谷 好通コラム

2022年09月09日(金曜日)

09.09.「事業承継」のむずかしさ

私、谷 好通は、

約三年半前に、KeePer技研株式会社の代表取締役社長を退任して、

現在の代表取締役会長兼CEOに就任しました。

つまり、

仕事の執行実務をけん引する「社長」presidentを引退して、

経営を客観的に捉え、指揮する「会長」chairmanと、

「CEO」経営最高責任者で、最終的にすべての責任を取る立場、

つまり、最前線の現役から一歩下がった立場に退きました。

これは、

数年の内に、仕事からは完全に身を引くことを前提とした立場で、

肉体的な限界と、仕事に関わっている間に

認知症などでボケてからの引退では良い事業承継は出来ないだろうと考え、

まず、その第一歩として「会長」に退いた訳です。

 

だからその目的は、スムーズな満足できる事業承継の実現であることです。

しかし、この形は多くの会社で失敗していて、

一旦退いた経営者が、後継者の経営に満足できずに、

現役の社長に返り咲いて、

圧倒的なジジイになっても引退できないでいる経営者がいっぱいて、

つい最近も日本電産のカリスマ・永守氏が現役のCEOに再登板しています。

 

私は、肉体的にそれほど自信がある方ではないので、

現役に復帰して、最前線に再び立つことは出来ないので

この再登板だけは絶対に避けようと、自身の中では強く決心しています。

そこで、いつまでも細かい事にはあえて気を掛けず、出来れば見ずに、

あくまでも戦略的な観点から物を見て考えるようにして、

誤解を恐れずに言えば

「面倒くさい仕事をさぼるようにして」仕事をしています。

 

しかし、この会社のビジネスを大局的かつ長期的に見た場合、

最前線にいる時よりも、

先の見通しがより鮮明に見えてきて、

会社としての戦略を、先頭に立ってリードしてしまう事が増え、

それが結果的には、うまく行っている場面が多くて、

知らず知らずに経営をリードしてしまっている場面が多くあります。

それはそれで、以前よりも今の方が「経営者」らしくて、

必ずしも先頭に立って旗を振っている時より、

より経営者らしく、うまく行くようになった気もします。

 

しかしこれをしながら、

会社がどんどん成長していくと、

その役割から引っ込みがつかなくなってきていて、

目的であった「事業承継」がどこかへ行ってしまいそうになって、

「これは、まずいかなぁ」と思う事もたびたびです。

 

しかし、

事業はうまく行けば行くほど、

より大きな先が見えてきて、それを目指すのは無常に楽しく、

元々の仕事大好き人間の私にはたまりません。

 

事業承継は進めなくて行かなくてはならない。と考えても、

仕事大好き人間にとっては、

別に、事業承継をしたいという訳でなく、

これをして行かなくてはいけないという頭の部分での動機であって、

事業を拡大して、

自分のやりたい事、実現したい事は、

心(Spirits)の部分の動機であり、つい、そちらが先行してしまうものです。

 

特に、中期経営計画なんぞを造ってしまうと、

自分のワクワクを抑えきれなくて、困ったものです。

 

しかし、

再登板の愚だけは侵す訳には行きません。

がしかし、心配いりません。

私はすでに三年半前からの、

「面倒くさい仕事をさぼるようにして」仕事をする「楽チンさ」からは、

とっくに抜け出せなくなっているので、大丈夫なのです。

 

「事業承継」とは本当に難しいものですが、

案外、

「面倒くさい仕事をさぼるようにして」仕事をする

「楽チンさ」が決め手なのかも知れません。

 

 

人間の年齢に換算すると、そろそろ100才に近くなってきて

一日の大半をこんな感じで過ごす「楽チンなチーちゃん」

 

何という花でしょうか。きれいですね。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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