2010年08月31日(火曜日)
2599.気持ちと体の相関関係
とても不思議なのだが、
体の筋肉がまったく痛くない。
レースの後はいつも体中の筋肉がこわばって痛く、
痛さで、歩いても座ってもロボットのようなへんな動きになるのだが、
今回はまったく異常がなく正常なのである。
レースが今までになく上手くいったから筋肉が痛くないのか?
そんな馬鹿なことはない。
レースに勝とうが負けようが、レースで使う筋肉は同じで
体のダメージも同じはずであり、負けたからことさら痛くなるなんて訳がなく、
勝ったから筋肉の傷みがないなんて訳もないはずだ。
しかし、現に今は痛くない。
昨日もまったく痛くなかった。
変だ。何か変だ。
人間は心の動物だという。
例がいきなり下品だが、
小用を足したい時、
トイレに行く前まではそんなに切羽詰っていなくても、
コンビニのトイレに入って便器に近づくにつれて、
もう一秒も待てないくらい切羽詰った状態になる。
そんな時に、先客が入っていると、もうたまらない。泣きたくなるような気分だ。
ほんの数秒で膀胱が突然容量いっぱいになるはずがないのに、おかしい。
そんなことはどちらでもいいが、
人間の体は、心に支配されているようだ。
あのレースで、
私は予選と決勝レースではまるで違う走りをした。
予選はタイムとの戦いで冷静そのもの。
決勝レースでは、前を行くライバルとの戦いであり、
「絶対抜くぞっ、うぉーっぉぉぉ」なんて感じで、私は完全に猛獣に化していた。
予選では、周回ごとに出るタイムを必ず見てチェックしたが、
決勝では一度も見なかった。
タイムなんかどっちでもいい、
とにかく前の車を抜きたいのだ。「ウォーっぉぉぉ」なのである。
予選では、車の姿勢が崩れないように神経を集中して運転した。
決勝では、後輪が滑ろうと、車が吹っ飛びそうになってもかまわない。
前の車を抜くためには、とにかくアクセルを戻したくない。
「ウォーっぉぉぉぉ」って感じ。
結果的にはどのコーナーでも前の車より、ちょっとでも遅くブレーキを踏んで、
最終コーナーで後輪を振り回して、それが車の姿勢をすばやく変えることになって、
ストレートスピードがぐんと上がった。
しかしそれは結果であって、本人は「ウォーっぉぉぉ」でしかなかった。
それが一見むちゃくちゃな乱暴な運転をしているように思えるが、
後ろを走っていたドライバーが「ココっと言う所で、スバッと速かった。すごいよ。」
と言ってくれた。
また「ぜんぜん別の人が走っているようだった」とも。
そうなのだ。
予選と時と決勝レースでは、
私はまったく別人であった。
決勝での私はただの猛獣だったのだ。
いつものことだが、また、
決勝でのタイムのほうが、予選のタイムより速かった。
畠中君も含めて普通は、
新品タイヤを使う予選のタイムは、
デッドヒートを行う決勝タイムより2秒くらい速い。
今回のレースでも私を除いて全員そうだった。
私だけ、決勝タイムのほうが予選より0.5秒速い。
タイヤの消耗を考えれば、決勝のほうが2.5秒速かったことになる。
しかし要するに、予選の走り方、
つまりグリップの良い新品タイヤの使い方が下手だけなのかもしれないが、
私はいつも、前に抜かすべきライバルがいると速くなるのだ。
「闘争心」は、男のもっとも大きなモチベーション。
戦いは男の生きがい。
私は頭の毛がいっぱいあるし、ひげは濃くないので、
男性ホルモンが多いほうではないはずなのだが、
男性ホルモンと、戦いに燃える男の闘争本能は、実は関係が無いのかもしれない。
レースは「ウォーっぉぉぉぉ」なのである。
・・私にとっては。
レースが終わって、ニヤっ。
まだ少し猛獣が残っている。
先にゴルフ6クラスの畠中君の表彰台。
続いて私達ゴルフ5クラスの表彰式。
この頃には私もちゃんと人間に戻っている。
シャンパンファイトでシャンパンを撒き散らすのは控えめにする。
だって美味しいからもったいない、
残しておいて飲んだほうが良いのだ。
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