谷 好通コラム

2024年03月23日(土曜日)

03.23. 35話.KeePerの基本的理念、塗装面改善の方向性。

KeePerが最初に取った特許は「塗装面改善の方向性」と言う名で、

有効期限はもうとっくの昔に切れているが、その考え方の基本は今も続いている。

私がガソリンスタンドの運営で起業して間もない時期に最新式の洗車機を導入した。その頃の洗車機には「水垢落とし洗車」の機能が必ず付いていて、私も早速、お客様の「水垢で汚れた白い車」に使って、それ迄は大変な作業であった「水垢落とし」が簡単にキレイに白くなったので感動してしまった。

だから、ひいきのお客様が買ったばかりの新車のセドリックに早速このサービスを「これはすごくいいですよ」と確信をもって提供した。しかし、この「水垢落とし洗車」をかけた白い新車のセドリックは、白いのは当然だったが、「艶」が無くなって白い艶消しのセドリックになっていた。私は何が起きたのか分からず、何かの気のせいだろうとお客様にお返しした。が、さすがにお客様も何か変だと思われたのか、翌日その白いセドリックを持って来られた。私は「そうですね、じゃあもう一度「水垢落とし洗車」にかけてみましょう。」とまた洗車機に掛けたのだが、艶消し状態はまったく改善されずに、むしろひどくなったような気がした。だから、手掛けの固形WAXをおかて、少しは艶が出た状態にして何とかお返しした。

このことが何だったのか私はよく分からないままだったが、何年か後にコーティングに関わる勉強を始め、塗装とケミカルの事を理解してこの時の事が理解できた。この洗車機の水垢取り洗車では、頑固な水垢(汚れたWAX)を落とす為に強アルカリ(NaOH)の洗剤を高濃度でボディに掛け、回転ブラシで擦ったので水垢が落ちると同時に、新車のまだ固まり切っていない塗装の油分まで落としてしまってパサパサになり「艶がなくなってしまった」のです。(この危険なサービスは、はるか昔にもう無くなっている。)

 

この経験から、「水垢を落とす」と言う効果を出すために、塗装そのものを痛めたのでは本末転倒であり、やるべきではないという事。お客様が求めているのは「車」という財産が単に見た目でキレイになるという事ではなく、誰でも車は大切なので、車そのものを大切にする意味でのキレイさを求めているのだから、車の美装(車をキレイにすること)とは、車の塗装そのものを大切にすることであり、作業の一つ一つは塗装そのものを改善する方向性を持っていなければならないという事。あの時の経験がKeePerの一貫しした理念となっており、その仕組みとケミカルなどの道具もその理念で貫かれている。

 

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2024年03月22日(金曜日)

03.22. 34話 KeePer技術コンテストのルーツは長崎だった。

KeePerが全国のガソリンスタなどに普及したきっかけは長崎のマツハヤ石油での成功であった。マツハヤ石油は長崎地元の古くからの有力企業でガソリンスタンドを多数店舗を運営していると同時に、多角的に事業を行っていた。しかし、バブル全盛の時、不用意にリゾート事業に手を出して失敗し経営的に行き詰まっていた。銀行取引停止の事態だったという。そんな状態のマツハヤ石油に石油元売りの最大手ENEOSから剛腕の遠野氏がトップとして送り込まれた。

こんな場合、通常ならば行き詰まっていたマツハヤ石油をキレイに清算するのが当然であり、それでいいのだが、遠野氏はこの会社を何とか再生して、現場で働いているたくさんの若者たちの生活の糧を保ちたいと考えた。まず社内に有ったたくさんの不合理を整理して、まず、社内を合理的な当然あるべき姿に正した。その上で収益の健全化、つまり儲かる体質にしなければならない。その時にたまたま出会った「KeePer」の収益性と競争力、特に「お客様が喜んでくれる商品」であり「社員も、お客様に感謝されて嬉しい」。その上で収益性が高い。と言うところに目を付けて、KeePerを軸にした店舗運営に大きく方向転換をした。

