谷 好通コラム

2016年02月21日(日曜日)

2.21.ムヒカ大統領が映画になるそうです。

「世界一貧乏な大統領」と呼ばれるウルグアイのムヒカ大統領が、
日本でも脚光を浴び、彼の素晴らしくシンプルな哲学と
政治姿勢、数々の奇抜な政治的功績は、
世界中の人に共感を積み上げ、高い評価を受けています。
昨日、日本のテレビでも取り上げられていましたが、
デレビの中では、
一つ肝心なことが抜けていました。

 

彼は30才前後(?)から、当時のウルグアイ軍事政権と戦う
極左の都市ゲリラ組織「ツパマロス」に参加していて、
過激かつ重要な役割を果たしていました。
そして何度も投獄され、
最後の約13年間にも及ぶ投獄では、
7年間、換気口も窓もない床も壁もコンクリートの部屋で、
時には1.5m×2mの井戸の底の独房で、大変つらかったそうです。
仲間がどんどん死に、
精神が壊れ、気が狂っていく中で、
過酷な環境で自らの死と闘いながら
自分の「精神の奥底にいる自分と対話」して、精神を保ったのだそうです。

 

残り6年間はそれでも「本」を与えられ、
それは科学の本とかの学術の本だけだったそうですが、
むさぼるように読んだそうです。、

 

きっとムヒカの原点はここだったのでしょう。

 

物は人を幸せに出来ない。
幸せに出来るのは、人を含めた生き物だけ。
貧乏とは、次から次へと欲しがり続けることだ。
などなど
ここで、彼の人類を語る論理が造り上げられたのでしょう。
人々を幸せにする独特の発想と実行力を身に着けたのではないでしょうか。

 

究極の拘束の中でこそ、
何物にも束縛されない精神が生き、
独創的かつ平明な自由な発想が生まれたのでしょう。
すごいですね。
自分の「奥底にいる自分との対話」とは、
私にはとてもそんな境地になれませんが、
意味はよく解かるような気がします。

 

ところで
ムヒカ大統領をテーマにした映画を撮っているそうです。
監督は鬼才クストリッツァ。
この素晴らしい監督が、この部分をどう表現するのか、
楽しみで仕方ありません。

 

 

もうすぐ東京です。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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