谷 好通コラム

2016年01月17日(日曜日)

1.17.子供たちはわざわざ誰も住まない家を掃除し続けた。

鹿児島生まれの人がいて、
その「家」には、昔、両親と四人の子供と暮らしていた。
やがて子供たちは成長して学校を卒業して
四人とも都会に働きに出た。
しかし末妹一人は田舎に戻ったが
三人はそのまま都会で結婚して都会の住人になった。
戻った末妹も田舎の隣町に嫁いで、「家」を出た。

 

家に残った両親は、
やがて年老いて亡くなり、

 

田舎の家は空き家になった。
でも、四人の子供たちにとって家は、唯一の故郷。
住む人がいなくなった家を、
子供たちは、誰の為ともなく、
隣町に嫁いだ娘と、
他の三人の兄弟たちはわざわざ都会から田舎に行って、
ときどき家の掃除を続けた。

 

しかし
子供たちも仕事を引退する歳になって、
家をこのままにしておくことも出来ず、始末することになった。

 

両親と四人兄弟が生まれ育った家が無くなる。
6人のすべての思い出を残して、家が無くなります。

 

こんな風に
日本国中の田舎から家が無くなりつつあります。

 

田舎に本当の日本の文化があったのだとしたら、
本当の日本が無くなりつつあるのかもしれません。

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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