KeePerのメーカーであるアイ・タック技研(現・KeePer技研)も、KeePerの基本である技術の向上に全面的に協力した。その甲斐もあってか、マツハヤ石油の店舗の収益性はみるみる改善され、会社としての再建の道筋も見えて来た時、技術向上の一環としてマツハヤ石油主催の技術コンテストが開かれることになったのです。一回目は整備工場の中で開かれたのですが、二回目はKeePerも皆さんの中で盛り上がっており参加者がすごく増えたので、大きな施設の大きな駐車場で、テントを張って開かれることになったのです。

ところが、競技会が始まる頃、突然雨が降り、風も吹いてきて、普通なら中止になる所ですが、遠野氏の強い意志で技術コンテストは強行されたのです。そうしたら、競技が始まる寸前に雨が上がり競技は無事に終わったのです。

まるで神がかりの様な不思議な競技会でした。

 

この時に行われた競技会を、アイ・タック技研が真似をして(学んで)、今のKeePer技研株式会社が主催する全日本KeePer技術競技会が始まったのです。

途中で新型コロナ禍での中止がありましたが、今年2024年で第9回目の競技会が約4,000名の予選参加という巨大な規模で開催されるようになっているのです。

 

昨日から、その予選が始まっています。

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2024年03月21日(木曜日)

03.21.地元であることの強さ、信頼の厚み

昨日、新幹線で熊本に来ました。

博多で乗り換えて正味4時間かかりましたが、

飛行機に比べると、気軽に適当な新幹線に乗ればいいだけなので、

飛行機を選択して前もって準備するような気には中々なりません。

日本列島程度の大きさならば、

途中下車が出来る利便性も含めて、

日本国中ほぼすべて、新幹線で用が足りてしまうのでしょう。

すると、

「今日の午後からの予定が空いたので、ちょっと熊本にでも行こうかな。」と、

何の予定も立てずに、

何の準備もせずにフラッと熊本に行けます。

それで夕方から仕事をして、

夜は、熊本の西銀座(東京の銀座の五分の一で飲める)で旨い馬刺しで飲んで、

次の日、朝方の新幹線に乗れば、名古屋に昼までに帰れる。

通勤圏内とまでは行かないが、

日帰り出張圏内程度には違いない。

私は名古屋だから九州がそうだが、東京ならば東北全域がそうであろう。

もう、ローカルという意識が薄くなってきて、

この程度の距離の地が身近な存在になって来ているようです。

 

そうすると、わざわざお金をかけて地方の営業拠点を造って

人を配置しなくても、

トレーニングセンター網さえ造ってしまえば、

技術の伝達と、蜜なコミュニケーションを持てるので、

KeePer LABOの店舗も直営店にこだわらなくても、

地元で活躍している有力な会社にFC店として店舗を委ねて行っても

ブランドとしてのクオリティの維持が出来るように思えてきたのです。

特にしっかりと地元に根付いた力のある企業は力があり、

何より、地元において圧倒的な信頼を勝ち得ています。

 

そんなことを思わせるような、今回の熊行きの距離の近さでした。

今は、名古屋に戻る新幹線の中です。

 

1年3か月前、熊本市のど真ん中にオープンした「KeePer LABO 熊本白山店」。

地元の有力なガソリンスタンドなどを複数経営されているだけでなく

事業の多角化に積極的な「TOKO」さんのFC店です。

  部長と社長に挟まれてなかのさん大緊張です。

ふちわき君と緊張が解けたなかのさん。

うしじまチーフ、しらいし君。

 

今年4月初旬にオープン予定の「KeePer LABO 熊本長嶺店

古くからの友人でありライバルでもあるアイビー石油さんのFC店です。

 

そのアイビー石油さんの熊本でのFC1号店の「KeePer LABO西熊本店

たった5台分のスペースだけで、

平月に1,000万円の実績連発は立派なものです。

なりた君、

かわしまさん、たかはしさん、

はまさき店長、みやたチーフ、

 

帰る頃には、ものすごくキレイな夕陽でした。

さあ、これから西銀座です。

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2024年03月20日(水曜日)

03.20.未来に向けて「ハイブリット型KeePer LABO」の可能性

今日3月20日、茨城県つくばみらい市に

茨城県2軒目のLABO「KeePer LABO 谷和原店」が、オープンしました。

 

