谷 好通コラム

2025年11月09日(日曜日)

11.09.今年最後のKYOJOとIPS。富士スピードウェーにて。

今朝、本社を出発して新東名で約3時間。

富士スピードウェーには、

スーパーGTなどの日本最高峰のレースとは比べようもないが、

それでも、パドック裏とかコースに密着した直近の駐車場は

去年までのようにガランとはしていず、そこそこ混んでいるのです。

明らかに、けた違いの人数の観客が入っています。

 

今日は、今年最後の

KYOJO(競争女子)とIPS(インタープロトスポーツ)の決戦の日です。

 

モータースポーツは、

私が小学生の頃「日本クランプり」が開催されて、

日本の自動車メーカーが技術を競い合う場として、

テレビが競って放映する程、大変な盛り上がり方でした。

トヨタと日産が主役で、マツダ、いすず、三菱などが続き。

(ホンダは独りF1で活躍していた。)

それぞれに、

ワークスドライバー(カーメーカーに直接所属しているドライバー)がいて、

モータースポーツ界のスターであった。

そこに、プライベーターとして、

当時の富豪の酒井正、滝進太郎自身と彼が契約した大スター生沢徹。

ポルシェ、デイトナコブラ、ローラなどで出ていた。

 

日本のモータースポーツの第一黄金期で、

ワークスドライバー中心にみんな大スター(第一世代)だった。

※その一人、高橋国光がチームクニミツを率いていて、

最近までチームオーナーとして現役だったが、つい先日、亡くなった。

 

 

それから私は学生時代・サラリーマン時代と

モータースポーツとは無縁になった。

 

その頃にモータースポーツの第二の黄金期があって、

トムスの舘会長とか、インパルの星野監督、中島悟(一貴の父)、関谷正徳、

など、大スターがいっぱいいたが、この頃になると、

モータースポーツは、

カーメーカーの宣伝活動の一環と言うより個人技の面も強くなっていた。

 

 

その一人「関谷正徳」は、日本人で最初にル・マン24Hに優勝した。

乗った車はマクラーレンF1という外国の耐久レーース車。

しかし、関谷正徳氏はトヨタ車に多く乗り、

トヨタに関係の深いチームトムスの監督を長く務めた。

 

その関谷正徳は、

モータースポーツを、

カーメーカーが競い合う競技ではなく、

ドライバーという「人間が競い合うスポーツ」でありたいと考えていて、

イコールコンディションで、

純粋にスポーツとして人(ドライバー)が競うレースとして、

IPS(インタープロトスポーツ)を主宰した。

頑丈なランクルのエンジン (オーバーホールがほとんど要らない) を、

最新の超軽量カーボンファイバーボディのミッドシップに載せ、

ランニングコストのかからないレースカーとして、

しかも、ABSとか最新の装備を外して、

ドライバーの技術がまともに出るような

高性能かつアナログなレースカーを、スポンサーを募り多数台数造って、

(私は本当にこの車に、少しの間、練習で乗っていたことがある)

現役の日本のトップレーサーたちに与え、

IPS(インタープロトスポーツ)というレースを主催し、走らせた。

このレースは、ほぼイコールコンディションの車で

ドライバーの生の力が丸出しで出るので、

血走ったドライバー、自信のあるドライバーの多くが出たがる。

 

しかし、このレースは、

賞金は(多くは無いが)出るが、フィーはほぼ出ない。

それにカーメーカーはこれに出る事を推奨はしていない(無視)ので、

関谷氏の人徳で集めたレーサーが出ているに過ぎない。

しかしそれでも、多くのトップレーサーが出場していて、

そのレースは、本気で、闘志むき出しで、

めちゃくちゃ面白い。

 

このレースはもう10年くらいやっていて、

出場ドライバーはずいぶん変わったが、(過去、平川亮も出ていた)

相変わらず闘志むき出しのデッドヒート連続のレースで、面白い。

しかし、カーメーカーのバックアップがある訳でもないので、

しかも、IPSはカーメーカーの黙認でドライバーが出ているレースなので

テレビなどで中継される訳でもなく、

このレースを知っている人は驚くほど少なく、

だから、観客も少ない。

 

このIPSレースの同日に共催しているのがKYOJO(競争女子)と言って、

女性のドライバーたちだけが、

同じ車種の車に乗って(イコールコンディションで)競うレース。

考え方はIPSと同じで、

モーターレースは、まともに体力に関わるスポーツで

他のスポーツのように男女の差はどうしてもあるので、

女性専門のレースが必要だ。ということで、IPSと共催している。

 

 

そのKYOJO(競争女子)を、

KeePerが単独提供している地上波テレビ番組の

「RACING LABO SUPERGT+ KYOJO」に取り上げて多くの露出し、

観客が、ものすごく増えたらしい。

その増えた観客が、

たぶん、日本で一番エキサイティングで面白い「IPS」を生で見て、

盛り上がってくれたらなぁ。と、思うのです。

 

 

もちろん、KYOJOのファンにもなってもらいたいと思うし、

番組の視聴率も上がればいいと思うし、

でも、

日本で一番面白いモータースポーツが、

実は、IPSにあるという事をみんなが知ると良いと思うのです。

 

余計な事ですが、

本当に、8年前、私はこのIPSで走っていたことがあるのです。

しかも、ストレートエンドの1コーナーで前で、

激しいブレーキングの末、後輪がロックして派手なスピンをした事があります。

これは私の恥でもありますが、秘かな自慢でもあります。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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