2025年03月19日(水曜日)
03.18. この会社が「大会社」ではない訳。
KeePer技研株式会社は東証プライム市場に上場していて
その発行株式の時価総額が1,000億円を超していて、
事業の規模としては大きく、成長も絶え間なくしている。
のですが、
決して「大会社」としての意識はありません。
勿論、大会社に課せられている法的な要件は完全に満たしていますが、
それでも、やっぱり大会社ではありません。少なくともその意識はありません。
良くも悪くも大会社としての意識が、ありません。
この会社の本社事務所は、20年前と同じローカルの大府市で、
20年前年商20億円程度から、今は年商250億円位にまで成長していますが、
事務所の広さは20年前の1.5倍に増えただけで
(2Fの寮の半分を事務所に追加したので1.5倍。)
事務スタッフの数も約2倍にしかなっていなく、
少なくとも事務所は全く大きな会社らしくありません。
また、会社幹部の部屋も
一人のCo-COOは10畳程の書庫を改造した部屋を、
かろうじて専用の部屋としていますが、
もう一人のCo-COOと、CFOは、自分の部屋を持たず、
事務所の他の皆と同じ場所に、同じ机です。
CEOはスタジオに一応部屋があるが、不便なので、会議室に居候しています。
立派な応接室などはなく、
訪問客とはいつも会議室で応対します。
会社のどこを見ても、大会社の威厳はありません。
大会社ならば当然行われているであろう社内交際費はなく、
新年の挨拶も、歳暮も中元もなく、
さらに、
幹部達が揃って飲食する事も外からのお客様がなければ、まずありません。
外から来られたお客様持参のお土産は自動的に全部LABOに行き、
予算達成会以外の食事代やゴルフ等の遊びを経費で落とす事はなく、
業者から飲食の接待を受けた事もなく、付け届けも貰った事がありません。
部下に私的な用件をやらせることもありません。
こういうような事が、
風紀の引き締めとかそんな厳しい事をせずに、自然になっています。
しかし業者さんはこちらの担当者を当たり前のようにチヤホヤし、
懐柔しようとしますから、それを受けた担当者は勘違いをする者も出てきます。
あるいは、
大会社のお客様から一緒に遊ぶことを求められれば、
お付き合いする事も出てきて、
そんなことを当たり前のようにしている内に
いつの間にか、じわじわと、当たり前に大会社らしくなってきます。
しかしこの会社、急に大きくなったので、
組織としての機能が十分に発揮も出来ていないのに、
余計な潤滑剤だけが回ると、ゆるゆると組織になって崩れていきます。
この会社の良いところは、
組織のどこにも「役得」がはびこらず、
組織のすみずみに迄、仕事の面白さとか喜びが浸透していたのに、
上の方から「役得」というカビが発生し始め、組織がカビてくる気配がします。
この会社はまだ大会社ではないので、
大丈夫であったところが、大会社的な勘違いがはびこり始めると
この会社の良さが無くなってしまうので、すぐ見破られるでしょう。
私の73歳の誕生日、
いつもの「火鍋」で、自由参加の飲み会です。
もちろん私の挨拶などなく、お祝いの言葉なんてなく
乾杯もなし、ただ飲んで、食って、騒いで、笑って。
私は、それが一番うれしい。みんながそれを知っているのがまたうれしい。
若い子が「しろえびせんべい」をくれました。
自分が好きなものなんでしょう。
こういうのが、すごくいいですね。