この店の特徴は、

トヨタ直系のドライブショップ「ジェームス谷和原店」の店舗と、

建物が一体化して造られていることで、

ジェームスの売り場とKeePer LABOの間に壁も仕切りもなく、

外に出ずにジェームス↔KeePer LABOの行き来が出来ます。

だから、両方をお客様を完全に共有いているような形になっていて、

正にハイブリット型と言えるようです。

KeePer LABOのゲストルーム部分から見える風景が象徴的です。

 

このLABOの待合室の向こうに見える風景が、

この写真ではドライブショップの売り場ですが、

これが、たとえばカーディーラーのショールームだったらどうでしょうか。

 

カーディーラーには、新車を買うつもりが無いと、

とりわけ、そこで売っている車種を買うつもり少しでもないと

なかなか入れないものです。

カーディーラーは、見えないけど、そんな高い敷居を持っているものです。

しかし、

KeePer LABOがハイブリット型としてくっついてきたら、

そのカーディーラーの敷居が一挙に取れてしまう効果があるかもしれません。

 

「ジェームス谷和原店」との一体型の「KeePer LABO 谷和原店」を見ていて、

一瞬、幻のような風景が見えてしまいました。

 

あるいは、待合室から見える向こうの風景が

ショッピングセンターの売り場だったらどうでしょうか。

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2024年03月19日(火曜日)

03.19. TVCMで豊田章男氏いわく「役職は、地位ではなく、役割だ。」

最近のトヨタイムのTVCMで、

豊田章男氏が「役職は、地位ではなく、役割だ。」と、言っていた。

言葉そのものは正確ではないかもしれないが、

たしか、そんな意味のことを言っていた。

これは、誰かの言葉なのだろうか。

私も昔から同じ言葉を言っていた。と、増田部長が言った。

 

会社とは法人であることが前提で、

個人が個人的に運営している会社は、わざわざ「個人会社」という。

わざわざ手続き的に法人格にしていても、

その実態が個人であるならば、それはエセ(似非)法人であり、

その法人の長は個人事業主でしかない。

 

会社とは法人であることが前提なのです。

だから、会長、社長、代表取締役、取締役と、すべての社員との関係は

「支配者・所有者」と「被支配者」「奴隷」「使用人」の関係でもなければ、

「雇い主」と「雇われ人」の関係でもない。

「親子・兄弟・血縁」の関係でもなければ、

もちろん「友人」「恋人」の関係でもなく、当然「親分」「子分」でもない。

 

それぞれが、

法人という「組織」に属し、

その組織の中でのそれぞれの「役割」を担う為の、「役割」の名称でしかない。

だから、その役職によって、

人格の上下の差がある訳が無く、

人としての尊厳に上下、尊卑の差がある訳でもない。

 

しかし法人にも、所有者はいる。

たとえば株式会社ならば株主達がその会社の所有者達であり、

その会社の過半数を所有する者が、実質的にその会社の所有者となる。

その会社の所有者と会社の最高責任者が同じ場合、

その会社をオーナー会社と呼んで、

法人である会社と個人との境目があやふやになり、多くの場合が混同される。

こんな会社≒個人では、

多くの社長が、

自分を「主人」「親分」「王様」の様に勘違いし、

自分にゴマを擦ってくるような者、

あるいは自分に服し、何でも自分の言うことに服従し、

隷属するような者をかわいがり、

自分が気に入っている者を重要な役職として重用すると、

その会社≒個人は間違いなく弱体化し、

法人として社会的役割を逸する。

 

そのような会社が株式公開していると、一般株主からの評価は低く、

株式は低迷し、株式の時価総額が自己資本を下回るような事態、

PBRが1を割るような事態となり。

敵対的TOBの餌食になることもあり、

ある会社は会社≒個人の状態を守る為に上場廃止を行い、

多くの会社は、会社≒個人の状態を打破する為に身を切る改革を行う。

 

社会及び株主は、当然、後者を求める。

個人≠会社なのだから。

会社≒個人は、

個人の税制より法人の税制の方が有利なので法人にしているだけの、

巨大な個人事業でしかない似非法人とも言える。

 

だから、正常な会社においては

「役職は、地位・特権ではなく、役割だ。」が、正常であり当然の事でもある。

 

今日はそんなことを思いました。

 

本文とは全く関係なく、LABO店舗の夜景を使った大判ハガキ。

なかなか、艶めかしくって一人で気に入っていきす。明日、熊本に行ってきます。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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