2009年08月18日(火曜日)
2284.ベルヌーイの法則による渋滞解消法
ベルヌーイの法則とは、物理の法則で
「流速が上がれば、圧力が下がる」と非常にシンプルな法則だ。
ベルヌーイの法則を使った最もポピュラーなもので飛行機の翼がある。
飛行機の翼は、
翼の前端と後端を結ぶ距離が、上面が下面よりも長く、
翼が空気の中を高速で移動すると、
上面を流れる空気の速さ(流速)が、
下面を流れる空気の速さ(流速)よりも早いので、
上面の空気の密度が、下面の空気の密度よりも低くなって、
上から吸い上げられるような力(揚力)が働く。
これが、飛行機が翼によって空を飛べる理由だ。
ベルヌーイの法則を利用したのがベンチュリー菅。
太い菅の中(A1)を流れる流体(空気とか液体)が、ある速度で流れ(流速1)ていて、
菅の細い部分(A)を通る時は、流体は必然的に速く流れる。(流速2)
流体は速さが増すと、圧力が下がるので、圧力の差(h)が生まれる。
昔の車の「キャブレター」とか、「霧吹き」に使われている仕組みだ。
ベルヌーイの法則とは、「流速が上がれば、圧力が下がる」という現象を言う。
これを高速道路の車の流れと考えると、
「流速」が「車速・車のスピード」であり、
「圧力」が「車間距離」と考えられる。
とすると、
「車のスピードが上がると、車間距離が広がる」ということになる。
そして、この道路が車を運ぶ台数(通行可能台数)は
「車のスピード×車間距離」であって、
「早いスピード×長い車間距離」=「遅いスピード×短い車間距離」となり、
車のスピードが速くても、遅くても、道路の通行可能台数は等しい。(と私は考える)
さて、高速道路での自然渋滞の多くは、
トンネルの入り口や上り坂で、
一時的に車のスピードを落とす人がいて、
その後ろを走る車が、前の車のスピードダウンより少し大きくスピードダウンして、
そのまた後ろの車がよりスピードダウンして、
何十台か後ろの車では、
とうとう速度ゼロ、つまり停まってしまう事態になって、渋滞が発生する。
というメカニズムらしい。
最近、どこかの大学の助教授が「渋滞撃破法」として、
高速道路で走る前の車がスピードダウンした時に、
車間距離が短いから、
前の車以上にスピードダウンをしてしまい、渋滞が発生するのだから、
車間距離を十分に取っていれば、渋滞は発生しないはず。
「渋滞撃破法とは、車間距離を十分に取ることだ。」と言っていた。
私には、これは間違っているような気がしてならない。
スピードをそのままで車間距離を長くすれば、通行可能台数が少なくなって、
自然渋滞が発生するほどの通行量においては、
みんなが一斉に車間距離を大きくしたら、その時点でその道路の通行可能台数が減り、
たちまち大渋滞が発生する原因になると思うのだ。
ベルヌーイの法則とは、「流速が上がれば、圧力が下がる」
つまり、「車のスピードが上がると、車間距離が広がる」のだから、
トンネルの手前、上り坂で、
スピードダウンさせずに、
むしろ、「スピードを上げろ」あるいは「スピードを落とすな!」とした方が、
渋滞を解消できそうな気がするのだ。
ベルヌーイの法則から言えば、
「流速が速くなると圧力が下がる」のであって、
「圧力を下げると流速が速くなる」のではない。
つまり、
スピードを上げれば車間距離が長くなるのであって、
車間距離を長くすればスピードが上がるのではないのだ。
車間距離を長くしても、
自然にスピードが上がるわけではないので、
スピードが上がらないまま車間距離だけが長くなって、通行可能台数が減り、
かえって渋滞の原因になると思う。
それよりも
「スピードを上げろ」あるいは「スピードを落とすな!」の方が効きそうだ。
しかし、サンデードライバー、
あるいは普段は町の中でしか運転していない多くのママさんドライバーにとって、
トンネル入り口は怖いものだろうし、
上り坂ではアクセルを少し踏み込んでスピードが維持するなどということは出来ない。
休日の高速道路はこのようなドライバーに溢れ、
しかも何故か、
右レーン、つまり追い越し車線をずっと走るクセの人が多い。
左の通行斜線が空いても、追い越し車線を延々と走るのは
明白な交通違反なのだが、(キープレフト違反)
追い越し車線を走る方が、
何か「得」しているかのように「制限速度内」で右車線を走り続ける。
高速道路では、みんな右の追い越し車線に入って、
右はぎっしりと行列を成し、
左の本来の通行車線はガラガラで、
1/5ほどの車しか走っていない光景が日常茶飯事だ。
本来右車線はスピードがある程度出ている車が追い越しのために使う車線なので、
そこをゆっくり走り、しかもトンネル入り口などで減速されると、
後ろから来た車は、必然的にブレーキを踏むことになる。
渋滞の卵が生まれる瞬間だ。
そこで考えた。
渋滞解消法、まず、第一の方法。
「キープレフト」を徹底する事。
つまり、追い越し車線を追い越しせずに2分以上(?)走ったら、
徹底的に検挙するのだ。
実際にキープレフトの違反で捕まった人を何人も知っているが、
「キープレフト」を守らない事が違反になる事を、捕まるまで知らなかったと言っていた。
だからこれは、効果的だろう。
どんなドライバーも基本的に遵法精神を持っている。
無用に右車線を走る事が違反行為であることを知らないだけだ。
あるいは、みんながやっているのだから捕まらないとタカをくくっているだけだ。
そこを徹底に取り締まると、右車線ギッシリ、左車線ガラガラの光景が消えるはずだ。
そして渋滞もがくんと減る。
第2の方法。
高速道路、有料道路の制限速度を一律20km/h上げる事。
街中の40km/hとか50km/hの速度制限はそのままで良い。
そして、自動速度違反取り締まり装置、つまりオービスの設定速度もそのままで良い。
大型トラックのスピードリミッターは現実的な100km/hにしたらどうか。
高速道路の規制のない区間を120km/hの速度制限とし、
都市高速など有料一般道を80km/hの制限速度とすればいいのではないか。
そうすると、特に遵法精神にこだわりのある人も、
ほとんどの人が走っている現実的な速度で走るようになって、
追い越し車線を多少走りすぎても、後ろの車が無駄なブレーキを踏む事もなく、
道路の流れが非常にスムーズになるはずだ。
今、60km/hの有料道路に設置のオービスは100km/h以上で作動するらしいが、
ほとんどの人が100km/hぎりぎりで走っているのが現状だ。
だから制限が80km/hになっても、
オービスは100km/hで作動するままにしておけば、120km/hで走る人はいまい。
きちんと制限速度内で走っている人と、
速く走っている人の速度の差を最小限にすることが、
自然渋滞を防ぐ事にならないだろうか。
高速道路では特に80km/hなどに制限速度が設定されていない場合、
つまり速度制限が何も出ていない場合、
自動的に制限は100km/hであるので、
無駄に設備を変える必要はない。
ただ、何も制限が出ていなければ120km/hと法律を変えるだけ。
ベルヌーイの法則とは、「流速が上がれば、圧力が下がる」
渋滞の解消には、まず、道路の流速を下げないこと
むしろ、上げることの方が、肝心なのではないか。
富士スピードウェーの往復に、
イヤと言うほどの渋滞を経験して、
ベルヌーイの法則を思い出した。
たぶん実現しっこないが、
でも現実的ではないかと思う私流の渋滞解消法を考えたのでした。
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