谷 好通コラム

2007年01月28日(日曜日)

1562.少な過ぎくらいが

一人で出来る仕事、一人でやるべき仕事を、
二人でやると、
一人でやった時よりも、
半分の時間で出来たり、二倍の品質が期待できるかと言うと、
そうではない。
一人でやった時よりも、むしろ余計に時間がかかり、
出来上がりも良くないことがほとんどだ。

 

一人で出来る事を、二人でやると、
お互いがお互いを頼って、自分の力を出そうとしないし、
肝心なことは、お互いに相手がやることを期待するからだ。

 

一人で出来る事を、二人でやると、
二倍以上の人件費がかかるだけでなく、
二倍以上の経費がかかり、二倍以上の時間がかかり、
半分以下の仕事量と半分の質しか期待できない。

 

しかも、出来上がりが良くないことを責められると、
二人ともお互いが自分のセイではないと相手に責任を押し付けようとする。
あるいは、自らの責任を口先では認めながらも、
気持ちの中では、自分のセイではないと思っている。
だから、出来上がりが良くない仕事をしてしまった経験が学習に結びつかず、
いつまで経っても、二人とも成長できない。

 

一人でやった者は、自らの責任ですべてやったのだから、
その仕事に不具合があったとしたら、自分に原因があることは当然なので、
「何故、こうなったのだろう?自分の何が悪かったのだろうか?」
と反省することが出来、学習する事になって、
一つの仕事をするたびに成長することが出来る。

 

そして、
一人で出来る事を二人でやると、
その仕事を二人でないと出来ないと思い込み、
一人ではやらなくなってしまう。
すると、一人でやる人にあらゆる面で負けることになって、
ほとんどの場合、去って行く事になる。
その原因が、一人でやれる仕事を二人でやっていた事であると気がつかないまま。

 

オーバーに言っているようだが、
意外とそうでない。
これは何にでも言えることで、

 

「一人でやりぁあイイ事を、
ラクしようと思って、二人でやる奴は、
大抵、役に立たない奴であって、
どこかで強烈に反省しないと、どんどんダメになって、負けていく。」

 

これは、一つの公式であり、
誰もが陥りやすい仕事上の罠(トラップ)でもある。

 

反対に言えば、
職場の上司が、変な勘違いで
一人でやらせるべき仕事を、
二人の人間にやらせるようになると、
本人たちにそのつもりがなくても、同じようなトラップに陥ってしまうこともある。

 

仕事量に対して人が多過ぎる職場には、
不必要な余計な仕事が新たに作られ、
無意識のうちに実質的な時間潰しが行なわれる。
不公平がはびこり、沈うつな空気となっていて、決して活性化されることなく、
適切な人員の職場よりはるかに効率が低い。

 

私が尊敬しているある会社の社長の言葉の一説に
「5.健康な組織は人手不足の組織だ。文句をいう暇も無いくらいに多忙にせよ。」
これまた厳しい言葉だとは思うが、
その通りだとも思う。
私は、昔から、
「人が多過ぎる店は、必ず腐る。」と言って来た。
人が少なすぎて、深刻な支障が出るようでは困るが、
多過ぎる時のトラップより、少な過ぎる時の方が取り返しのつく場合が多いようだ。

 

収益効率は、適正な人員の配置が不可欠である。
人が少ない時に、忙しくって大変であった事に恐怖を持って、
一番の繁忙時の仕事量に人数を合わせれば、すぐさま人員過剰となり、
あっという間に店が腐り、仕事が落ちる。

 

仕事においての選択をする場合、
「何をすべきなのか、どうやって行くべきなのか、」を考えるより先に、
「どうやるのが自分にとってラクか。」を考えてしまう怠け者が、
仕事を簡単に腐らせるのと同じように、
単純に人が多過ぎるだけでも、
一人の怠け者が仕事をダメにしてしまうだけの効果がある。

 

人手不足感を感じるくらいがちょうどいい。
多過ぎるよりもはるかに良い。

 

 

我々快洗隊の仲間、
名古屋にある長屋商店さんの大鳥居SS(快洗隊・大鳥居店)が、
ガソリンスタンド業界最高の栄誉である「エネルギー庁長官賞」の
メンテナンス部門の賞を受賞した。
大変うれしいことであり、快洗隊も少しは貢献したのではないかと誇りに感じる。
狭い面積のセルフSSで、
非常に高い効率経営をされている。

 

 

この店では、洗車が忙しくなると
洗車機を止めてしまって、その機械の前で手洗い洗車とかKeePreをする。
高効率作業を優先すると言うことか
面白い発想である。

 

 

去年のエネ庁長官賞も、
我々の技術と製品を全面的に取り入れ、
成功していただいている静岡の遠鉄石油さん浜北SSさんが受賞している。
ありがたい話である。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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