谷 好通コラム

2024年05月26日(日曜日)

05.26.成功し豊かになり褒められ讃えられると、人は自分が正しくなる。

腰を痛めても、車いすに乗っていれば不自由はないし、痛くないが、

少なくとも遊びに行くことは無いので、

テレビを見ていても、目が捕まって、時間が無駄に過ぎるだけで嫌なので、

また、書き始めている。

 

この会社は来年の2025年8月16日に創立40周年を迎える。

だから、今は38年と9か月を過ぎた所で、

会社を作った私が72才と2か月なので、

この会社を造ってからの年月が、私の人生の半分以上になっています。

しかし自身の感覚として、

私の人生のほぼすべてが会社を造ってからのように感じるので、

それまでの32年間が薄かったように感じるのは単なる錯覚ですが、

きっと、それは接する人の数と濃さの違いで、

起業の前と後からの人生の濃さの差を感じるのでしょう。

 

学校の時も含めサラリーマン時代は、

他人との関わり合いは数も限られていて

サラリーマンの時はお客様と会社の人達との単調な関係だけでした。

ガソリンスタンドとして独立してからは、

店簿にいて店を運営するだけでなく、

仕入れもあり、銀行との関係もあり、土地の地主さんとか、

色んな立場の人達ともコミュニケーションを取るようになって、

ほんの少しだけ実業家っぽくなってくる。

 

これが、KeePer技研㈱の場合は、

ガソリンスタンドだけでなくコーティング事業も始めて

仕事の幅がうんと広がった。

さらに直営店だけではなく、

KeePerを世の中に広め始めると、

今度はKeePer製品を販売した導入店を成功させることが大事な仕事になる。

その為に、製品を販売するというだけでなく、

その技術を広く教えなければならない。

教える人は、直営店で技術を磨いた人たちがインスチラクターになる訳だが、

その教え方を作り、その教え方をインストラクターに教えなければならない。

また自分たちの店舗でうまく行ったこと、学んだことも、教えていく。

単に自分たちの店舗を成功させるだけでなく、

その成功を広める仕事を始めると、

桁違いに多くの能力とコミュニケーションを持つことになる。

その濃さは、自らの成功を創り出すだけとはまったく違う濃さであった。

 

人の成功は嬉しいもので、

間接的な成功でしかないはずなのに。

しかし結果的に、この間接的な成功がこの会社の成功を10倍にしてくれた。

間接的な成功から得られる報酬そのものは、

直接的な成功から得られる報酬の10分の一ほどもないが、

そのスケールは10倍よりはるかに大きいので、

この会社のビジネスの成長に大きなスピードと、しかも濃さを与えてくれた。

それだけでなく、それぞれの人に自信と誇りを与えてくれた。

このKeePerの仕事は、仕事を生活の為に報酬を得る手段という意味から、

相手の喜びと成功を通じて自らの喜びも得られるという体験から、

仕事が遣り甲斐という意味を持ち、報酬以上に豊かさを得ることが出来た。

 

 

しかし、その反面、

それぞれ会社を構成する者が、

自分がなし得た成功以上の評価を他から与えられる事にもなり、

本当の自分を見失い始める。

 

成功して力を持った会社に所属していると、

その会社を訪れた人や、関わる人は、

そこに所属している人を成功した人として扱う。

成功した会社の人は、=成功した人。

高い功績を挙げている会社に所属している人=高い功績を挙げている人。

評価の高い会社に所属する人=評価の高い人。

として、

他の人は、その人を褒め、讃える。

すると、

その会社に所属している人は、

自分が褒められ、讃えられている事になり、

人間は、他人からの評価によって大きく影響を受けるので、

褒められ、讃えられた人は、簡単にその気になってしまう。

まずい事に

その人にとっては、今の自分が肯定されたことになるので、

今の自分を、

自分もごく自然に肯定して、

今の自分をこれで良い、正しいと思い込んでしまう。

人間はチヤホヤされると簡単に自分が正しくなってしまうようです。

 

正しくなってしまうと、もう自分を否定することは無くなって、

自分で自分を否定できないという事は、

学ぶことが出来なくなったという事でもあり

学ぶ、変わるということは無くなって、

つまり、成長することは無くなってしまう。

人は自分が正しいと思った時が、成長が止まった時ともいいます。

 

成功している会社は、常に成長している会社でもあり、

会社が成長しているという事は、組織もどんどん大きくなっている事でもある。

すると、

そこに所属している者は、

その仕事の量も質も上がっていくことになるので、

その人自体も成長していかなくてはならないのだが、

その人は既に、他人から褒められ、讃えられて正しくなってしまっているので、

正しいので成長する必要も無いので、会社の成長に全く着いて来れない。

すると、

その人を褒め、讃えてきた外の人は、

その事態を見破って馬鹿にし、付け入ってくるか、相手にしなくなる。

 

成功し豊かになり、褒められ、讃えられると、人は自分が正しくなる。

 

会社が成長してくると、

それを構成する人々が豊かになり、

人は、褒められ、讃えられると、どうしても自分が正しくなってしまうので、

どうも、そこから長い凋落の道が始まるようです。

 

