谷 好通コラム

2025年11月17日(月曜日)

11.17. 自分としては、なす術もない事で、座して見るしかない。

 

昔、と言っても10年以上ではあるが20年以上前ではない。

私がまだ「ゴルフGTIカップ」という

フォルクスワーゲン・ゴルフGTIで走る草レースで走っていた頃の事。

たぶん、仙台SUGOサーキットでのレースで、

ゴール後、コントロールタワーのレース審査員に呼び出された。

 

一緒に走っていたライバル選手から、

「追い越し禁止のスタート直前の隊列走行中に、

一つ順位が上で斜め前を行く私がブレーキをチョン踏みして、

斜め後ろの自分の車が、

ほんのちょっと私より前に出でしまいペナルティを受けた。

あれは自分をわざと前に出させる為に、

私がわざとブレーキをチョン踏みしたのだ」と、

レース後、審査員に抗議したらしい。

(ややこしい話で解りにくいですね。ここは解らなくて大丈夫です。)

私がコントロールタワーを上って、審査員がいる部屋に入ると、

そこには審査員と、私を訴えたライバルがいて、

審査員が、

私がなぜ呼び出しを受けたのか訳を話した。

「君は何故、スタート前の隊列走行中にブレーキをチョン踏みしたのですか。」

私は、

「私の斜め前の車に追いついてしまったので、

抜かさない為に、ブレーキをチョンと踏みました。」

審査員は

「では、君は自分を守る為にブレーキを踏んだのですね。じゃ、いいです。」

と、その場で無罪放免になって、私への訴えはその場で退けられました。

 

私はこの時の審査員が言った

「自分を守る為ならば仕方ありません。OKです。」の言葉が印象的だった。

私は自分がペナルティを受けない為とは言え、

自分の斜め後ろにいた車にペナルティを受けさせてしまった。

普段の言葉で言えば

「いやー、悪いことしちゃったなぁ」

「わるい、わるい。」というところだ。

しかし、これをルールという物差しで言うと

「おとがめなし。」「無罪」であり、何も言うところではない。

 

もっと言えば、

結果としてペナルティを受けたその人は、

前を行く私が、その前の車を抜かさない為にチョンとブレーキを踏んでも、

私を抜かさないような間を取って、

スタートを前にした隊列走行をすべきだった。

 

自分としては何も悪気があった訳ではないのに、

自分がした事に対して、

相手が過剰に反応してしまった事によって、

相手が、結果的に、

自滅してしまった。

 

自分としては、

なす術もない事で、座して見るしかない。

なす術もなく見るしかない。

 

Posted   パーマリンク

ページのトップへ ページのトップへ

  • 最近の記事

  • プロフィール

    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

  • カレンダー

    2025年11月
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    30  
  • リンク集

  • 過去の記事

  • RSS1.0

    [Login]

    (C) KeePer Giken. All rights reserved.