谷 好通コラム

2015年06月12日(金曜日)

6.12.意識するとかえって見えなくなることがある。

三日ほど事務所にいる日が続いて、
その間にお越しいただいたお客様の何人かの方から
「ブログ読んでいますよ。」というようなことを言われて、
ちょっと意識してしまい、かえって書けなくなった日が続きました。
意識すると、自然体を見失ってしまいます。

 

似たような話がありました。
十数年前、代理店さんのどなたかが、
車のフロントウィンド用の新しい発想の新開発ケミカル商品Aで、
それが「ものすごく売れている。」という話をしていらっしゃいました。
それを聞き、
私たちも早速そのケミカルAを取寄せて調べたところ、
その内容はすぐに解かりました。
ケミカルAの組成そのものにはほとんど新味はなかったのですが、
その使用方法と販売方法に新しさがあっただけなので、
ケミカル商品としては、自分達にもすぐに製造出来ます。
もっと性能の高い商品にすることも容易でしたので、
早速、製造しました。
それで、これは良い儲かる新商品が出来たと思って、
売り出したのですが、
まったく売れませんでした。

 

新しいケミカル商品Aは、
そのケミカルの製造のみならず、容器の製造から梱包の用意など、
かなり大きなロットで製造が始まるので、
この新商品は、大量の不良在庫になって、大きな損失になりました。
私たちはこれが痛い経験となって、
「他で売れている商品があっても、真似して造ってはならない。」という
ひとつの教訓になっています。

 

私たちが製造するKeePerのケミカル商品は、
そのケミカルを使って確かな技術と共に造り出される
KeePerのカーコーティングや洗車などのサービス商品が、
お客様から受け入れられ、「欲しい」『必要』とされるから、
結果として施工店さんに多く販売されています。

 

言い方を変えると、
KeePerのサービス商品の”目的”は、
「お客様に喜んでいただく」ことであり、
それが成功しているから、
“結果”として、それを造り出す為のキーパーケミカル商品が売れている。
のでしょう。

 

それを十数年前の愚かな私たちは、
他メーカーが造ったケミカルAが良く売れていることを聞いて、
自分たちも売りたいと思って、コピー品Bを造ったのです。
この行為の”目的”は、
ケミカル商品Bを売る為、であり、
“結果”として売れませんでした。失敗でした。

 

 

これに懲りた私たちは、
他のケミカルメーカーの商品で、何が売れているかは聞かないことにしました。
気にすることもやめました。
私たちの目的は、
KeePerケミカルを使って作り上げたKeePerサービス商品で、
お客様に喜んでいただくことです。
だから、お客様に買っていただけるのでしょう。
これは、きれいごとではありません。事実だからしょうがないことです。

 

だから、
ケミカル商品を売るために他メーカーのケミカル商品を意識することをやめ、
他のメーカーのケミカル商品に興味を失いました。

 

そんなことに気をとられずに、
シンプルに、どうすればお客様が喜んでくれるかを考えれば、答えは簡単です。
横の競合を意識せずに、前にいるお客様だけを見ていればいいというわけです。

 

へんに意識してはいけませんね。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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