谷 好通コラム

2019年09月11日(水曜日)

9.11.全店訪問で持っていったルビスタ

キーパー選手権が開催されている1ヶ月間は、
8月も12月もトレセンでの研修会を全休して
KeePer技研営業のスタッフが、プロショップ全店を訪問します。

 

訪問は選手権に参加の皆さんへの応援の意味が一番ですが、
キーパーコーティング技術資格者の在籍と品質の確認、作業環境の確認、
KeePer技研からの新製品や新技術のご案内なども行っていきます。
年2回の全店訪問は
品質最優先のキーパープロショップの仕組みの
最も重要な行事と言え、むしろ生命線でもあります。

 

今回はそれに加えて「ルビスタ」なる物を全店に配りました。

 

これは製薬会社大手「キョ―リン製薬」の関連会社の製品で、
「ルビスタ・嘔吐物処置キット」と銘打ったものです。
これは文字通り、人が車の中で嘔吐した場合の後始末のための処置キットで、
中にはシリコンゴム手袋、前掛け、マスク、
消毒薬、消臭液、丈夫な大ごみ袋、密閉箱など、
不快な嘔吐物に一切手を触れずに、
不快な思いを極力少なくして、あくまでも安全に処理できます。
人が嘔吐する時は、
酒に酔っぱらったり、乗り物酔いなどの他に、
細菌性の中毒などで食べた物を戻すことがあり、
特に細菌性の要因によるものは嘔吐物に触れると大変危険です。

 

ルビスタは、そんな危険を伴う可能性のある作業を、
消毒薬、消臭薬で滅菌しながら、
手袋、マスク、前掛けなどでガードしたスタッフが、
手順を踏んで、マニュアル通りに作業をしていくと、
最低限の不快で、安全に作業が出来るように仕組まれたセットです。

 

私自身、若い時からスタンドでこのような処理作業を何度も経験しており、
そのツラさも良く知っています。
特にこの作業がツラいので、店のスタッフにさせられず、
自分でやる店長が多いことも知っています。

 

なので、このルビスタという製品を知った時に、
ぜひ、全部の店に置きたいと思ったので、
全国約5,800店のキーパープロショップと92店のラボに配る事にしました。
とりあえず無料で。
でも、約6,000個のルビスタは、使って再注文をいただいたら、
その時は、ルビスタ1個を送って、1個分の伝票を切らせてもらいます。
「富山の置きクズリ」のようなものです。
だとするならば、全国に置いた約6,000個のルビスタは、
“在庫”で通るはずですが、
無理かもしれません。

 

会社にとって、報・連・相は最重要事項であって、
特に密室化しがちな経理部門の報・連・相は生命線とも言えるものですが、
ここが一番難しい所です。
永遠に一つも減らない仕組みになっている在庫は、
減損会計の対象になるのは明白です。
しかし、たまに出荷するルビスタは、わずかですが利益を生むので、
少しずつでも出荷が続けば金銭的にはいつかは元が取れるはずです。
だから、減損にしなくてもいいはずだと主張は出来ますが、
何百年かかるか、何千年かかるか判らないので、やっぱり駄目でしょう。
しかし、
それで全国の仲間たちが、
とてもツラい仕事が少しでも軽くなったら、
更に安全が確保できれば、約6,000個分の減損は無駄ではないと思います。

 

「富山の置きクズリ」作戦は、無理でしたが、
有意義であることは違いなく、
決して後悔するものではありません。
会社も決して損を被ったことにはならないと思います。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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