谷 好通コラム

2025年08月17日(日曜日)

08.17. なぜこうなっていて、これからどうなっていくのか。

KeePer技研㈱の愛知県大府市の本社に来られると分かりますが、

どの会社に行ってもあるような

「社是」「標語」とか「今年の目標」、

あるいは目標達成を目指したグラフなどが、全くありません。

その事を誰も不思議と思っていないのが、

また不思議な所なのですが、

本当に誰も不思議だと思っていないのです。

逆に、なんで今更そんな事を言うのかと不思議がられます。

 

何か物事を成す為には、

「全員が明確な”目標”を持つ事が、肝心なのだ。」と言います。

この言葉に私も何の異論もありませんし、その通りだと思います。

他の皆もそうでしょう。

この会社にも各販売部署には「予算」が設定されています。

 

その予算の数字に届くと予算達成の報奨金が出ますし、

部署ごと或いは合同での「達成会」という食事会(飲む人は飲み会)があります。

ただ、達成しないと「残念会」という達成会より金額が低い会があるので、

どっちみち食事会(飲み会)はあるのですが、

皆それぞれ、それなりに予算達成に対する意識は持っています。

それどころか、それなりに、何ていうと怒られてしまうかもしれません。

「予算」は会社に対する「約束」なので、

みんなキチンと意識しています。

 

でも、

それより、

みんなの話題は・

「さっきの・・・さん、よろこんどった?」

「さっきの○○のお客さん、ビックリしとっただろう」

(ちょっと名古屋弁っぽいか)

とか、

お客様の話題が、つい出ています。

現場ではなおさらそうで、

ふと気が付くと、お客様の事ばかり喋っています。

大阪のスタッフルームには、

亡くなった山戸さんが残していった

「お客様は、喜んでいますか?」の紙が貼ってあります。

 

何がどけだけ売れるかは、

こちらが何を売りたいか、どれだけ売りきって行くのかは関係なく

お客様が何をどれだけ買うのかで決まる。

お客様は自分の為に買うので、

「何を買ったら自分(お客様)は一番満足できるのか」を、

私達は一緒に探す。

お客様は、私達が「自分の為に真剣に考え、選んでくれている」と思えば、

意外にもお客様は、私達が考えるより高い買い物(選択)されます。

お客様が、私達が提供しているサービスの価値を、

信頼してくれていればいるほどそうです。

だから、

こちらが「何を売るか」よりも、

お客様が「何を買ったら自分が満足するか。コスパ的にも。」で、決まります。

お客様は自分の為に買うのですから

こちらが、売る側として「何をどう売るか」より、

お客様の事を気にした方が、結果的によく売れると思うのです。

 

だから、

BtoCのKeePer LABOならば、

単純にお客様を軸にして物事を組み上げていればいい。

確かなKeePer等サービス商品の品質を確実に提供していく事が第一で、

店舗保持、接客、受注を、お客様の目線に沿ったものにする。

そしてスタッフは、お客様がどうだったのかを考えていればいい。

いずれにしても

「お客様は、自分の為に買う」が前提で、

売上実績とは、お客様がどれだけ買ったかの「結果」でしかありません。

これがサービス業の特徴です。

 

工場で造った製品を、流通という意味で売るビジネス物販業は、

その商品としての付加価値は一定で決まっており、

誰が、どのように売るのか、いくらで売るのかで売り上げが決まる。

だから、

「売り勝った」「売り負けた」という言葉が成立します。

 

物販では頑張って「売る」が、勝負で、

サービス業では、お客様が「買う」かどうか、で勝負が決まります。

 

「物販業」では、

製品が同じなら安いほど売れるので値引きが重要な要素です。

そして販売員はコストなので、極端に言えば、

いなくても済むのならゼロ=いない方がいい。

 

「サービス業」では、

お客様が受けるサービスの質と種類が、自分にどうなのかが購買の決定要素。

だから、むしろ値段ではなく、

そのサービスを提供する”人”が、大きな決定要素になります。

 

サービス業における”人”は、

そのサービスの付加価値を造り出すのだから、

人であるそのスタッフが、

確かな技術を持っている事は最低限必要だが、

そのスタッフが、そのお客様の車をキレイにしたい、

しかも、そのお客様の気に入ったキレイを作って、提供し、そして喜ばせたい。

そう思ってキレイにすると、本当にお客様が喜ぶキレイさが出来る。

喜んだお客様は、また買うし、

その喜びをみんなに言う事によって、結果的に、最高の宣伝になる。

 

しかし、その人が、

いくら技術的に確かな腕を持っていても、

その会社、上司からの指示で、あるいは命令でやらされるのならば、

そのスタッフはやらされ仕事をすることになる。

ならば、やらされるべき作業、決まった作業をやればいい訳なので、

そのお客様が喜ぼうとガッカリしようと関係ない。

スタッフはやらされた事をやっただけなので、お客様がどう思おうと関係ない。

その作業をやらせた会社と上司のせいになる。

その結果、お客様は喜ばなかったら、

そのお客様はもう来ないし、もうそこでは買わない。

更にその不満をみんなに言う事によって、結果的に、下手すると致命傷になる。

 

 

サービス業においては、

”人”は、上からの”やらせる”命令で、仕事を”やらされては”ダメなんです。

 

サービス業のおける”人”は、

“自分の意志”で「この車をキレイにしたい。」「このお客様を喜ばせたい」と、

自分でそう思って、お客様と話をして、作業をすると、いい結果になります。

喜んだお客様は、また買うし、

その喜びをみんなに言う事によって、結果的に、最高の宣伝にもなります。

 

 

こう書いていくと如何にも「きれいごと」を書いているようですが、

本当にそうなんだから仕方ないのです。

 

人は、上からの権限で「やらせる。」より、

「やりたい」と自分が思った時の方が百倍稼ぎます。

 

みんなが、「やりたい」と思ってやったら、こうなったということで、

この会社のかじ取りをした人間の能力が高かった訳でもなんでもなく。

上の役職の人間なんで偉い訳でもなく、立派な訳でも、

人としての価値が高い訳でも、優秀な訳でもなく、

それぞれが、

それそれの役割を果たしてただけで

それも含めてみんなが、

それぞれが、

自分の意志で、「やりたい」と思っていい仕事をしたから、

こうなったということです。

 

それは、KeePer PRO SHOPの仲間達も含めて、

みんながこの仕事を「お客様が喜んでくれるので、嬉しい。」と、

それぞれ、自分の意志で、

「やりたい」と思っていい仕事をしたから、

こうなったということだと思うのです。

 

だから、

 

これからどうなって行くのか、

 

皆が、自分の意志で、自分を動かす”強み”

このままの価値観で行こうと、この間、決めました。

 

ページのトップへ ページのトップへ

  • 最近の記事

  • プロフィール

    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

  • カレンダー

    2025年8月
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    31  
  • リンク集

  • 過去の記事

  • RSS1.0

    [Login]

    (C) KeePer Giken. All rights reserved.