谷 好通コラム

2025年07月21日(月曜日)

07.21. 昔、自分第一主義とは自分勝手であり、恥ずべき事であったが。

 

アメリカンファーストを謳ってトランプ大統領が大統領選で勝った。

都民ファーストを掲げて小池都知事が再選された。

そして、

今回の参院選でも日本人ファーストを謳った参政党が躍進した。

同じく勝った国民民主党は「手取りを増やす。」をスローガンとした。

どの政党も多かれ少なかれ「皆さんにもっと得をさせる。」と言った。

ここまで声高にポピュリズムが主張された選挙はなかったのではないか。

中には、移民排他主義と言うポピュリズムの典型を謳う政党までいた。

 

昔から「平和」を主張の真ん中に置いてきた「社会党」、

つまり今の「社民党」は、昔は野党の圧倒的な第一党だったのに、

今回の参院選ではわずか一議席を比例で取っただけ。

まさに今回の選挙は、ポピュリズムの圧勝の選挙であったように思えた。

 

 

Wikipediaにて、ポピュリズムとは:

――――――――――――――――――――――――――――――――――

ポピュリズム(英: populism)は、政治変革を目指す勢力が、既成の権力構造やエリート層を批判し、人民に訴えてその主張の実現を目指す運動である。

日本では、「固定的な支持基盤を超え、幅広く国民に直接訴える政治スタイル」という意味で使用されることが多い。対義語はリアリズム、エリート主義など。

 

有権者に政治への参加を促したり、政治の大きな変動をもたらすこともあり、民主主義にとって有益な一面もある。一方で、大衆の利益を安易に追求することで社会的弱者の人権が侵されたり、社会的分断を招く危険もある。

 

アメリカでは概ね肯定的に使われる一方、日本やヨーロッパなど大半の国では否定的な意味で用いられることが多い

 

また、同様の思想を持つ人物や集団をポピュリスト(英: populist)と呼ぶ

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

元々、アメリカではポピュリズムは良しとされ、

欧州や日本などではその逆であったが、

アメリカにおいて露骨な迄にポピュリズムを標榜したトランプが、

大統領選に勝ったので、そうなったのか。

 

今は、利己を主張する事が、

正直で良いとされるということなのだろうか。

昔からの倫理感として、

たとえば仏教では、

(他)人を思いやる気持ち、慈悲を良しとし、

自らの利得をあさる利己を、餓鬼としてさげすんで来た。

それは仏教に限らず、キリスト教でも、他の宗教でも、

(私は宗教については全く知らないが)

多かれ少なかれ同じなのではないか。

 

利己主義をさげすみ、

他を思いやる気持ち、利他を良しとする。なんて、表向きで、

誰でも、

みんな、自分が一番大事で、

自分が得する事を行動するのが正直な行動、

正直なのが良い事だ。ということか。

 

SNSの普及があって、

自分の本音をそのまま簡単に表現出来、

その言葉が相手を傷つけることがあっても(むしろ傷つける為に?)

匿名性が、その発言に対する直接的な責任を持つ必要もないので、

自我を丸出しにした言葉を吐くことに抵抗が無くなっている。

多くの人それぞれが、

自分勝手であることが許される。

或いは、人が自分に制約を掛けることなく、

そのままの自分に正直であることが許される時代なのか。

 

 

これをビジネスに置き換えると、色々なことが言えるのではないか。

 

ビジネスにおいてお客様は、どんどん正直になって、

どんどん素直になって、いろんな軋轢とか、雑音に囚われず、

素直に、自分が欲しいものを買うようになっているという事でしょうか。

それは自分の目で見て、

本当にいいと感じた自分の目を信じ、

自分が信じられると思った情報を参考にして、

自分の本当に欲しいもの、本物を買おうとするのは、

KeePerにとっては大歓迎で、

だからこそ、KeePerがここまで多く使われるようになっているとも言える。

 

しかし、

もう一つの面があって、

このサービスを提供する側に立って考える必要がある。

KeePerというサービスを提供する側、つまり店舗側、スタッフからすると

仕事というものが単なる労苦であってネガティブな存在だとしたら、

報酬が十分ならば、

仕事は少なければ少ないほどいい。

さらに言えば、寒くなく、暑くなく、重くなく、楽チンであればあるほどいい。

 

しかし、

こちら側の都合を優先する自由が、誰にもあったとしても

しかし、

仕事というものは、

他の人の為になることをして、

その人から報酬をいただくことなので、

その仕事が物ならば、

他の人がその物を買ってくれることによって、その物を作った人、売った人は、

その物の代金として報酬を得る。

 

その物の価値が代金を上回れば、その商品をまた買う。

その商品がサービスならば、

お客様がそのサービスを受けて、そのサービスの価値に対する代金を支払う。

その代金がそのサービスの価値に対し高過ぎれば、

そのサービスをもう受けない。

 

その仕事をした人が、

寒くなく、暑くなく、重くなく、楽チンであればあるほどいいとしても、

その上で、

その代金がそのサービスの価値に対し高過ぎれば、

そのサービスをもう受けない。

あるいは、

代金が他と比べて高くなくても、

そのサービスの質が低かったり、サービスを受けるのに感じが悪かったり、

欲しい時に、その相手が忙しいからと断られたら、

そのサービスをまた受ける事は無いだろう。

そのサービスを受けるかどうか、

それを買うかどうかは、

買う側の都合と気持ちだけで決まる。

買うか買わないかの決定権は100%買う側にあって、

提供する側の都合は全く反映しない。

提供する側の寒くなく、暑くなく、重くなく、楽チンは全く関係ない。

 

だから、サービスを提供する側に

寒くなく、暑くなく、重くなく、楽チンを主張する自由はあっても、

そのサービスを受けるかどうかの自由は、

買い手の方に100%あるので、

買い手が買われなければ、

提供する側はいかに寒くなく、暑くなく、重くなく、楽チンであっても、

仕事そのものが無いので、

単に寒くなく、暑くなく、重くなく、楽チンなだけで、

目的である報酬を得られる事は無い。

逆に言えば、

報酬もなく、単に寒くなく、暑くなく、重くなく、楽チンなだけとなる。

 

仕事においては、

働く側の寒くなく、暑くなく、重くなく、楽チンは、買う側に関係ない。

だから、

働く者として寒くなく、暑くなく、重くなく、楽チンを主張する事は出来るが、

買う側が、買うか買わないかの決定権の全てを持っているので、

寒くなく、暑くなく、重くなく、楽チンをするかどうかは、

提供する側には、実質的にその自由はない。。残念ながら

 

たまたま目の前にあった「ひまわり」。・・・本文とは全く関係ない。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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