2004年09月02日(木曜日)
中根大・上海快洗隊レポート
朝一番のメールチェックをしたら、
先日オープンした上海の車聖快洗隊の立ち上げを担当した
中根大(現・安城店Mg)から、レポートが届いていました。
先日一緒に上海に行った時、
「せっかくいい経験をしたのだから、ぜひ文章にしておきなさい。ためになるよ。」
と話しておいたら、今日、それを受け取ったわけです。
私はこれを朝飯を食べながら読んだのですが、
途中で涙が出てきてしまいました。
このレポートの中には、私達の原点があります。
車聖快洗隊研修レポート
はじめは日本と同じ、声出しから研修です。
この場で、日ごろ慣れない言葉遣いに慣れ、大きな声を出すことに慣れ、又、何より研修を受けるという気持ちを作っていきます。
「大きな声で元気良く」なんて事は日本では当たり前のように見かけますが、上海では非日常のことです。全員が戸惑い、恥ずかしがり、声が出ません。
一人、又一人と声が出る様になって行くうちに全員の声が揃って出るようになりました。
日本の快洗隊と同じ店を上海に誕生させるわけです。研修内容も日本でのそれと同じ」に進めていきました。
実技の研修は、室内清掃、超撥水コート洗車、キーパーコーティングと進んでいきます。
想像していたよりも言葉の壁があり、僕の考えの甘さを痛感しました。
今ではかなり難しい言葉も通訳できる“崔”さんも、このときは久しぶりに触れる日本語です。通訳としての立場を忘れ、研修生と一緒になり、李さんの通訳に「ウンウン」と頷いている事の方が多い位です。
説明は、社長を真似る様な形で、李さんに訳してもらう他に漢字とアルファベット、そして絵混じりの文章(メモ?)で進めていく形になりました。これが一番解り易いようで、一日の研修が終わると「そのメモを下さい」と、僕のノートを千切って持っていき、皆で書き写しているようでした。「なぜ?」と、質問してくることも多く、彼等の知識に対しての貪欲さが研修をスムースに進めることができた要因の一つでもあると思います。
特に研修がアラカルトの作業に入っていくと、その効果に驚きを隠せないようで、その事がさらに知識に対する欲求を掻き立てたようです。
みな絶えずノートとペン、マニュアルを持ち歩いており、僕の説明を事細かくメモおり、一度説明した事柄を二度説明しなくても良いのは助かりました。
ここで僕は一時帰国(3日間)です。
気温は40度に迫る現場での研修です。しっかり休んでおけと伝えておいたのですが、僕のいない3日間のうち2日は練習に明け暮れていたようです。(任さんも一緒になって!)
ここからは、2週間に及ぶ長丁場の研修です。研修の進行状況と、研修生の体調に気を配りながら進める必要がありました。
上海に到着後、早速第1クールの仕上がり具合を確認します。
すると、全員が手洗い洗車を17分台で仕上げるレベルです。第1クールの内容は大丈夫な様でした。
第2クールの前半は実践です。
頼さんの協力を得てお客様の車を触らせてもらい、技術を実践で役立つものに昇華して行きます。また、洗い残し、拭き残し、時間管理、挨拶、接客・・・お客様の満足には色々な要素がバランス良く必要だと伝えました。理解は難しいと思っていたのですが、「お客さんの笑顔は、嬉しい」と、頑張りを見せ、頼さんのお店のスタッフと一緒になって走り回っていました。
もともと、鮑(店長)を中心にまとまりはあったのですが、この頃から、チームとして機能するようになり、役割も分担していきました。
車聖快洗隊の店舗の準備が遅れ、実践の時間を長く取ったことは結果として、基礎の安定、チームの結束力を生み、プラスであったと思います。
場所を車聖快洗隊に移してからは、ポリッシャーを使っての磨きの研修です。
全員、初めての道具(ポリッシャー)で、不慣れな手つきで車を磨きます。もうチームワークは出来上がっていますので、皆で指摘し合い練習に励んでいました。磨きはセンスの有無が分かれる分野です。が、鮑の指示で上手なメンバーが、下手なメンバーに着いて教えるといった形をとった為、基本は全員が飲み込めたようです。
商品として、お客様の車を触れる日も遠くないといった手ごたえでした。
ハードシールド、アクアキーパー迄すべての作業の研修を終え、接客の練習です。
この段階で、仮オープンの日が迫っており全員の緊張も増しています。
接客は全て、北京語、丁寧語で行います。これが、思いの外難しかったようでした。
ロールプレイング形式で接客のテストを行うと、皆、言葉に詰まります。日ごろ慣れ無い北京語に悪戦苦闘です。結局、接客を全員ができるようになるのに1日を必要としました。
又、このロールプレイング時にわかったことがあります。
車の移動の問題です。
免許所持者が鮑、曹、兪、高。内、運転が上手なのは、鮑、曹だけ。これでは、繁忙期、ローテーションともに支障をきたします。
又、途中からの参加メンバーもいます。
そこで、鮑と相談の上、教育に当たるメンバー、練習をするメンバー、店舗の準備に当たるメンバー、そして、運転の練習をするメンバー(兪、高)に分けました。
頼さんのお店からのメンバーは、鮑(店長)、包、羅、兪、高、曹(20歳)、曹(23歳)。
後からの合流は、張(副店長)、孔、蒙。
これに並行して、酒部部長から、鮑と張に、店舗、人、教育、売り上げの管理の研修もありました。この部分だけは、店長の経験が無い僕には指導することができず、酒部部長の力を借りる形になりました。
途中参加の張(副店長)、孔、蒙の研修が終わる前に帰国の日が来てしまったことが残念でした。が、再度上海を訪れると、この3人は見違えるような動きに変わっており、その日に行ったタイムトライアルで、3人とも合格!
聞けば、羅が凄く厳しい特訓をしたようで、羅も、この3人もずっと休みなしです。
ここで全員が肩を並べることができました。
次の日が仮オープンなので、ぎりぎり間に合わせることができました。
仮オープンといっても、ほとんど告知を行っていない為来店は小数になります。
来店客は、日本人を見物に来る人、快洗隊の設備を見に来る人、車聖クラブのメンバー、通りがかり、といった感じです。
中でも、設備を見に来る方が多く、パイロットショップとしての役割は、この店にとって重要なのだと、再認識させられます。設備を見に来る方の多くは、「この機械(Jr.)はいくらだ?」「この機械を買うと、ここと同じ教育は受けられるのか?」と同じ質問をします。
また、ご来店いただくお客様のほとんどが「ありがとう」といって帰られます。手直しの機会がほとんど在りません。日本の快洗隊と同じニーズが上海にも存在していたのかもしれません。
値段についても、6・7割の方が安いといわれています。中には値段表を見ただけで、「高い」と言って帰られる方も見えますが。日本の快洗隊も100%のニーズをフォローしている訳ではないことを考えれば、気にしないほうが良いかもしれません。
オープンセレモニー前に上海入りしてみると、驚いた事にマニュアルが少し変わっていました。洗い流し時にしゃがんで下の方までしっかり流しているのです。皆で相談して、「この方が綺麗になるから」と、変更したそうです。
スタッフのモチベーションは日本の私たちと同じです。
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