2008年12月24日(水曜日)
2094.サンタクロースを待っている子たち
今日はクリスマスイブ。
たいていの人がそうであるように、
私もクリスマスが好きだ。
12月になると街中にクリスマスソングが流れ始め、
いたるところにイネミネーションが飾られ街を照らしている。
私も多くの人がそうであるようにクリスチャンではないが、
キリストが実践したのであろう人類愛を祝福したくなるような気になる。
クリスマスは世界中の人々が優しい気持ちになる日なのかもしれない。
サンタクロースを信じて子供たちは、
自分の為にプレゼントを持ってきてくれるサンタクロースを待っている。
確かにプレゼントは楽しみだ。
しかしそれ以上に、
サンタクロースという一つの漠然とした世界が
自分の為を思ってくれていることに、
愛されていることに、子供たちは幸せを感じるのではないだろうか。
子供や人にとって一番うれしいのは愛されていること。
それが血のつながりであろうと、
何であろうと、自分を必要と思ってくれている人がいることの幸せが、
クリスマスがみんなを幸せにする源なのではないか。
自分を何かの目的ではなく、
存在そのものとして必要とする人がいる幸せは、
自分自身が自分の存在を確かめる欲求を満たしてくれるからだろう。
子供にとって自らの存在を邪魔にされることほど悲しいことはない。
「いらない子」と言われることほど悲しくツライことはない。
親が再婚したいために、
自分は一緒にいたかったのに、他の家に引き取られ、
その家で2年半もの間、毎日、1時間か2時間、理由もなく泣き続けた子供を知っている。
自分の存在を邪魔にされた傷は、想像以上にとても深いのだろう。
子供たちは幼いがゆえに、
自らの存在を自ら確認する術を持たない。
だから、自分の存在そのものが不安定極まりない。
誰かに愛され、
誰かに「可愛いね。」「愛しているよ。」「君がいてくれて幸せだよ。」
と言われ続けないといけない存在なのだ。
クリスマスは、
プレゼントという物が欲しいだけではない。
サンタクロースという世界中の誰もが知っているスーパースターが、
わざわざ自分の為にプレゼントを持ってきてくれる。
何の引き換えもない無上の愛で、誰かに愛されている。
そう思うことで子供は十分に幸せなのだと思う。
お父さん、お母さんは、そのサンタクロースの代わりとして
寝入った子供の枕元にプレゼントをそっと置く。
子供が大きくなって、
サンタクロースが、実はお父さん、お母さんであったことを知ると、
子供は、自分を愛してくれていたのがお父さんであり、お母さんであったことを知って、
また、幸せになる。
今まで騙されてたと、親を憎む子供などいない。
サンタクロースという無上の愛の持ち主が、実は自分の親であったことを
子供は最上の幸せとして喜ぶ。
「えっ、なんだ~、サンタさんはお父さんだったの?」
子供の顔は、満面の笑顔であるはずだ。
人間っていいなぁ。
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