプロ、
冷静に淡々と分析的に質問をされ、
こちらも一生懸命にそれに答えるという形で進みました。
今回の減益は、
一つには会社の成長の為に新店をこの二年で一挙に増やしたので、
このビジネス特有の新店初期の売上低迷期(約二年間)の店舗が、
全72店舗の内、約半分の16+18=34店舗にもなって、
全体の収支を圧迫したことが第一の原因です。
しかし、この事は当然予想した上で新店を集中して造ったのであって、
それでも会社全体としては前期を上回る利益を確保して、
若干でも増収増益で乗り切れると踏んでいたのです。
ところが、キーパー製品のビジネス、
つまり卸しのビジネスにも変化がありました。
キーパープロショップのほぼすべてとも言えるガソリンスタンドの世界で、
業界全体が変わる程の統合劇があって、
キーパーの販売が一時的にではありますが若干、沈静化したのです。
もちろん、全体が活性化されている店舗では、
キーパーコーティングを収益向上に大いに役立てていただいています。
しかし全体としては若干の沈静化があったということです。
これには、日本全体にあった「深刻な人手不足」も大きく影響していました。
ガソリンスタンドでの人手不足は慢性的なものがありましたが、
特に今年は輪をかけて人が少なく
「とにかく人が欲しい。」と嘆きの声が聞こえました。
さらに、
石油製品の高騰があって、ガソリン価格が上がっていくその際中
キーパーをはじめとする「油外商品」の売り上げが、一時的に低下しました。
この現象は過去にも何度もあって、
マイカーにかける予算がある程度決まっているのか、
その予算の中でガソリンなどの燃料の価格が上がると、
それ以外の商品、つまり油外商品の売り上げが頭打ちになります。
燃料の価格が上がっていく過程の時期において見られる一時的な現象です。
上がってしまって値段が(高値でも)安定すると元に戻ります。
過去にも何度もありました。
そんないくつもの要因が重なって、
約半年間、明確にこのビジネスの分野では売上が前年を下回りまわり、
通期では前期比3.1%の減収になっています。
この部門の通期での減収は少しでしたが、
直営店部門で相当背伸びして新店確保、拡大を進めていたので、
その両方がお互いを補完できないまま、
会社全体として、運営利益14.1%減の減益になった訳です。
ただしこのような状況は、
猛暑が始まった頃から劇的に解消されて、
特に7月、8月では、製品事業でも、逆に前年をかなり上廻ってきています。
只今真っ最中のキーパー選手権では、今年は、とんでもない記録が生まれそうです。
ここまでのいきさつは積極的な成長戦略を進める中で起きた現象であり、
ご理解いただけるものとして一生懸命説明しました。
決算説明書が公開されての週明け、
投資家の皆さんがどのようにご判断をくだされるか、神妙な心もちです。