谷 好通コラム

2008年07月16日(水曜日)

1970.内職で書いた少々の嘘

先ほど、11回の研修会がすべて終わったと書いた。
あれは嘘である。
本当は「あと30分で終わる。」であった。

 

何を隠そう、あれは
内職をして書いたものなのだ。
今回の研修会とセミナーでは、
午前中のセミナーの部分を私が担当し、
午後からの塗装と研磨の講義、研磨とコーティングの実技を、一座の田中技術部長の担当。
その間に私の「ダイヤモンドキーパー・ハイブリッド」の説明が入って、
午後4時ぐらいから一座の畠中広報部長が接客と予約制について講義をする。
最後のまとめで私がもう一度出て、おしまいという勘定。

 

私のメインは午前中の「アンケート」を基にしたセミナーの部分であって、
午後からは、田中君と畠中君の話と実技がメインになる。
最初のころは私も真面目にみんなと一緒に聞いて、
直した方がいい所などを指摘したりしていた。
しかし、畠中君の話も、特に田中君の話は、
キチンと決まった事を話さなければならない話なので、
何回か目ぐらいから、もう次に何を話すのか全部わかってしまって、
一緒にじっと聞いているのがつらくなってくる。つまり、飽きた。

 

そこで、一番後ろの席に座ってせっせと内職をすることになったのだ。
内職といってももちろん仕事。
キーパータイムスの原稿であったり、たくさん届くメールの返事であったり、
これはこれで、なかなか忙しい。

 

最終回の今回も、田中君が実技でみんなと一緒に外に出てから、内職を始めた。
先ほどの話もそのころから書き始めたのだ。
それで、すべてのプログラムが終わる30分前にあの話を書き終えて、
そのまま、ついブログにアップしてしまったのだ。

 

もちろん不謹慎である。
皆さんに大勢集まっていただいて熱心に話を聞いてくださっているのに、
内職とは、不謹慎極まりないのだが、
さすがに同じ話を11回目に聞くのは、何かしていないと瞼が落ちてくる。
居眠りをするよりはと思って始めた内職、
しかし11回目の最後が終わっていない時間に、
終わったと書いてしまってブログに上げたのは、
さすがに抵抗を感じて、今、こう書いている。

 

長野駅から「しなの24号」に乗って名古屋に帰る電車の中。
午後6時10分長野発⇒午後9時19分名古屋着である。

 

今回のキーパープロショップ研修会は
セミナーがあったこともあってさすがに疲れた。
スケジュール的にはそれほどとは思わなかったが、
やってみたら意外ときつかった。
そんなこともあって、
長野で最後の研修会の挨拶をする時、
不覚にもジーンと来てしまったのは、
誰にもばれなかったが、
畠中君にそれを話したら「僕もグッと来ました。」と言う。
田中君はちょうどそばにいなかったので聞けなかったが、同じだったのではないだろうか。

 

久しぶりに青い香りのする「達成感」がちょっぴりあって、
ここは「打ち上げ」でいっぱい飲む場面だが、
全員一致で、さっさと家に帰ることにする。
「早く帰りたい。」が最優先である。

 

研修会はなかなか好評であったと思うが、どうだったであろう。
失言もあったし、言ってはいけない事も言ってしまったような気がする。
私の話は調子に乗ると、どうも羽目を外して良くない。

 

 

会が終わって喫煙所で若い人と話をした。
若者「すごいスケジュールなんでしょ?」
私「スケジュールはそれほどでもないんだけど、
夜遅く次の場所に到着してから、つい飲んじゃうのがイカンのだよね。」と言ったら、
若者「じゃあ、昨日は▲○×▽に行ったんですか?」と言う。
(▲○×▽とは聞き取れなかったが、歓楽街のようだ。)
私「いや、長野駅の前だけど。」
若者「駅前じゃ、きれいな女の人はいないでしょ。」
私「えっ、キレイな女の人?」
そう、この若者は私達が飲みに行くと言ったので、
きれいな女性がいる飲み屋さんへ行くとばっかり思ったらしい。
私も中小企業の社長の端くれ
「夜飲みに行く=若いきれいな女の人のいる所」の方程式があって当然と思われたようだ。
「イヤ残念ながら、昨日はいなかったね。」と答える。
まさか、
「広島では「お好み焼き」だけ、福岡では「餃子」だけ、
仙台では最初からラストオーダーでちょっとだけ、東京ではたぶん串焼き屋。
四国へは駅弁で、金沢では「JOSHIRYO」の隣の「赤とんぼ」で一杯。
大阪では夜は無しで早朝入り。もちろん名古屋では無し。
横浜ではちょっと豪勢に「みなと未来」を眼下に見る29階で一杯飲んだが、
女の人が勤めている店ではなかった。
札幌ではどこで飲んだのか覚えていない。どっちにしても居酒屋。」
なんて言ったら、
若者の夢を壊してしまうような気がした。
若者からすれば私でも一応成功者のように写るだろうし、
そんな人間が、けっこう情けない晩飯を食べているとは、あまり言わないほうがいいな。
なんて思った。夢を壊してはいけないから。
なんちゃって、どうでもいいって言われそうかな。

 

 

今日の晩飯は長野駅に売っていた「舞茸弁当」である。
なかなかうまかったのはもちろんである。
しかしこの「ワイドビューしなの」、蒸し暑いのは何とかならんのだろうか。
あー早く名古屋に着かないかな。

 

長野駅を出て、すぐに雨が降ってきた。

 

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2008年07月16日(水曜日)

