谷 好通コラム

2016年04月10日(日曜日)

4.10.決勝、平川亮はやはり只者ではなかった。。迫真の2位。

#37 KeePer TOM’S RC Fは、
今年の初戦もポールポジションからのスタートでした。

 

スタートドライバーはジョージ・ロシター。
彼は今年から#37に乗るのだが、
去年までペトロナスカラーの#36に中嶋一貴とペアで乗っていました。
ベテランのイギリス人。その強気と速さには定評があります。

 

予選タイムのトップタイムは平川亮が出したもので、
ロシターは7位(?)くらいのタイムだったが、
Q2(クォリファイ2)が平川だったのでポールポジションとなった。

 

ロシターも負けていない。
スタート直後から
飛ばしに飛ばして2位の#6 WAKOs RC Fをぐんぐん離した。
一時は6秒以上離して独走態勢かとホッとし、
「やっぱり、岡山は今年も#37かぁ、楽勝かな?」と軽口をたたくが、
もちろんそんなに簡単ではない。

 

晴れの今日、コースに陽が照って、
14時40分のスタートから30分以上だったころから、
路面温度が上がって、
ミシュランタイヤが強い温度帯にはまり、
ミシュランタイヤユーザーのタイムが上がってきたのです。
3位だったミシュランタイヤを履く#1 MOTUL GT-Rが、
私達と同じブリジストンタイヤを履く2位の#6WAKOs RC Fを抜き、
1位の我らが#37を急追してきた。
30数周目、とうとう#1が#37の後にピタッと付いたら、
#37はすぐにピットロードに入り、ピットインして
無駄に消耗することを避けました。

 

すぐにフレッシュタイヤに替え、
平川亮が乗り込んで出て行ったのですが、
給油とタイヤ交換のピット作業に46秒かかってしまった。
そのあと、
#1もピットインしてきて、
いま日本で一番速い男と定評の、松田次男にドライバー交替。
しかも、#1のピット作業時間は、わずか40秒

 

#1がコースに戻った時点で、
#1が1位、#37は2位となって、その差は10秒近くもある。
ピット作業の差と、ほんの数周のタイムの差が、
2台のデッドヒート無しで、いっぺんに出現した10秒の差。

 

断っておきますが、
これはブリジストンタイヤが、
ミシュランタイヤに対して劣っている訳ではなく、
たまたまの路面温度の温度帯がシュランタイヤに有利であったわけで、
この温度が高いか低いか、あるいは雨が降ったりすれば、
ブリジストンタイヤを履いたユーザーに有利になったりもする。
どのタイヤも、すべての状況でベストの性能を出すような
オールマイティーとはいかないのです。

 

レスに戻る。
しかも、レースが50周を越したぐらいから、
2位を走る#37の後から、
#46 S-ROAD GT-Rがその差をじわじわと縮めてきた。
この車もミシュランタイヤを履いています。

 

まだ25周以上を残した時点で、その差は12秒ほど、
1周のタイム差は1秒以下ではあったが、
計算上は、十分に#46が追いつき抜かすことが出来る差だ。

 

じわりじわりと差は縮み、
残り7周ぐらいからは、
ピッタリとテールツーノーズでくっついて周回する。
いつ抜かされてもおかしくない態勢だ。
しかし、#37の平川亮は、
インを空けないのは当然としても、進路をふさぐことでではなく、
はっきりとスピードで、#1の前を引き離したりして闘っている。
普通は後ろから迫られると、委縮したように余裕がない走りになるものだが、
亮は速い。平川亮は本当に窮地に追いやられた状況でも、委縮するどころか、
その速さをむしろ増して、ぐんと速くなって、闘っている。
こいつは只者ではない。しびれました。

 

私はここまでパドックのテレビモニターで見ていたのですが、
どうしても、実際の走る姿を見たくなって、
裏の駐車場まで行って、そこから立ってみることにしました。
ゴールと同時に車を出そうともしたわけですが、
やっぱり最後は、
生で、#37の走る姿を見たかったのです。
最後は、劇的に2位にとどまりました。

 

初戦岡山の三連覇は果たせませんでしたが、
レースは記録ではなく、むしろ勝負です、
初戦2位スタートの今年は、むしろ、シリーズチャンピオンに行けるような気がしてきました。

 

 

契約カメラマンの中村さんから、早々と絵が送られて来ています。

 

PHOTO by Yoshifumi Nakamura

 

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PHOTO by Yoshifumi Nakamura

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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