谷 好通コラム

2025年09月07日(日曜日)

09.07.「私の車を、わざわざ暑い炎天下で洗っている・・・」

ここ何日か、暑さも少しだけ緩んでいるので

もう秋が来るような気分になっているが、

まだまだしばらくは、

強烈な猛暑がやってくると、天気予報で言っていました。

しかしいずれにしても、ピークの8月を乗り越えたことは事実です。

 

今年の夏は、いろんな暑さ対策をしましたが、

冷房の設備は完璧であったつもりでも、

いざ猛暑日が続くと、いろんな店から「足りませんでした。」と、

冷房設備追加の、かなりの数の稟議が降りてきました。

 

これからの時代の猛暑は、

作業をする場所に冷房設備は必須です。

猛暑日の基準、

風通しの良い日陰で測る気象情報で35℃を越していれば、

実際の作業場所では、

38℃とか40℃など体温をはるかに越す過酷な環境になります。

そんな中で無理をすれば、熱中症になるのは目に見えています。

 

しかし、そんな環境でも、

中々投資計画が立たない事情がある他の店舗では、

「『猛暑中は、もう、作業をするな』としか言いようがない。」と、

嘆いていらっしゃいました。

その状況の中でも、営業をせざるを得ない業界においては、

この時期、確実に前年実績を大きく下回るのが現実となっています。

 

私達の店舗でも、普段は外で洗車をしていますが、

この時期は、出来るだけコーティングブース内での”洗車”を奨励しています。

水しぶきを防ぐカーテンなどの前もっての準備が必要ですが、

お客様にも、好評です。

しかし、

コーティングブースの中は冷房設備が完備して涼しくても、

来店が重なり、

作業の内容も重くなってコーティングブースの中が混んできて、

ブース内での洗車が出来なくなると、

外のフィールドにある洗車エリアでの通常の作業になります。

こんな場面は、当然、よくあるのですから、

そんな時の対処もしました。

暑い環境の中での洗車作業になった場合は、

1台につき〇〇〇円のインセンティブを付けたのです。

 

これは好評でした。

猛暑の中での営業から悲壮感が一掃されました。

特に若くて体力のあるスタッフには、

我々年配者が考えるような暑さに対するネガが無いので、

若さと体力に任せ、強烈な暑さをものともせずに外でガンガン洗車します。

 

しかし、コーティングブースの中がガラガラでも、

わざわざ外で洗車をする者も現れてくると、

今度は、お客様の方から苦情が来るようになりました。

 

他の車は、涼しい環境の中で洗車をしているのに、

私の車は・・私の車は、わざわざ暑い炎天下で洗っている。

すぐ乾いて車に良くないから、私の車も部屋の中で洗って欲しい。

なんて、

インフォメーションに送って来られたお客様が複数いました。

複数いたという事は、相当な数のお客様がそう思っているという事でしょう。

 

もちろん、店舗が混んでいて、

あるいは予約が混んでいてコーティングブースに空きが無く

やむを得ず、

元々の外の洗車場で洗っている場合が多く、それがほとんどです。

みんなも暑い中、本当に暑い中、頑張って洗車をしているのです。

みんな本当に頑張っています。それがほとんどです。

 

しかし中には、

コーティングブースがカラガラなのに、

わざわざ暑い外で洗っている場面もあったようです。

それをお客様は、

自分の車に良くないと抗議している訳です。

夏季の洗車インセンティブの悪さでしょうか。

 

しかし、

それを容認している店長、地区担当がいるとしたら、

お客様が持たれたネガな心情を感じることが出来ずに、放置した事。

あるいは、

スタッフのインセンティブ欲しさを優先して、

不必要な外での洗車と、それに伴うお客様の不満を放置していたとすれば、

その店長、地区担当は店舗の責任者として失格であると言わざるを得ません。

 

