谷 好通コラム

2019年02月17日(日曜日)

2.17.X-15とアポロ11号、マンフレットピッチの「ジン」

今日は映画を見てきました。
「初めて月に行った人」という意味の「ファースト・マン
アポロ11号で月に行ったニールアームストロングが主人公。

 

この映画、高高度を飛ぶ航空機に乗っている場面から始まった。
宇宙服とも言える完全与圧服を着て、
激しい振動を伴ってロケットエンジンで加速しているようだ、
しかし、普通のロケットのように垂直に上がらず、
航空をほぼ水平飛行して、操縦している。
しかも、宇宙空間に近い様子だ。
とすると、X-15しかない!

 

ノースアメリカンX-15はたった3機だけ作られた超高速機で、
1950年代から1960年代に渡って超高速の記録を次々に出した実験機です。
有翼+有人の航空機としては世界記録の7,272km/h(約マッハ6.7)を出し、
いまだに世界記録の持ち主です。
自力で離陸は出来ず、超大型爆撃機B52の翼に吊られて
1万メートルの上空から発射、
着陸は垂直尾翼の下半分を捨て”ソリ”を出して、広大な乾燥湖に滑り降ります。
発射されるとはミサイルのようですが、
X-15は正に今の巡航ミサイルに操縦席を付けたようなもので、
現代から見れば、
巡航ミサイルにパイロットを乗せること自体が無茶苦茶で、
造られた3機のX15の内、1機は空中分解しパイロットは亡くなっています。

 

X-15は私が小学校の頃に初めて作ったプラモデルでした。
そのX-15に宇宙飛行士ニールアームストロングも乗っていたのです。

 

それが、
二人乗り宇宙船ジェミニ計画で、
宇宙空間での二つの飛行体によるランデブーとドッキング、宇宙遊泳が成され、
いよいよアポロ計画で、
複雑なプロセスを経て月面着陸につながる訳ですが、
それぞれの段階で、すべてまさしく命がけの冒険でした。

 

科学はまだデジタルは皆無であり、
アナログ全盛の世界で、
まさしく命がけの冒険を、
超エリートたちが、過酷な訓練を経て、
ものすごく難しい複雑なプログラムと理論で、
国家予算レベルの金をかけ、国家威信をかけて
有人月面着陸を果たした話は、
一緒に見ていた連れ合いたちには
絶対解らないであろう話が、
飛行機大好き、
宇宙大好きのオジサン谷好通としては、
いちいち涙が出るほど面白いように解かって、大感動だったのです。

 

それにしても、
月に行く」ということに何の得があるのか、
「月に行くこと」に命をかけることに何の意味があるのか、
どういう展望があるのか。
そう考えれば、あの時代の「月に行く」冒険は、
冒険以上には意味が無かったのかもしれません。
このプロジェクトの初めになったジョン・F・ケネディの演説には、
「なぜ月に行くのか。それが困難だからだ。」と言っています。
まったく論理的ではありません。
デジタルの今の現代ではまったく通じないアジテーションです。
だからこそ面白いのですが、

 

というよりも、
損得づくでない”冒険”とかいう無駄なものの価値は、
男の価値観の中のもので、
女性の多くには理解できないものではないのか。
この映画で興奮して涙していた私の横で連れ合いは眠たそうであった。

 

男は、無駄なものに価値を見出す傾向がある。
「冒険」などはその最たるものだが、
もう一つ面白いこだわりの価値を見つけた。

 

33周年の会として、
私の社長退任と新社長就任のお披露目の会に出席した
SONAXのDr.マンフレッドピッチが、私にプレゼントをくれた。
「手作りの”ジン”」
Dr.ピッチは手作りの酒を造るのが好きで、これが日本ならば密造酒になるが、
ドイツでは大丈夫らしい。
たまたま、私はジンが大好きで、
このプレゼントに大喜びだったのですが、
このジンが、凝りに凝っているのです。
すごいですね。無茶苦茶、嬉しいですね。

 

 

名前が違います。が、些細なことです。

 

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2019年02月16日(土曜日)

2.16.事業承継をする意味

どんな事業であっても
いずれは事業承継をしなければならない第一の意味は、
その事業を創った社長がいずれは死ぬので。
しかも、死んでからでは何かと遅いので、
死にそうになる前に、
まだ当分死にそうにない若い者に事業のかじ取りを任せることになる。
単純に言えばそれだけのことだ。

 

だから、創業者が”不死身”ならば、
事業承継することなく
本人がミイラのごとく朽ちてもなお社長にしがみついていればいい。
それはそれでいいのかもしれないが、
時代は刻々と変化して行くので、
ミイラの干乾びた脳みそでは世の中の価値の変化に着いていくことは難しく、
その事業が世の中に提供する「価値」が陳腐化して、
それに従って得られる報酬も減って、採算が合わず、
事業として成り立たなくなり、
事業承継するまでもなくその事業は自滅して行く。

 

 

社長がいかに元気であろうと
適時に事業承継する意味はある。
社内的に言えば、
現状の社長が、社内の人達の一人一人に対して下した評価は、
そうなかなか変わるものではなく、
運の悪いある人にとっては、
たまたま悪いタイミングで悪い印象を植え付けてしまった場合、
本人が知らない理由で、ずっと悪い待遇が続くのかもしれないが、
それが、
事業承継によって社長が変わると
不当に悪い印象に縛られていた人にとってはラッキーで、
改めて正当な評価と印象を築けるいい機会になる。
それは社内に関わらず、社外の業者にとっても同様なチャンスになる。

 