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2024年05月25日(土曜日)

05.25. 長い行列が出来ていたラーメン屋がガラガラになっている。

近所にあるラーメン屋さんがテレビのグルメ番組に取り上げられて、

それから有名になり、爆発的にお客さんが増えて、行列が出来るようになった。

いつ行っても行列に並んで

ラーメンを食べられるまでに1時間以上かかる。

 

ラーメンを食べる為にそんな無駄な時間を潰せる人はそんなに多くなく、

何度も来る人は少なく、私も二度と並んだことは無かった。

それでも、テレビで取り上げられた有名なラーメンを1度は食べてみたいと、

新しい客がどんどん来て、

行列の長さはしばらく短くならなかった。

 

店内はいつも戦争のように忙しく、

店員さんは、次から次へとやってくるお客さんが座る場所を指定して、

お客さんの注文を機械的にテキパキと聞いて、調理場に伝え、さばいていた。

もちろん無駄口など叩かない。あくまでもテキパキとさばいていた。

その内に一人のお客さんが

「すいません、味噌チューシュー頼んだんですけど、」と、

出てきたラーメンが違うという、

店員さんは「あーすいません。すぐ作り直します」と言うかと思ったら、

「えーっ、そうですか。」と言いながら、

不満そうに作り直した。

 

長い行列ができ始めてから、

店員さんの笑顔はまったく無くなって、ただ、さばくようになっていた。

忙しくてそれどころではなかったのだから、仕方がないと言えば仕方がない。

しかしそのイメージは、

店員さんが上からお客さんを見ているかのようだった。

肝心のラーメンは、たしかに美味しくはあったが、

スープに特徴があって変わってはいたが、クセになるようなものではなかった。

 

物珍しさに新しいお客さんが次から次へと来るのですが、

何度も何度も通う人は少なかったので、

あるいは不快を感じる人もいて、

ましてや、ここはそんなに大きな町でもなく、何年か過ぎたら行列は消えた。

 

しかし長い行列が出来ていた頃、このラーメン屋はすごく儲かっていて、

そのラーメンにもすごく自信を持つようになっていて、

隣の大都会の繁華街の一等地に出店を出していた。

もちろん「○○テレビで紹介された○○ラーメン」とでかでかと看板を出して。

当然、その出店は繁盛した。

しかしその大繁華街には強い競争相手がごろごろしているので、

長い行列までは出来なかったが、桁違いに濃い需要に十分大繁盛が続いた。

店主はますます自信を持ち、スタッフ達も大きな自信を持ち、

田舎町にあった本店の行列が消えたことには、何の危機感も持たなかった。

 

その頃本店は、行列が無くなって空席が目立つような暇な店になっていた。

しかし、本店の店員さんの態度は相変わらずで

「大都会の繁華街で人気のある○○ラーメン、田舎町にはもったいない。」と、

暇な店なのに、何となくお客さんを見下すような客さばきをする。

当然、その本店は、相変わらず暇な店のままで

結局、その○○ラーメンは、

相変わらず2店舗から増えて行かず、今でも相変わらずである。

 

○○ラーメンは、それほど大したことは無いとは思うが、

世にある何100店舗もの△△ラーメンチェーンぐらいは十分に美味しい。

しかし、

本店で一度長い行列が出来た時に、

つまりオーバーフローしてしまったぐらい人気が出来た時に、

店員を含めて店のみんなが勘違いをして、

お客様をありがたいと思う気持ち、歓迎する気持ちを見失ってしまった。

 

さらに大都会の繁華街、大きなマーケットに2店目の出店を造って、

そこも繁盛したので、その勘違いに確信を持ってしまって、

お客様をありがたいと思う気持ち、

「歓迎する気持ちを取り戻す必要性」すら見失ってしまい、

結局、そこまでで終わってしまった。

 

店にお客様が溢れてオーバーフローした時、

一番大切なもの見失う危機がそこに発生して、

それを取り戻す必要性すら見失い、そこで終わってしまう危機がそこに生まれる。

 

 

我々は、決して勘違いすることなく、謙虚さをもって、

自らを磨いていかねばならない。

お客様にとっての価値、確かなキレイさを生み出す為に技術を磨いていかなければならない。

今年の技術コンテストも、予選参加者が5,100名を越しました。

 

 

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2024年05月24日(金曜日)

05.24. その⓶ 相手に正直に伝える事がなにより信頼の強さになる。

自分を実際より背が高く見せる為に高いヒールの靴を履いたり、

自分を実際の年より若く見せる為に装ったり化けたり、

人間は実際の自分より良く見られたいという欲求を普遍的に持っているようです。

しかし、

これが商品であったり、店舗である場合、

実際よりもよく見せたり、高い性能であるかのように宣伝すれば、

それが誇大広告と思われた時には、逆に、信用を落として逆効果になる。

だから、

その商品や店舗を長く使っていただこうと思ったら、

絶体に誇大広告にならないように気を付けて、

もっとオーバーに言いたいところも抑えて

出来るだけ正直に伝えた方がかえって良い結果を出すことが多い。

 