お客様の心情より

店舗スタッフの欲求、事情を優先する店は、文句なしで滅びます。

いかなる業種においても、

お客様より店舗側の都合を優先する店舗は間違いなく滅びます。

お客様の必要性とか欲求を満たすことによって店舗は生きているのだから、

それより店側の事情を優先させれば、

お客様は「来ない」「買わない」と言う当然の手段で店を潰します。

しかし、

店舗側はお客様に隷属すべきという意味ではまったくありません。

そんな風に誤解して、お客様を嫌いになってしまう者がたまに出ますが、

そんな関係ではなく、

お客様は、店にとって絶対に必要な存在ですが、

店は、お客様にとっても必要な存在であり欲しい存在です。

つまり、

お互いに必要な存在であり、大切な存在であるという事。

だから、お互いに欠かさざるべき存在。

恋愛に例えれば相思相愛の関係で、

どちらかがどちらかに隷属するのではなく思い合う関係と言えるでしょうか。

相思相愛とはうまく言ったものです。

 

話がずいぶん入り組んでしまいましたが、

店側のスタッフがお客様に隷属するものではない。と同時に、

店側のスタッフは自分の都合をお客様に優先させてはいけないという事です。

早い話が、

夏季洗車インセンティブがあるから、

不必要に空調のない外で洗車をして、

お客様に不満を与え、不快を与えてはいけない。ということで

店長、地区担当はそれに気付かなかったり、

気付いても容認していては、いけないという事です。

 

 

 

それにしても、今年は平年より異常な暑さです。

地球温暖化を阻止する為のパリ協定の目的(Wikipedia)にこう書いてありました。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

産業革命前からの世界の平均気温上昇を「2度未満」に抑える。

加えて平均気温上昇「1.5度未満」を目指す(第2条1項)。

人々は節電などに気を付けて生活し、温暖化に繋がる行為は極力しないようにして、

温暖化を止めるように、団体や学校で進める。

 

2024年には世界気象機関の報告により、

世界平均気温が一時的に産業革命前比で約1.55℃に達した可能性が示されたが、

これは短期的な変動であり長期的な平均ではないため、

「1.5℃未満に抑える」目標が直ちに破られた訳ではないという注記が重要である。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

と、書いてありました。

 

 

しかし一方、

今日の気象庁のホームページにこんなことが書いてありました。

——————————————————————————-

この夏の日本の平均気温は平年と比べて2.36度高く

気象庁が1898年(明治31年)に統計を取り始めてから最も高くなりました。

これまでで最も高かった去年とおととしを大幅に上回っていて、

ことしの夏は「異常な高温」だったとしています。

 

気象庁によりますと、ことしは6月から各地で気温が高く、

東京の都心の真夏日が過去最も多い13日となったほか、

7月も北海道で40度近くになるなど危険な暑さが相次ぎました。

 

8月も危険な暑さが続き、

5日には群馬県伊勢崎市で41.8度を観測して国内の過去最高を更新したほか、

8月30日と31日も40度以上を観測し、

年間で40度以上を観測した日数が9日となり、これも記録を更新しました。

 

このため、ことしの夏の日本の平均気温は平年と比べて2.36度高くなり、

気象庁が1898年に統計を取り始めてから最も暑い夏となりました。

 

去年とおととしも過去最高となりましたが、平年との差はプラス1.76度で、

ことしは大幅に上回り、「異常な高温」だったとしています。

 

北日本は平年を3.4度上回る

地域別で見ると北日本が特に高く、平年を3.4度上回っているほか、

東日本は2.3度、西日本も1.7度上回り、いずれも

地域別の統計を取り始めた1946年(昭和21年)以降で最も高くなりました。

沖縄・奄美は平年より0.5度高くなりました。

 

「私の車を、わざわざ暑い炎天下で洗っている・・・」とか、

夏季洗車インセンティブがあるから、不必要に空調のない外で洗車をして、

お客様に不満を与え、不快を与えてはいけない。・・・とか、

あまりにも小さ過ぎる問題なのでしょうか。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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