2016年05月07日(土曜日)
5.07.反省、どうも考え方が逆だった
「キーパーLABOイオンタウン彦根店」について、
オープンしてから7か月間、どうも私たちは考え方が逆であったようだ。
ショッピッングモールとしての”イオンタウン彦根”の来店客数は、
他のイオンタウンに比べてもずいぶん多い方であった
実際の数字は忘れてしまったが、年間280万人とか、240万人とか、
いずれにしても、私たちの感覚ではとんでもなく多い来店客数で、
そんな大きな集客力を持った施設の中へ出店すれば、
少なくともお客様の数で困るようなことは絶対に無かろうと思いました。
がしかし、ものすごい数の人達がモールの中で動き回っていても、
その人たちが乗ってきた車は、
LABOの店内に入ってくることは少なく、
駐車場に停められたまま、お買い物が済んだら、さっさっと帰って行きました。
隣り店「GU」から歩いてLABOの店を覗きに来る人は結構いましたが、
その境目がゲストルームになっているので、
LABOの作業場が見えず、
LABOが何をしている店なのか分らなかったので、
「キーパーLABOとは・・・」みたいなLABOの案内を大きく書いて
隣りの店との境目に設置しました。
これはこれでそれなりの効果があって、
お問い合わせに訪ねてくれる人が増えたそうです。
しかしまだ絶対数は少なく、
根本的な解決策にはなりませんでした。
そこで、店舗のスタッフ達は、イオンタウンの中の色々な場所で
「キーパーLABOのパンフレット」を、手渡しで配りました。
最初はツナギ姿のままで配っていて、
でもそれがお洒落なショッピングモールの中では怖い感じがしたので、
パンフレット配布の時にはわざわざKeePerポロシャツに着替えて配ったり、
色々と工夫しながら配っていました。
これは、お客様から話しかけられたりして
それなりの効果があったそうですが、でも決定的な効果にまではなりません。
ところがその内に、
イオンタウンの中を歩く人で、
LABOのパンフレットを受け取るのをいやがる人がいて、
それに気が付き配布をやめたそうです。
もう何か月も一定の空間であるモールの中でパンフレットを配っていたので、
嫌がる人も出てきたのでしょう。
そこで考え込みました。
イオンタウンに来ている人達は、
服や靴、電気製品、食べ物などを「買い物」に来ている人達なので、
まず、車は駐車場に停めます。
それから買い物をしている最中に、
車をキレイにするサービスの店のパンフレットをもらっても、
買い物と車に対するサービスとは次元があまりにも違ってピンと来ず、
買い物の途中で車を注意車場に取りに行ってLABOに来ることはないでしょうし、
買い物が終わってから、LABOに寄る人もいないでしょう。
買い物に来た人はその場ではLABOとは縁が無かったのでしょう。
だから、
「買い物をしている間に車がキレイになります。」と、
買い物をしている人達にモールの中でアピールしても、
その気になってLABOに来店してくれる人は少なかったはずです。
キーパーLABOの店舗とお車がキレイになるサービスは、
モールの外に、モールに来る前に、モールと記関係なしに、
キーパーLABOとして、KeePerの良さと快適さを、広告宣伝して、
キーパーLABOに来る動機にしなければならなかったのです。
そして、イオンタウンに来たら、
駐車場に車を止める前にキーパーLABOにまっすぐ車を持ってきて、
洗車やコーティングを頼んで、それから、買い物に行くのです。
すると、ついでの買い物をしている間に、
頼んであった洗車やコーティングが出来あがっていて、便利なのです。
つまり、
「買い物のついでに車がキレイになる」のではなく、
逆に、
「車をキレイにしているついでに買い物が出来る。」のでした。
それが、
イオンタウンというショッピングモールの中に
キーパーLABOを造るメリットなのですね。
考え方が逆でした。
だから、買い物に来ている人達にLABOの宣伝をしても効果がなく、
むしろ、LABOの宣伝はモールの外に対して宣伝して、
LABOに来るついでにモールで買い物が出来るメリットにすれば良かったのです。
主客が逆でした。
この事にはずいぶん以前に気が付いたのですが、
具体的にどうすればいいのかが分かりませんでした。
広告宣伝とLABO店舗のアピールの方法を外へとガラッと変えます。
その為のツールも早速いろいろと作って見ました。
彦根店だけでなく、同じイオンタウンの中にある芸濃店も、
今後の販売促進活動と宣伝広告の方向をガラッと変えて行こうと話し合いました。
外への宣伝です。
ついでに
「キーパーLABOイオンタウン彦根店」
「キーパーLABOイオンタウン芸濃店」
という店名も、
「キーパーLABO彦根店(イオンタウン)」とか、
「キーパーLABO芸濃イオン店」とかに改名しようとも思います。
いずれにしても、
キーパーLABOは、小売り店舗の形態を持っているにもかかわらず、
商品を店頭で小売り販売していくフロービジネスの類よりも、
その異常に高いリピート率と定着率から、
むしろ、ストックビジネスに類するのではないかと、
IR先の機関投資家の方から言われたことがあります。
ストックビジネスならば、
開店してから固定したお客様が一定の数までに累積する間、
売り上げが低迷するのはセオリーです。
キーパーLABO店舗は、開店当初は来店客数が少ないのですが、
新規客がリピート客になって、来店客数が徐々に増えて
例外なく開店後2年~3年後には、
リピート(固定)客数/来店客数が、85%程度に落ち着きます。
これは本当に例外なくそうなのです。
とすると、逆に新規客は15%程度に落ち着くということであり、
店舗がオープンからある程度経って、新規客数が落ち着くと、
開店2年~3年後に到達する月間総来店客数が逆算できるようになります。
月間新規客数/月間総来店客数=15%
⇓
月間新規客数/0.15=月間総来店客数
この計算によると、
彦根店の平均的な新規来店台(客)数は70台であり、
そこから予想される2~3年後の月間総来店台数は70/0.15=467台。
この店の台当たり販売平均単価が8,430円/台なので、
2~3年後の予想月間売上金額は3,933,824円となって、
十分に採算ベースに乗って、十分な収益性を出しているはずだ。
ふと考えると、いつもの普通の新規路面店ならば、
今のLABOイオンタウン彦根店のペースを”当然のこと”としているのに、
このショッピングモールの持っている圧倒的な集客力に惑わされて、
今のペースを「もっと来るはず。こんなはずではない」と焦ったようです。
それで、取るべき宣伝広告の手法を間違えて、
モール店内での宣伝活動に無駄に時間と手間を費やしてしまった。
このペースでも上記のように採算ベースには乗のますが、
正しく宣伝広告を修正すれば、
リピート率を下げないまま、今以上に新規客数が増えて、
採算ペースに乗るスピードが上がるはずです。
キーパーLABO彦根イオン店と、芸濃イオン店の
打つべき手段が明確になった昨日のミーティングでした。
ただし、
こう考えると、ただ単に新規客数を増やせば、
自動的に総来店客数が増えるように思えるが、
新規客数を「安売り」「キャンペーン」など、
集客策で増やすと、
集客策で集めたお客様は、宿命的にリピートしないので、
肝心なお客様の固定化率、リピート率が致命的に落ちてしまい、
総来店台数はかえって減ります。
ストックビジネスに安易な安売りとキャンペーンは禁物なのです。