谷 好通コラム

2016年03月17日(木曜日)

3.17.二十年間、一人の客を失っていた「餃子の王将」

もう20年以上前だと思います。
私の連れ合いの妹が、子供を連れて遊びに来てくれた時、
行楽に行った先の旅館で、衣(コロモ)が厚い天ぷらが出て、
「コロモだらけの天ぷらは油ぎっていて嫌いだ。」と妹が言ったので、
「人に食べさせてもらっている時に、まずいとか嫌いとか言うもんじゃない。」と、
小言を言って妹を傷つけたことがありました。
翌日、
行楽をして家に帰ってから、
家で夕ご飯を作る時間がなかったので、
近くの中華をテイクアウトで買ってくることにしたのですが、
たまたま、
近くに「餃子の王将」の新店が出来ていたので、
そこで餃子とかチャーハン、肉の天ぷら、などを買って帰ったら、
その「肉の天ぷら」が、
コロモがぶ厚くてまずそうだったのです。
昨日のことがあったので、私は妹に
「これは私の失敗だった、食べなくてもいいよ。」と言ったのだが、
妹は、
「全然、大丈夫。おいしいよ。ホントに」と、ニコニコとして食べます。
彼女は、昨日のことを申し訳ないと思ったのでしょうか、
餃子の王将で買ったコロモだらけの天ぷらを無理して食べる姿を見て、
私は申し訳ない事をしたと反省しました。
恥ずかしいことです。
お互いにまだ未熟だったのでしょう。

 

しかし、それから、
私は、「コロモだらけの脂ぎった肉の天ぷら」で、
「餃子の王将」に、すっかり悪いイメージを持ってしまいました。
しかしその店舗は、しばらくして閉店してしまい、
やっぱり、美味しくない外食店は長持ちしないんだな。と思っていました。

 

だから、私の中の「餃子の王将」のイメージは悪いまま残っていて、
オーナーが不幸なことになった事件とか、
店舗が拡大している事とか、あまり興味が無いまま過ぎていたのです。
ところが、
何かの拍子で私が信頼している人が、
「餃子の王将」について、語ってくれて、
真面目な会社で、
お客様第一が浸透しているチェーン店である事、
不幸にも殺されてしまった創業者が、ユニークであり、真面目な人であった事、
そして「餃子の王将はラーメンが美味いんです。」と、教えてくれた。
そう言われると、がぜん餃子の王将に興味が湧いて、
早速、お昼に食べに行って見ました。

 

お店の外観は赤と黄色の派手な塗装ですが、
中は意外と清潔で、色々な機械があって近代化も進んでいるようです。
昼前の11時過ぎに行ったにもかかわらず、
席は半分以上埋まっていて、よく賑わっています。
注文したのは、二人で、
「王将ラーメン」
「日本ラーメン」
「餃子1人前」
「ミニ焼き飯」(店の女の子はミニチャーハンと言っていた)
半信半疑で食べてみたら、
意外や意外、
美味しいではないか。
唸らせるような美味しさではないが、
何度でも食べにくるであろう、普通に、美味しい。部類です。
本当に私は、これから、昼時で、たまたま近くに餃子の王将があったら、
喜んで入るでしょう。
私にとってのCoCo一番屋並みに常連になりそうです。

 

そりゃ、美味しくなきゃ、
こんなにチェーン店が多くなるわけがありません。
餃子の王将は、普通に美味しい中華系の外食チェーン店だったのです、
ちなみに私を餃子の王将嫌いにした「コロモ厚い脂ぎった肉の天ぷら」は、
メニューにありませんでした。

 

しかし、20年前、
コロモの厚いモコモコの肉の天ぷらを出していたあの店は、
何だったのでしょうか。
FC店か何かだったのでしょうか。
あるいはのれん分けをしてもらった店だったのでしょうか。
あるいは直営であったにしても、今の餃子の王将とはかけ離れた味でした。

 

しかし他の餃子の王将店は、あんな店ではなかったのでしょう。
あの店はすぐに潰れましたが、
他の多くの餃子の王将は、繁栄し、すっかり拡大迄しました。
潰れたあの店は、
餃子の王将の訓練を受けて、
餃子の王将の味を出せる様になったはずなのに、
何かの原因で、たぶんセンスの無さ、あるいは単なる弛み(たるみ)で、
本来の味から外れて、
みんなが二度と行かないマズイ店になってしまったのでしょう。

 

そのおかげで、私は「餃子の王将」全部をまずい店だと誤解してしまって、
二十年以上、一度も「餃子の王将」に行かずに、嫌いなままでした。
二十年前、悪い一軒だけのために、
他の全部の良い店に行かず、マズイ店だとばかり思い続けていました。

 

これはチェーン店の怖い所です。
チェーン店は、どの店舗に行っても、
規格で定められた店の作りと、サービスと、
何よりも変わらない味で、安心してお客になれるメリットがあります。
私がよく行くCoCo一番屋でも、
刈谷店でも、東海店でも、豊明店でも、一宮店でも、味の違いはありません。
少なくとも私には違いが判りません。
それがチェーン店の強みです。

 

ところが、その強みが逆に弱みになることがあります。
今回のように、チェーン店でも、
たまたま入った店が、何かの原因でマズかったとすると、
他の店も、みんなマズイと思われてしまうことです。
たまたまマズイ店以外の他店舗は、
みんな美味しい料理を出していたとしても、
たった一軒だけマズイと、他の店もマズク思われてしまうのは、怖いことです。

 

私はたった一軒の餃子の王将が出した「コロモだらけのマズイ肉の天ぷら」で、
二十年以上も餃子の王将全体がマズイものだと信じ、一度も行きませんでした。
たった一軒の店が、私を二十年間「餃子の王将」嫌いにしたのです。
あんなに美味しかった餃子の王将を二十年間もキライにさせられていました。

