2025年04月11日(金曜日)
04.10.今降っている花粉による「花粉ジミ」は90℃が必要らしい。
私は”花粉症”ではないので、
今の季節「鼻水が出る。目がかゆい、苦しい・・・・」と言うのは全く分からない。
今は、スギ花粉が終わって、
ヒノキ花粉がひどいそうだ。でも、私には分からない。
しかし、
この花粉によって車の塗装に「花粉ジミ」が着くことは知っています。
先日、会社のInfoにこんな投書がありました。
要約すると
「二十万円以上も払ってEXキーパーをかけたのに、
すぐに、こんな汚いシミが着いた。どうしてくれるんだ。」
このお客様のお怒りはよく理解出来るし、ごもっともです。
誰だって、自分の車に二十数万円もかけて、
しかも想像以上にキレイになって喜んでいたのに、
ふと気が付いたら、
見たことないような汚いシミが着いて、しかも水洗っても落ちないとしたら、
ガッカリすると同時に頭に来ます。
写真が添えられていました。(写真の一部を拡大)
このシミは「花粉」です。
車に降った花粉の中からペクチンが出て、塗装に染み入って出来たシミです。
塗装にも染み入ることが出来るペクチンは、
残念ながら、EXキーパーのコーティング膜にも染み入りますので、
まずコーティング被膜を浸みて、
塗装にも滲み入り、塗装の中で結晶化し
塗装の表面を凸凹にして、汚い汚れが着いたように見えます。
ずいぶん昔、実験したことがあります。
杉の生えた山で、杉の花粉の房を採集し、
塗装の上で房を切刻んで花粉を出し、水をかけてやるとペクチンが出てきます。
このままでも何となく塗装に凸凹が出来ている感じが分かります。
花粉をきれいに拭き取って、30倍の低倍率顕微鏡で見ると、
こんな風に、塗装面が見事に凸凹になっています。
これが花粉ジミの正体です。
花粉ジミとは、花粉の何かが着いていてそれがシミに見えるのでなく、
花粉の成分ペクチンが塗装の中に染み入って、
塗装の中で結晶し、
塗装の組織を内側から引っ張って
塗装の表面そのものを凸凹にして、それがシミとして見えているものなのです。
解決方法は表面を温めることです。
温めて、内側から引っ張る力を無くして、表面の凸凹を無くすことです。
凸凹になった表面を温めると、徐々に凸凹が減ってきます。
もっと温めてやると、凸凹が消えてなくなります。
温める方法は三つ。
ドライヤーなどで空気を温める方法と、
お湯をかけて温める方法で、
最後の一つは、そのままにして塗装表面が極端に暑くなる”夏”を待つ事です。
ドライヤーの温風はコントロールするのが難しく、
熱くし過ぎると塗装そのものを痛めてダメにする危険性があります。
しっかりとした温度管理が出来れば大丈夫ですが、
簡単ではありません。
もっとも簡単なのが、熱くしたお湯を掛けることです。
こうすれば塗装を熱くし過ぎることもありません。
この熱いお湯の温度はいろいろと実験してみて70℃としました。
70℃のお湯です。
ところが最近分かってきたのは、
花粉の種類によっては90℃が必要であることが判ってきました。
いずれにしても、熱いお湯です。
それとも、
我慢して夏を待つか。
いずれにしても、知らずに我慢することは良くないので、
こんなポスターを何年か前に造りました。