2014年09月21日(日曜日)
9.21.中山雄一プロ運転で、IPSの”助手席”に乗って、諦めました
9月20日、土曜日午後、
会社の畠中君が出場するインタープロトシリーズ(IPS)の
ジェントルマンクラス(アマチュア)第一決勝戦は、
会社の畠中選手がスタート後、トップグループに着いて走り、
一時は元ポルシェカップチャンピオンを抜いて4位から3位に上がるも
すぐ抜き返され、カッカとした畠中選手は
もう一度抜き返そうとし、結果として、
いつものようにAコーナーでスピンして、結局4位でゴールイン。
結果はいつもとあまり変わらぬ4位だったが、
それでも、ずいぶんエキサイティングなレースが出来るようになっている。
スピードでは、終盤まで、トップグループに負けてはいなかった。
相手はアマチュアと言っても、
ポルシェカップで活躍したり、
GT300クラスに出場している、セミプロと呼ぶべき速いドライバー達です。
翌日21日の午前、
第二決勝戦は、
第一決勝戦の順位がそのままスタートの順位です。
畠中君は気合十分でしたが、
日曜日午後からのプロクラスのレースがあるので、
メカニックの金城さんから
「無理して抜かなくても、トップグループに着いて行けば
絶対、いいとこ行けます。」
と、とにかく無キズでゴールして、
プロクラスの中山雄一選手に渡すように言われています。
第二決勝レースはトップの3台プラス畠中の形で展開されるでしょう。
スタートまでの準備が着々と進み、
私達は1コーナーの観客席で見ることにしました。
スタートです。
4位の畠中君は、最初の1コーナーで、
一瞬、前の車を抜いて3位に頭を出しましたが、、
すぐに差し返されて4位に下がります。
前の3台は、デッドヒートで、激しいレースを繰り広げています。
そのうち、2位と3位を走る2台が絡んで、大きく後退。
4位を走っていた畠中君が、2位に上がりました。
(金城メカニックの言った通りです。)
でも、
いつもなら、調子に乗った畠中君は、
コースの何処かで、
つまらないスピンをするのが常でしたが、
今回は、淡々と2位のポジションをキープして走っています。
それどころか自己のベスト1分48秒台のタイムを出して、
トップのIPSを追い上げています。
トップを走るドライバーは、連勝中の速い選手です。
結局、
最終ラップで0.2秒まで追い上げたのですが、抜くまでは至らず、
トップの車に張り付くようにして2位でゴールをしました。
このレースは、立派なものです。
自信過剰気味で自滅するのが常であった畠中君が、
ちょっとだけ自制したら、
実力以上とも思えるような素晴らしい力を出しました。
11月に行われるIPS最終戦には、
間違いなく優勝を狙っていけるスピードを得ています。
2回の決勝の内、少なくとも1回は優勝してもおかしくはありません。
結果は良かったのですが、
私は考え込んでしまいました。
このIPSは、私が、私の最後のレースの車と思って、手に入れた車です。
私は何回か練習をしただけで、腰を痛めて、乗れなくなって、
畠中君に「今年は・・」と思って、
今年のレースを委ねたのですが、想像以上に畠中君が活躍してくれています。
ひがんで言う訳ではありませんが、
私は「出る幕がなくなったなー」と、思ったのでした。
それで、
私は考えられないことをしました。
昼の12時半にあった「IPSの体験走行」で、
中山雄一プロの運転で、自分のIPSの”助手席”に乗ったのです。
「もうこの車を運転する事は無いな。」と思って。
中山君のドライビングはさすがにプロのドライバーであり、
私のそれは別の世界でした。
「こんなところまでフルスロットルで行くのか・・・」と唖然です。
まだ練習で三回走っただけなので、
1分57秒台でしか走ったことのない私には、
1分50秒台を切る中山君のドライビングは、衝撃でした。
まったく怖くはありません。
プロのドライビングは限界ギリギリで走っているのですが、
その限界を完全に自分のものにしていて、
100%コントロールしています。
強烈な”G”も、まったく耐えられないものではありません。
しかし、この強烈なGの中で「微妙な滑りに反応する神経」は、
並外れた鋭い感覚と集中力ならでは出来る業でしょう。
身近にいるのでつい忘れてしまいそうですが、
私達の#37、IPSに乗ってくれる中山選手は、
日本のプロのトップクラスに位置する若手ドライバーです。
ただのオッサンである私なんかが理解できるような相手ではありません。
ましてや私はほとんど運動神経なしです。
今からいくら練習しても、
1分46秒台で走る中山プロはもちろんのことですが
1分48秒台で走る畠中君の走りにすら近づける訳がありません。
ゴルフGTIでレースに出ていたころは、
畠中君とはいつも1~2秒遅れだけで走れていましたが、
桁違いに速いIPSでは、私とは違う世界に行ってしまったようです。
(本当にちょっとしたプロ並みです。)
中山プロの駆るIPSの助手席で、私は、
激しい”G”に耐えながら、「もう乗れないな」とつぶやくしかありませんでした。
腰がダメにならずにあのままIPSで練習していれば、
1分53秒台くらいには走れるようになって、
IPSの後ろの方から着いて行くくらいは出来たかも知れませんが、
もう一度、自分をあの世界に追い込む気力は起きません。
誰からも#37 IPSに乗ることを期待されない自分を思って、
深い海の底に沈んでいくような気分になっています。
一つの時代が自分の中で終わったことを察するしかありません。
サーキットは、もう、遊びのスポーツ走行で走るだけにして、
私は、レースで競技する事は、もうやめです。
午後からのプロクラスの決勝の2レースは、
ポールポジションをとっていた中山雄一プロが、
2レースともポールtoウィンで、2連勝です。
彼は日本で、一番速いプロドライバーの一人です。
ずっと1分46秒台で走り続け、宿命のライバル平川亮を一度も寄せ付けませんでした。
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