1969.旅一座これで解散です

今日は、キーパープロショップ研修会とセミナーの最終回。
11回に及ぶ今回のシリーズは、
私を座長として、広報部長・畠中修。技術部長・田中雄二の三人で行った。
このようなパターンは初めての事である。
今まで、私自身何百回となくセミナーは行ってきたし、
研修会は各地でスタッフ達が毎月100回以上はやっている。
研修会とセミナーをくっつけた形で行うのが初めてのことなのである。
三人で巡業のように一緒に全国を回ったのも初めてである。
セミナーはそのすべてを私一人でやってきたので、そういう意味では楽しかった。
楽しかった分、大変でもあった。

 

こんなセミナーとか研修会、キーパータイムスなどを通じて、
たくさんの人が、洗車、カーコーティングに関わる新しいビジネスに挑戦されるが、
「これでいいのか」と、ふと不安になる時もある。
私たちの提案は「快洗隊」という店舗を直接運営し、
実際に多店舗展開していることに基づいているわけだが、
その運営と展開において必ずしも順風満帆であるわけではなく、
何事もうまく回転している時もあれば、つっかえてしまうこともある。
特に新しいことを始める時には、アンテナを張り巡らし、お客様の声を聞いて、
考えに考え抜いて、何度も確認をして、始めるのだが、
それでも、思いも寄らぬ困難が立ちはだかることもある。
むしろ、思った通りに進むことの方が少ないといえるかもしれない。

 

品質の高い手洗い洗車からキーパーコーティングへエスカレートする戦略が、
新車コーティングが世の中に普及したことによって、
この効果を十分に発揮できず、
「洗車屋・快洗隊」として行き詰まりを感じたとき、
「コーティングプロショップ・快洗隊」に店舗コンセプトを変えることに、
躊躇がなかったのかといえば嘘になる。
長年親しんできた「洗車屋・快洗隊」のコンセプトが100%ダメになったわけではない。
かといって、世の中の動きは変わってきている事もしっかりと肌に感じる
どうしなければならないのかは、一番分かっているはずなのに、
今までの習慣を変えることには簡単には表現できない抵抗感がある。
これは理屈ではないのだ。

 

その感覚を振り切って、
まず刈谷店の大改装を皮切りに、何軒かのハードに手を付け、看板類を変え、
メニューを変え、接客を変え、チラシの方向も変え、店舗全体のコンセプトを変えてきた。
それによって、昨年の後半、前年対比マイナスも出始めていた快洗隊も、
明らかにプラスに方向転換できたが、
その時の天候であったり、人の都合であったりでなかなか安定しない。
途中で「このコンセプトで正しかったのか。」と思うことがあったことも事実だ。

 

そこで思い切って
「消費者アンケート」なるものを大掛かりにやって見て、
その中に、私達が肌で感じてきた変化や、
快洗隊の数字にハッキリと表れてきていた現象を裏付けるデータが、
消費者の意識の中にあったことで、
ハッキリと自信を持ち、今回のセミナーと研修会を開催することにしたのだ。

 

私たちの強みは、
自分自身のビジネスとして、皆さんの先頭を走って、
新しい考え方や、方法、ノウハウを伝え、提供していることである。
「あれを売りたい。」「これを売りたい。」という違うところにある目的を持って、
その手段として提供しているのではなく、
直接的に、私たち自身の得たものを直接提供し、公開してことである。
それが回り道であっても、
「相手の利益⇒自らの利益」という非常に単純な方程式を成り立たせ、
派手ではないが、もっともお客様に支持される方法であるとしてきた。
だから、それを主催する私自身が皆さんに直接お会いし話をさせていただくことにもなる。
ノウハウを外注することはない。

 

この方法がベストであると信じているが、
もっとスマートな方法で、たとえば洗練されたマーケティングの手法で、
もっと簡単にたくさん商品が売れて、会社の実績が上がる方法があれば、
それはそれでいいのではないかと思うこともある。
思うのだが、
どうも私にはそれが出来ない。
私自身がスマートな考え方が出来ないのかもしれないし、
それが私の限界なのかもしれない。
いつまでも辻説法のような真似をしていてはイカンなとも思う。
もっとスマートにならなくてはとも思う。

 

しかし、私自身の体型は決してスマートではないし、
今回の研修会・セミナーで、多分、また太った。
何度も書いたが毎度の夜飲んでしまったのは、
体力的にも効いたし、体重も飲んだその分増えた。
私も畠中君も田中君もだ。
太ると「あーラクしているんだ」と思われがちであるが、決してそうではない。
それぞれのメンバーが研修会の役割を持っており、準備もあったり移動も続くので、
精神的にはけっこう疲れるので、夜はほっとしてやっぱり飲みたくなってしまう。
これはしょうがない。ほんとにしょうがないのである。
その結果、カロリー取得オーバーになって太ってしまうわけなので、
私は太った人を見ると
「あ~精神的に苦労しているんだ、この人は。」と思うことにしている。!(^^)!
11回の研修会とセミナーの始まりと終わりでは3kgは太った。

 

私は、この会社はきっと、ずっとこんなことをしながら、
ちっともスマートになれず、
モタモタしながら、デブデブしながら、
必死で働いて、みんなで働いて、お客様に喜んでいただきながら、
全国を回って、話し続け、書き続け、飲み続けるのかもしれない。

 

11回の研修会・セミナー、これで終了しました。
畠中君と田中君と私の一座、
アイ・タック旅一座、これで一応解散です。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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