谷 好通コラム

2025年02月02日(日曜日)

02.02.楽チンするのが好きな小ボスは中ボス・大ボスを見習った。

「長」がつく役職になった瞬間に「ボス」に変身する者がいます。
そういう人は、
傲慢になって威張るだけでなく
例えばバックヤード店長などと呼ばれる「小ボス」になって、
とにかく仕事をしないのが特徴で
やたらと楽チンをする店長とかチーフが、稀にではあるが、いる。

こういう楽チン大好き小ボス店長がいる店舗は、
スタッフが余分に仕事を押し付けられ、それが理不尽ゆえに、
無駄にモチベーションが下がり、チームワークもなく、退職者も出がちで、
ほとんどの場合、業績が低迷する。

 

業績が思ったより上げられない原因は、
むしろその他にあって、
データをよく見て分析し、
理解した上で客観的な判断をしなければならない。
大抵の場合、それで解決策は出てくる。
しかし、
その不振の理由がどうしても分からない時、
意外と、この「小ボス」の楽チン志向が原因である場合があります。
あるいは、稀ですが、それを束ねる「中ボス」が原因である場合もあります。
「大ボス」やてっぺんだって、その因になっていないとは限りません。

 

役職が上の人というのは、”仕事が出来るから”上の役職に上がっている筈で、
強いから上がった訳ではない。
ましてや、上役に取り入るのがうまい世渡り上だからではない。
部下に睨みが効いて皆から怖がられるボス猿的な力が強いとか、
そんな力関係に強いという訳でもない。
あくまでも、仕事が出来るからであり、
その組織の上の役職の仕事が出来るから、その役職に就いている。
・・・・・・・
・・筈だ。

 

しかし、間違って、上の役職に上がってしまった者も少ないがいる。
そういう者は、
役職が上がったとたんに、
今までやってはいけなかったことを平気でやり始めたり、
(例えば今まで停めてはいけなかった楽な近い所に車を停めたり、)
今までしていた相談、報告をしなくなって、
自分で好き勝手に決めて、自分で好き勝手に行動してしまうようになる。
それが往々にして間違っていて、
会社に大きな損害を出しても、
上の役職になると、周りのみんなが自分に従うようになるので、
反省も出来なくなって、つまり学べなくなって、
役職を上にしたばかりに、かえって役に立たない、危ない存在になる者もいる。

 

・・・・・
そんな大げさなことではなく、
役職が上に上がると、
仕事をサボるようになるケースは多い。
あるいは逆に、やたらとスタッフに指示をするようになるケースもあるが。

役職が上がると仕事をサボるようになる者は、
上がる前まで、
上から仕事を”やらされていた者”で、
自分が上の役職ななって、
その組織の中でのトップになると、
自分は下の者に仕事をやらせるが、
自分に仕事をやらせる者がいないので、
自分は仕事をやらされなくなるので、仕事をしなくなるだけで、
仕事をサボっているという意識は自分にはない。
つまり、
自分は役職が上に上がったら仕事をサボって、仕事をしなくなった訳ではなく、
ただ、
仕事をやらされなくなったので、
やらされなくなっている=しなくなっているだけなのです。

 

あるいは、
本人が、仕事をする事を「損な事」と思っている場合。

仕事=人の為になる事をするということを、
自分にとって損な事という価値観を持っている人はいる。
(だからこそ報酬を得ている筈なのだが)
そんな人には、
仕事をサボる事は、自分にとって得な事=いい事なので、
役職が上がって、
上から仕事をやらされなくなって、
仕事をしなくなる事は、
悪い事ではなく、その人にとって得な事、良い事!なのです。
だから、そのような人にしっかりと役割を果たしてもらおうとするなら、
結局、”やらせる”しか方法がないということになります。
しかしそうすると、
やらされないと、しない事が当たり前の店になってしまうので、
サービス業としては気の利かないダメな店になってしまう。
そういう店には、お客様はリピートしないので、
必然的に業績は落ちる。
この悪循環は意外と早く結果となって出てくるので、
店長、チーフ、地区担当など、小ボスになりうる役職の者の、意識を変えるか、意識、あるいは価値観を変えて行動を変えるように持っていくか、
一番確実で手っ取り早いのは、その人を代えることになる。
多くの場合。その人の意識を変えるより、
その人を代えた方が確実で早い。
特にスピードを求められている場合は、それ以外方法がないことも多い。

 

しかし基本的には、
役職が上の人とは、”仕事が出来るから”上の役職に上がっている筈なので、
この基本を間違えなければ、
仕事をサボる事、ラクチンをする事が役得だと思っている者を、
上の役職にするような間違いはしない。
だから組織は成り立つし、大きく成長する組織になる。
しかし、
サボった方が得だと思っている小ボスは、
中ボス、大ボスを見習ってそうなっているので、
サボった方が得だと思っている小ボスの発生があった場合、
中ボス、大ボスまでさかのぼらないと、本当の修正が出来ないこともある。

 

いずれにしても、上の役職に立てば楽チンをしようとする者は、
会社の為に、みんなの為に
上の役職に持ってこないのが、唯一、かつ一番の方法です。

 

しかし、現代の一つの大きな流れとして、
上の役職の者が下の役職の者を評価するだけでなく、
下の役職の者が上の役職の者を評価する制度を設ける方法もあります。
組織が大きくなるにつれて、
それを取り入れる時が、そろそろ来つつあるのかも知れません。

 

二月になって、寒さが厳しくなってきていますが、

蝋梅があちこちに咲くようになってきました。

春も着実に近づいています。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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