谷 好通コラム

2024年06月14日(金曜日)

06.14. WEB予約システムは使い方次第で

昔の床屋さんは予約制ではなく(他の職種もほぼ全て)、

床屋さんに来た順番に並んで前の人の理髪が終わるのを、

自分の順番が来るまで、

漫画でも読みながら椅子に座って待ったものです。

だから、みんなが床屋に来る”年末”などは、1,2時間待つのは当たり前でした。

私達はそれが当たり前だと思い、

待つ時間が無駄だなんてまるで感じなかったのです。

それがいつの間にか、何でも「予約」が当たり前になって来て、

床屋さんで順番を座って待つなんてことは無くなりました。

この予約制のおかげで、

床屋さんのマスターも、

以前のように、お客さんが並んでいる内は休憩も取れず、

ご飯も食べられず延々と散髪の作業を続けるような、

地獄のようなぶっ通し作業も無くなって、ものすごく助かっています。

もちろん、お客の方も順番など待たずに済むようになり、大助かりです。

予約制はお互いにとってメリットしかほとんど見当たりません。

 

しかし床屋さんの場合の予約は、

まだWEBではなく「電話」が多いようです。

あくまでも想像ですが、最近の若い子たちは美容院に行ってしまうので、

床屋さんに来る人は、

スマホをあまり使わない様な(たとえば私の様な)おじさんが多いので、

わざわざ電話での予約にしているのかもしれません。

あるいは逆に、マスターがPC嫌いなのかもしれません。

 

私達のKeePer LABOも何年か前までは予約制無しでやって来て、

来店された順番にご注文いただいたサービスを作業していて、

忙しい土日や年末などは、

みんなとにかく頑張るしかありませんでした。

交代で、5分の休憩(9番)を取りながら頑張ります。

たくさんのお客様がゲストルームで順番を待っていますから。

しかし、スタッフを休憩なしで働かせる訳にはいかないので、

どうしてもそのしわ寄せを、店長が被る事になることが多かった。

 

しかし逆にお客様が来られない時、店はガランとして手持ち無沙汰です。

つまり、店が忙しい時と暇な時のムラが大きく、

通して考えると効率の悪い運営になっていたのです。

 

それが、WEBを使った予約システムを使い始めたら、

需要が高まる土日や年末などは予約でびっしりになりますが、

来店されたお客様は長い時間待つことなく、

早くサービスを受けられることになります。

スタッフも慌てて作業をしなくても良くなって楽になるだけでなく

商品品質の向上にもつながっています。

これはお客様にとってもメリットです。

また、予約が取れなかったお客様が、

平日に来られる人は、平日に予約を入れてくれるので、

結果的に平日の暇な時間が解消され、

結果的に、店舗としても効率的な運営が実現しることになります。

WEB予約システムは、多くの面で改善に繋がったのです。

 

しかしもちろん、すべてのお客様ががWEB予約される訳ではなく、

電話予約では電話をいただく度に作業を中断することになった。

それでも、前もって予約を頂けることはありがたかった。

しかし、

予約なしでご来店いただく場合(俗に言う「飛び込み」)お客様も全体の30%もあった。

当然、予約のお客様は優先的に作業していくので、

飛び込みのお客様は、余分に時間をお待ちいただくことになり、

スタッフも休憩がなかなか取れないような状態になる。

しかし、予約システム導入前よりはるかにマシではあったが。。

 

予約システムが入る前のような場面が、

土日や年末等ご来店がピークになる時には、どうしても再現した。

もちろん、予約なしで来られたお客様は作業も後回しになるので、

ご自分で思ったより待つことになり、不満、不快の元になりがちだった。

予約で来られたお客様も、

予約の時間通りに来たのに作業がちっとも始まらない場合もあって

不満、不快の元になることもあった。

 

そこで、これではイカンの考えた店長は、

飛び込みのお客様がある程度来られても、

店が混乱しないように、余裕を持った絞った予約枠に設定した。

しかし逆にそれは、飛び込みのお客様が来なかったら、

忙しい土日でもスタッフの手が余ってしまうような場面も作りだし、

かえって店舗効率を下げてしまうような悪い結果を出すことも出てきた。

絞った少な目の予約枠しか開けていないと、

来店数の波の高い部分を削っただけの悪い現象だ。

もちろん店長は必ず「お客様に迷惑をおかけしないように・・・」と言うが。

 

さらに、

予約枠を絞ると、

土日など需要の高い日にはその少ない枠がすぐに満杯になってしまい、

予約サイトの空き状況を示す表は満杯の×××が並んでしまった。

すると土日しか来れないお客様は、

もう、何週間も先にしか予約が取れない状況が続き、

諦めて(うんざりして)他の店に行くことにする。

逆に、予約をせずにご来店するお客様は、うまく平均して来る訳がなく、

土日でも少な目にコントロールされた店舗に来ない事もあって、

予約のキャンセルがあったり、作業が想定していたより早く終わってしまうと、

店がガランとしてしまう事も出てくる。予約枠だけは×××の満杯状態なのに、

しかも、そんな時に限って、

その土日に予約が取れなかったお客様が、たまたま店の前を通りかかって、

ガラガラの店の様子を見たら

「予約は×××なのに、ガラガラじゃないか。こんな店はもうやめた。」と思うだろう。

 

その店は結果的にたくさんの固定客を失うことになった。

しかし店長は「お客様に迷惑をかけないために」始めた予約枠を絞る事はやめない。

どんなに店がガランとしてきても。

お客様に迷惑をかけないために。

 

こんな悪循環に陥った場合は、

店長が意識を変えるか、店長を変えるか。

どちらかを変えなければならない。残念ながら、

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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