谷 好通コラム

2020年08月05日(水曜日)

8.05.私にもう一度、別の人生があったのなら

ありもしないことだが、
ひょっとして、我が人生を、数十年前からやり直しが出来るのなら
私はどんな人生を選ぶだろうか。

 

私は昔から大きく高い目標を掲げて、
それをめがけて走ってきたタイプではなく、
その時その時で、自分がそうしたい、そうすべきと思った選択をしてきて、
その結果がこうなっているだけのような人生だった。
もちろん、それを否定するものではなく、後悔するものでもないが、
今一度、その選択を変えてもいい人生を与えられたとしたら、
私はどんな選択をし直すだろうか。

 

昔を思い出して「あの時、ああすれば良かった」と、
思い返すような失敗はなかった。
私の両親は私を造ったことを失敗であったとは思わないだろうし、
私も今の家族で失敗だったとは全く思わない。
しかし、失敗だったとするならば、
与えるべきではない人に与えるべきではない物を与えてしまったばかりに
失わなくてもよかった物を失ってしまった失敗を後悔したことはある。
それも何度かあって、歯ぎしりを噛む思いをしたが、
それが私の後悔と言えば後悔だ。

 

「与えよ。さらば与えられん。」という言葉があるが、
ギブアンドテイクで、ギブ(与える)が必ず先に来るものとはその通りだと思う。
商売においても、
お客様に先に価値、たとえば美味しいとか、嬉しいとかの価値を与えなければ、
その価値が、本当にその値段に値するような価値がなければ、
お客様は買ってくれないし、買い続けてはくれない。
買って欲しい。買い続けて欲しいと思えば、
買ってくれるその人にそれ以上の価値を与えなければならない。
それ以外に方法はなく、
逆に、それさえすれば買い、買い続けてくれる。
商売とは、非常に単純で、解りやすいもので、そういう意味では簡単だ。

 

ただ、”奪う人”に、
うっかり先に与えてしまうと、逃げてしまい、その物とその人を失う事はある。
相手が、奪う人であることを見破れなかった時、
うっかり、先に与えてしまった時、すべてを失うことはあった。
後悔といえば、それぐらいのことだ。
私は、私の人生をもう一度やり直せたとしても、
すべての選択をもう一度やり直しても構わない。
もう一度そのままトレースしていい。
ただ、奪う人だけは見破りたかった。ただそれだけだ。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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