逆に、
今の社長に対して、長年にわたって築いた信頼が、
社長が変わったことによって、
長年の歴史が一度オールクリアとなって
すべての人と同じスタートラインに並んでしまうこともある。
しかし、そのことによって無かった緊張が発生して
それはそれで意味はあるのかもしれない。

 

いずれにしても、
いい事についても、悪いことについても、
社長の意識の中に出来上がっている印象と評価を、
社長が変わることによって、みんなが同じスタートラインに付けることは、
全ての事が時間によって変化して行く事実において、
ある意味において『公平』なのかもしれない。

 

 

しかし、よく事業継承の失敗例として言われる大塚家具の場合、
新しい社長が、前の社長の造り上げてきた価値観を全否定して、
自分の持っている前社長への反感を前提にした新しい価値観で、
会社を造り変えようとすると、
組織が困惑するばかりでなく、肝心なお客様が感情的に困惑して、
反発して、買わないという選択で
売上げが落ち、業績が著しく低迷しても、
なお新しい社長は自分の価値観を信じて、さらに変革の道を突き進めば、
その価値観にすり寄ってくる勢力が「味方」としてへばりつき、
いずれはその勢力に吸い取られることになるのではないか。
大塚家具が中国系のファンドなどから間接的に資本を受け入れたと言い、
中国の富裕層を新たなマーケットとして開拓するという。

 

そんな事をテレビの取材番組が言っていて、
背筋が寒くなる思いをした。

 

 

娘の男親に対する反発は、
「お父さん、汚いっ。」から一歩も出ていないのではないか。
そんな単純な嫌悪感から、大きな会社が揺らぐ大事に至る様子は、
見るに忍びないものがある。
私の偏見かもしれず、間違っているのかもしれないが、
感情的にそんなことを思いました。

 

“反発”を原点とした価値観は、歪みやすいし、付け込まれやすい。
価値観は、
お客様の喜びと仲間達の喜びを原点とすれば簡単で、
決して揺らぐことなく、付け込まれようもない。

 

そこがぐらつかなければ、
適時に行われる事業継承は、良いことが圧倒的に多い。
と、思います。

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2019年02月14日(木曜日)

2.14.会社の新しい体制をみんなで確認した会

今日は「創立33年会・社員全体会」と銘打った大パーティーでした。
たくさんのお客様をお迎えして、大盛況でした。
皆さん、大変お忙しい方々ばかりなのに、本当にありがとうございました。
会社に関わる多くの方々に加えて、
社員全員も参加して、
会社の新しい体制をみんなで認める会であったような気がします。

 

心配だった会の最初の私の話は、
何カ所か少し支離滅裂気味の所もありましたが、とりあえず無事終わりました。

 

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2019年02月13日(水曜日)

2.13.明日は何を話そうか

明日は「33周年記念の会」と銘打って、
約450名の社員ほぼ全員と、約160名の大切なお客様や、
協力会社の皆様に集まっていただき、
名古屋駅の上のホテル「マリオット」の一番広い部屋を借りて、
約4時間のパーティーを開きます。
33周年という中途半端な周年を記念してとありますが、
実際は私の社長退任と新社長の紹介とお披露目の会です。
しかし、会社の代表の交代は会社の需要な出来事であって、
正式に広く「開示」してからでないと、そう銘打つ訳にいかないので、
準備とご出席の案内には「33周年記念の会」とせざるを得なかったのです。
しかし、昨日やっと正式に取締役会で、
谷 好通の代表取締役会長兼CEO就任と、
賀来聡介の代表取締役社長兼COO就任、
そして鈴置力親の専務取締役就任の決議がされて、
広く「開示」と、記者会見で発表させていただいたので、
この会が代表者交代のお披露目の会である事を言えるようになりました。

 

明日の最初の45分間、私の出番で、
私が話したいことをお話しすることになっています。
もう何日も、何を話そうか考えてきましたが、
頭がまだまとまりません。
話したいことが湧いてこないのです。
私はこんな時でも、夜よく眠れてしまうので、
このままで行くと、直前まで頭が空っぽのままです。
45分というとけっこうな時間です。
私の皆さんに最後の話す機会ですが、
このままだと無言のままでのお別れになってしまいます。
私の、たぶん、一番困った直前の一夜です。

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2019年02月12日(火曜日)

2.12.新社長47才、新専務41才。

本日の役員会で、
私、谷 好通(66才)はKeePer技研株式会社の代表取締役社長を退任しました。
一言で言えば社長を引退したのです。
引退したと言っても、仕事を放り出した訳ではなく
新たに代表取締役会長兼CEOに就任して、
経営全体の責任は負いつつも
「企画」と「製品」の仕事に幅を狭めて、しばらくの間、仕事を続けます。
三月に入ったら腰の手術のために約一か月入院するので、
この機会が、ちょうどいいと思っています。

 

三十三年間ずっと「社長」であり続け、そう呼ばれてきたので、
「会長」と呼ばれても自分の事ではないような気がして、
まるで町内会長のようで嫌なのですが、
そのうち慣れると思います。
しかし面白がって「町内会長」とか「生徒会長っ」と呼ぶのはやめて下さい。

 

このブログは「社長ブログ」ではなく「谷 好通ブログ」なので、
役職が会長になっても、このまま続けるつもりです。

 

新しい代表取締役社長には「賀来聡介(47才)」が就任しました。
鈴置力親(41才)は専務取締役です。
若い彼らは底知れないエネルギーを持っています。
しかも感性も豊かで、しっかりとした価値観を持っています。
新鮮なパワーでKeePerをひっぱってくれるでしょう。

 

代表取締役社長 賀来聡介(47才)

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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