 

私達のキーパーLABOでも、
キーパープロショップでも同じことが言えます。
全国に4,880店舗の技術認定店キーパープロショップの、
あるいは、全国に51店舗のキーパーLABOの、
どこか一店舗の、
誰かが、
いい加減にKeePerコーティングを施工して、
ムラだらけ、
拭き残しだらけ、
汚れ残りも多いような、
いい加減なKeePerをお客様にお渡ししたら、
そのお客様は、
「なんだKeePerってダメじゃん。」と思うに決まっています。
また
「キーパーLABOも、キーパープロショップもたいしたことないね。」と、
他の店舗全部もダメだと思ってしまいます。

 

一軒のダメな店が、すべての店をダメだと思わせてしまうのは、
本当に怖いことです。
私が昔、一軒の「餃子の王将」で「コロモだらけの肉の天ぷら」を買い、
他の「餃子の王将」のどこもマズイと思い込んでしまったことと同じです。

 

KeePerの今後は、
4,880店舗のキーパープロショップと51店舗のキーパーLABOから、
「KeePerってダメじゃん」のいい加減な店舗を、
1軒たりとも出さないことに全力を尽くすこと。そこに尽きるのかもしれません。

 

おいしかった「餃子の王将」でのお昼ごはん。

 

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2016年03月17日(木曜日)

3.17.言葉での説明には不確定的な限界がある。お客様が欲しいのは

伝言ゲームで、
同じ言葉を隣りの人に伝えても
何人か後の人には、まるで違う言葉になってしまう。
そんな経験はだれにでもあります。

 

それを今日の研修会でまた思いました。
ダイヤモンドキーパーの性能について、
KeePer技研㈱の開発担当社員が実験をしながら説明をしているのですが、
その説明が、間違っている訳ではないのですが、
微妙に言葉が代わっていて、正確に言えば、正しくないのです。
はたで聞いていてイライラします。
間違ってはいないのですが、
微妙に言葉が違っていて、どうもイカンのです。

 

話す言葉は、
人によってニュアンスが違います。
例えば同じ「強く」とだけ言っても、
人によっては「力いっぱい強く」と受け取る場合もあれば、
「もうちょっと強く」ぐらいにしか受け取らない人もいます。
そのニュアンスの違いが積もりに積もって、
同じ言葉を発しても、まるで違う受け取り方になってしまう場合もあります。

 

商品の説明をさせても、人によって言い方がまるで違っていて、
とても同じ商品の説明とは思えない場合があります。
マニュアル通りに丸暗記すればいいのかもしれませんが、
接客では、お客様からの質問やご意見も多くいただく訳で、
そのすべてに対する回答まで丸暗記で憶えることは出来ません。

 

売る側のスタッフの言葉での説明で、
お客様にその商品を正しくご理解いただくことは
印刷物などを利用しながらの説明でも中々意味が通じません。

 

しかし、多くのお客様は、ご来店に先立って、
KeePerのWebサイトで、ご自分の欲しい商品の情報を見ていらっしゃって、
けっこうよく知っている場合が多く、
自分の理解が正しいかどうかを、スタッフの言葉で確かめたり、
あるいは逆に、自分の質問でスタッフの知識を試して、
その店舗のレベルを試したりします。
そんな時一番肝心なのは、応対したそのスタッフの「自信」のほどでしょう。
つまり、
応対の言葉に、
その店舗のその商品に対する「自信」、
あるいは、自分たちの技術に対する「自信」のほどを、
会話を通じてお客様は注目しているのではないでしょうか。

 

情報としては、
スタッフの話す言葉よりWebサイトに載っている情報の方が詳しいでしょう。
そして、その商品に対する「評価」は、各種のSNSにいっぱい載っていて、
こちらのスタッフがその商品の魅力について一生懸命力説の言葉も
SNSで評判が悪ければ、売らんがための美辞麗句としか受け取ってくれません。
多くのお客様は、
ご来店、またはお電話でのお問い合わせに先立って、
Webサイトで商品情報を調べ、
すでに買ったことがある消費者の評判をSNSで確かめて、
その上で、問い合わせてきているのは、
どの店で買ったらいいのか、
どの店の人に施工をしてもらったらいいのかを
電話あるいは訪問して、
店の人の話を聞いて、「自信のある店」を探しているのでしょう。

 

その自信は、言葉の端々ににじみ出てくるものであり、
態度に出るものです。

 

KeePeコーティングを施行させていただくと、
ほとんどのお客様は、驚いたように喜ばれます。
KeePerコーティングを施工したわが愛車が
お客様が持っていた常識では想像しなかったようなキレイさになったからです。
そんな想像以上のキレイさを、
キチンと正しく施工すれば、KeePerは提供できます。

 

そのお客様の驚きと喜びを、
いっぱい見てきて経験しているスタッフは、
自然に自信を持って、お客様に接するようになります。

 

その自信の様子を見て、感じて、お客様は、
「この店はKeePerをキチンと施行して、お客様に喜んでいただいているか」を、
確かめているのだと思うのです。
多くのお客様が、無意識のうちに、そんなことをしているのだと思いました。

 

お客様が欲しいのは、
千の言葉を並べた商品説明よりも、
「ぜひ、お任せ下さい。」などの、
自信に溢れた一言なのかもしれません。

 

わが社の担当者が、
微妙に違う言葉で、ダイヤモンドキーパーを説明している所を見て、
でも自信溢れるその姿勢を見て、
そんな事を思いました。

 

今、朝一番で、
東京から名古屋に新幹線に乗って帰っている途中です。
当然、富士山側のシートに座っています。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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