2003年12月08日(月曜日)
849話 Mr.神垣の気炎
広島から在来線に乗って約50分
軍港で有名な「呉市」、その呉駅の2つとなりにある広駅で降りた
?神垣石油さんの社長、神垣和典氏に会いに行ったのだ
神垣さんはご自分のホームページをお持ちで
ご自分のスタンドの名前「ステーション21」をそのままHPの名前にしている
http://www.kure-city.net/st31/
彼はこのHPを通じて、全国のスタンドの経営者、あるいは業界関係者と
幅広い人間関係を作り上げている
ときたま、快洗隊のことも取り上げていただき
それも成績のいいときに取り上げていただくので、恐縮している
彼のスタンドは、呉市の中心街に近く国道21号線に面している
この街の中での一等地に近い
200坪程度であろうか
決して広くはないスタンドだが
非常に優秀な経営で
ガソリンスタンド最高の栄誉「エネルギー庁長官賞」を取ったことがある
しかし、神垣さんはそんなことは、一向に気にしていない
神垣和典氏
一言で言えば、反骨の人であり、実現力のカタマリのような人である
?神垣石油の別会社で
?日本検定サービスという会社があって
これは、計量器の定期「検定」を行っている会社
計量器は、定期的(たしか5年ごと)に、検定を受けなければならない
法律で決められたキチンとした検定である
従来この計量器の検定は、計量器メーカーが独占していた
私も長い間ガソリンスタンドの勤めていたし、経営をしていたので知っているが
この検定はとんでもなく高い費用がかかった
1台、数万円 場合によっては十数万円
チョコチョコと点検作業をして、軽量チェックをして
何故こんなにバカ高い費用を請求されねばならないのか
不思議でしょうがなかったが
いずれにしても、検定をやってくれるところが計量器メーカーしかない
それに、5年で1度だけの事でもあったので
不満を感じながらも、メーカーに頼んでいた
神垣さんも、きっと、その理不尽な検定に腹を据えかねていたのだろう
何とかこの検定の資格を自分で取れないだろうか
そう考えた神垣さんは
法律を勉強し
旧・通産省の役所に何度となく通って、交渉して、通って、通って
その熱心さに役所の人までが応援してくれて
苦労の末、とうとう検定の資格を取ってしまったのだ
計量器メーカー以外では、日本で始めてのことらしい
決してあきらめたりしない人だ
このことだけで、この人の反骨精神、実現力をうかがい知ることが出来る
今では、年間700基以上の全国の計量器の検定を行い
この検定の資格がものを言うタンクローリー(計量器付き)のリサイクル事業も始め
年間30~40台の中古タンクローリー(計量器なしの車を含め)の売買を
仲介していると言う
(当然、故買商の免許も持っている)
リサイクルと言うことで、中古洗車機の仲介もかなりやっていると言う
しかも、売買の相手はインターネットの人間関係の中と
そこから発生した口コミでのネットワーク
そして、若干の新聞広告
これで、立派な事業に仕立て上げてしまった
もちろん本業である「St.21」のガソリンスタンドの経営の合間に
作り上げたことで
まさに、驚嘆の一語である
ここまでは、自分の商売に関連して事業の隙間を見つけ
それを事業化したということで素晴らしいことであるが
神垣さんの場合は、このあとがもっとすごい
その検定資格を、多数のスタンドを経営している会社に対して
「教えて」、資格を取らせてしまっているところ
全国的に有名で大きなガソリンスタンドは、軒並み神垣さんの弟子だ
もちろん有料で指南したものらしいが
それにしても、教えずに、検定を計量器メーカーより安くやって
検定を独占した方が
よっぽど儲かったに違いない
しかし、それでは
何年か前に自分が戦った計量器メーカーと、自分は同じことになる
神垣さんはみんなに教えた
そして、検定の弟子が全国にいる
そのことで多くの会社と縁が出来た
それで良いようである
計量器メーカーとの戦いに勝ったことになるのだろうし
利益を独り占めすることは、自分の流儀に反することであり
彼はしなかった
そのかわり
多くの会社と人に“縁”が出来た
事業も、多くの人脈の中で順調に伸びている
それで良いようである
そんな神垣和典氏の本業、ガソリンスタンド経営は
さすがにすごいものがある
まず、「ガソリンスタンドは燃料で利益の半分を稼がなくてはならない」
この話から行こう
しかし
ただいま、広島からの新幹線、ここでバッテリーが無くなった
この続きは、また明日(あるいは、あさって?)
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