正直になれただろうか。

ただいま製作中のKeePer LABOガイドブックの一部分のページ。

 

 

 

 

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2024年05月23日(木曜日)

05.23. 相手に正直に伝える事がなにより信頼の強さになる。

昨日、賀来社長と、山下常務、増田部長の三人が、

ドイツSONAXに出かけて調印式を行いました。

 

元々KeePerとSONAXとの大切な約束事は

SONAXホフマン社長からの署名入り宣言の手紙(契約書として有効)と、

なにより、

KeePer技研株式会社の社長であった私とホフマン社長との口約束でした。

お互いに、交わした約束は、

その時々の損得勘定など抜きで、絶対に破らない強い意味を持っていました。

その絶対的な信頼関係で、

誠意をもって、約25年間を続けてきたので、

改めて書類での契約を交わす必要も感じていなかったし、

これが一番強い信用できるつながりだと思っていました。

 

しかし、私が72才、ホフマン社長が68才、

お互いに万が一の恐れの確率も確実に増してくる年齢であり、

特に私はCEOとして一切の責任を持った上とはいえ、

社長職を譲って会長職に退き、陣頭指揮から一歩引いた立場になった事もあり、

一度、キチンと書類に残した契約にしておくべきとなったのです。

それで今回、お互いに吟味を重ねた内容で契約書を造り、

KeePer技研株式会社の実務上の最高責任者として、

実務代表、財務代表、製品代表の三人がドイツに赴いて調印式となったのです。

 

しかし、正式に契約書を交わしたとはいえ、私は、

ホフマン社長やDr.ピッチたちとの信頼と約束が絶対的だと思い続けています。

お互いに、自分の事をそのまま100%正直に伝え合い、

お互いに信頼できる相手と認め合った約束は、

それが口約束であっても

どんなに正確に書かれた文字での契約よりも、固いものであると信じています。

 

相手に、自分の思っている事、感じた事、考えた事を、そのまま正直に伝える事。

相手に正直に伝える事がなにより信頼の強さになります。

 

とはいえ、

三人の最高責任者たち、ご苦労様でした。新しい時代の幕開けです。

 

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2024年05月23日(木曜日)

05.23. イスに座って、順番を待ちながら。

今日は病院に来ているが、

病院に来ている患者さんたちは、若い子はほとんどいない。

私と同じようなおじさん、おばさん、というより爺さん、婆さんがほとんどだ。

 

動物はわざわざ老化するように細胞の仕組みが出来ているのだそうだ。

だから、きちんと老化して、キチンと死ぬように出来ている。

生き物は一定のサイクルで世代が変って行かないと進化出来ない。

雄と雌がお互いの遺伝を持ち寄って

新しい世代を造ることが進化の源だが、

せっかく新しい世代が出来ても、古い世代がずっと生きていては、

変わっていかないので進化したことにならない。

だから、古い世代は死ぬことが義務であるという言い方もできる。

 

生き物は進化して今の自分があるのだから、

進化を肯定せざるを得ないので、

動物は死ぬことは必然であり、絶対的な義務と言う事も出来る。

だから、人もきちんと老化して、まっしぐらに死に向かっていく。

色んな部分が壊れて、若い時には自己回復できても

そのうち回復できずに、まっしぐらに死に向かっていく。

 

しかし現代は、

治療すれば回復できるようになって、

自然の昔ならば死ぬはずの個体も、無理やり生き延びられるようになったので、

年寄りが驚くほど増え、

特に生き延びる為の病院に来る人も増えて、

こんな光景を造っているのだなぁ。と考えたりして私も診察を待っている。

 

しかし、私もすでに72才になっていて、

もうちょっと生き延びようとしている人たちと一緒になって病院にいるが、

私の腰は、実を言うと、

先週の火曜日のトレーニングでスクワットをやっていて、

調子が良かったので2セット目に行く時に、

腰から足にかけて違和感が出、中止したのですが時すでに遅し。

四日ぐらいかけて徐々に痛みが増してきて、今の事態に至っているのです。

早い話が、やり過ぎたという訳で、

病院で撮ったMRIでは、軽い椎間板ヘルニアで

しばらく痛み止めを飲んで様子を見ていれば

そのまま治ってしまう場合も多いそうなので、今その様子見の期間中です。

 

更に30日には

5年前、私の脊柱管狭窄の手術をしてくれた名人先生にも診てもらえるので

それまで痛いのを、薬を飲みながら我慢する今です。

更に、更に、

毎日の仕事の予定は、結局、1つリスケしただけで、

1つも減らすことなくこなしていて、誰も病人扱いしてくれそうもなく、

ヒィヒィ言いながらですが

元気な現役と一緒です。

 

今の瞬間は、

病院に来ていること自体が仕事になっている人と一緒に並んでいますが、・・・

年取って、生き永らえること自体が仕事になっている人と、

腰が痛くても痛み止めを飲みながら、仕事を減してもらえない私と、

私の一生、ずっとこんな風なんだろうな。

と思いながら、私は、幸せだと思います。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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