2005年11月17日(木曜日)
1287.逢魔が時の独り言
事業は一時なりともジッとしていることはない。
事業自体が常に動いており、事業を取り巻く状況も常に動いている。
だから、一番難しいのが、
事業の規模と質を変えずに少しずつ進むことで、
それはオートバイを微速でバランスを取りながらゆっくり進める事に似ている。
思い切ってフルスロットルで走ったほうが車体が安定して楽なのだ。
事業の中のあらゆる行動を拡大のベクトルに合わせ、
企業規模の拡大と充実の路線にまっしぐらにしたほうが、
経営幹部及びスタッフのすべての行動指針がはっきりとして明確になる。
「会社をデカクするぞ。」
「会社を一流にするぞ。」
「社会にとって有益であり、万人から認められる会社にするぞ。」
それは会社の構成要員のほぼすべての利益に一致し、
明確な目標とすることが出来る。
そういう意味では、我が社はその典型かもしれない。
リーダーである私自身が、
リードが一番楽な『拡大充実一辺倒』の路線をとっているからだ。
(自己批判的な意味を含めて)
しかし、
自分の事業がやっていることが、
社会の役に立つことであり、
それを進めることがみんなの幸せに繋がると確信しているから、
それでいいと思っている。
その拡大も、自身の事業のための拡大という次元ではなく、
社会においてナンバーワンであり、
オンリーワンであるところの
洗車といえば快洗隊、コーティングといえばKeePreが代名詞になるという次元で、
拡大し充実したい強く思っている。
そのためには絶対的なスピードが必要となってくる。
その事業が価値あることであり、多くの人に支持されるものであることが分かり、
結果として利益を生むものであることがはっきりしてくると、
必ず競争相手が現れてくるからだ。
その競争相手に、事業拡大のスピードで負けることでもあれば、
もちろんナンバーワンになることは出来ず、
その競争相手が代名詞となり、
洗車といえば快洗隊というような代名詞にもならないし、
ある時点では、自分自身が二番煎じと成り下がり、
「“洗車と言えば○○○”と同じようなことをやっている快洗隊」となる。
あらゆる場面で快洗隊とは○○○の真似事であり、
オンリーワンどころか、タダのニセ物となってしまう。
「どちらが最初に始めたことなのか」なんてことは関係ない。
「どちらが先に社会的に認められる規模の存在になったか」が決定要素なのだ。
○○○のコピーである快洗隊、KeePreと、社会的に認知されてしまったら、
事業の拡大充実どころか、
衰退の道を歩むようになる可能性も高い。
ナンバーワン=代名詞=オンリーワンになって、その業界をリードするか、
二番煎じになって衰退するか、
ある高いレベルにおいては、勝つか負けるかのどちらかとなる。
だから、社会的なレベルで見た事業の拡大とは、
そのスピードが大きな決定要素となる。
しかし、そのスピードにも限界がある。
事業拡大にともなう資金の調達能力も大きな問題ではあるが、
これは二次的な問題だ。
この会社を、社会がその事業のナンバー1と認めれば、
広くマーケットの中から資金を調達することが出来る。
株式の公開、上場も一つの手段であるし、
あらゆる資金調達マーケットが、ナンバーワン、オンリーワンを応援するものだ。
一番の問題は、人である。
「企業は人なり」と言葉どおり、
事業をナンバーワンのスピードで拡大充実させることが出来るかどうかは、
“人”の拡大充実スピードにかかってくる。
事業を進めるための“人”が停滞することが一番の問題となるのだ。
“機械”は、部分的に人よりも大きな力を持っているが、
その能力は、その機械を使う“人”の能力によって初めて発揮されるのであって、
その機械そのものに力があるわけではない。
“人”は、機械と違って、その中に限りない能力を持っていて、
その能力を引き出すことが出来れば、
機械など問題にならない高い能力を発揮することができる。
問題は、機械はボタンを操作すれば操作どおりに動き、
人が正しく操作すれば、最大の力を発揮することになるが、
“人”は、面倒な事に、
自らがその気にならなければ、
力を持っていてもそれを発揮する事はないところにある。
人の心は解らない。
人が物事を理解する時、
その人の価値観と好き嫌いという感情がかなり介入する。
1+1=2
機械は、故障でもしていない限り、1+1の答えは絶対に2になるのだが、
人の場合は、必ずしもそうではないのだ。
1と1を足すと2になることが、その人の心の中で嫌いだと、
1に1が足されると2になることをいくら説明しても、
その人にはどうしても理解できないということもある。
人間の脳は1+1=2と答えを出しても、感情がそれをどうしても否定する。
そんなこともあるのだ。
人の心は、無限の力を発揮するエネルギー源になることもあれば、
理不尽なくらいにかたくなな部分ある。
そのかたくなさが人の動きを停滞させることもあって、
スピードを上げなければもう時間がないことなど関係なしに、
かたくなに停滞し、頑として動かない。
そんなこともある。
それをほぐすのが経営者の力量であることは解っていても、
それに要するエネルギーがあまりにも大きく、
焦る気持ちで、その方向に力が出ないこともある。
体中と気力に限界を感じる時だ。
しかし、
体力気力その両方に限界をヒシヒシと感じる時もあるものだ。
誰だって生身の人間なのだから、
しょうがない。
それでも時間は流れ、敵はそんな時にも着々と進んでいく。
そんな焦りを感じる時もあるものだ。
でも、絶対にあきらめない。
今までだってそうであったように、絶対にあきらめない。
絶対に負けないのだ。
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